2023.3.2 春 夏 秋 冬
<心の準備もないままに…>
惨敗に終わった前回の釣行から一週間。自分でも驚くほどやる気になって迷わず釣行に向かった私です。しかし、そのやる気もすぐに萎えてしまいました。先行者が二人いたのを確認したからです。私のやる気などこんなものです。
「同じ場所でリベンジしてこそ価値がある。」「今日はやめておけっていう釣りの神様からの忠告だ。」
恨めしそうに先行者の姿を遠く眺めながら、ネガティブな気持ちが私の心を支配していきます。しかし、ここでも不思議なことが起こります。いつもなら様々な言い訳をしながら引き返していたであろう私が、なんと「ちょっと磯の様子を見にドライブをしよう」と、行動していたのです。
それでも、やはりネガティブな気持ちは変わっていませんでした。車を止めてただただ海を眺めていた私です。ここでも葛藤しました。
「誰もいないんだから釣りをしない理由がない」「風もなく春を思わせる絶好の釣り日和じゃないか」
「いやいや、磯釣りをする心の準備ができてなかったじゃないか」「サラシもないベタ凪じゃどうせ釣れっこない」
どのくらいやりあっていたでしょうか。これまた不思議なことにいつの間にか釣りの準備を始めていた私です。自分でじぶんを信じられないぐらいでした。
二年ぶりの背負子を担いでの磯歩きです。慎重に歩みを進めて釣り座に到着しました。海を眺めてみると底まで見通すことができるほどの透明度です。しかし、もはや引き返すことはできません。もちろん、そんな根性もなかった私です。
<悪夢をよみがえらせる魚くんたち>
釣り開始からしばらくまったく中りが出ませんでした。エサ盗りの小魚の姿も見えません。やっぱりダメか…と、思い始めたときに中りが。釣り開始から30分以上が過ぎたころです。しかし、その姿を見てがっくり。20cmにも満たないエソくんです。
①エソくん
そして続いたのは、なんとベラくんです。思わず「ゲームセット?!」と、声が漏れてしまいました。前回の悪夢が嫌でも頭の中をよぎります。
②ベラくん
しばらく中りが遠のき、完全に気持ちが萎えていた時にウキに微妙な変化が。ダメもとで合わせを入れると、手応えが。コナガくんです。現金なもので、これで気持ちが救われました。
「そうだ、ここは明るいうちはコッパばかりだけど、マズメ時に大物が来るとこじゃん」「マズメに大物が釣れるぞ」
完全にルンルン気分になった私です。そうしたお調子者の私に、コッパくんたちが応えてくれました。20cm前後の文字通りのコッパくんたちばかりでしたが、5連チャンです。これまでの私なら、彼らに文句をつけていたところですが、この日は感謝の言葉をかけていた私です。
そして、陽が沈む直前に30cm強のクチブトくんが顔を見せてくれました。それを機に、夜釣りバージョンに仕掛け変更です。俄然、やる気になってきた私です。
⑨30㎝UPのクチブトくん
⑩落陽
<スカ4連チャンの後の大物は…>
ウキに灯りがともった後、すぐに中りが。しかし、合わせが不発に。ウキに命の息吹が宿った見事な中りだったにもかかわらずスカに終わり、自らの腕のなさを呪った次第です。しかも、その後3連続のスカですからなおさらです。情けない限りです。
せっかくのチャンスタイムを逃してしまったからか、しばらく中りが遠のきました。
「何やってんだか、へたくそ!!」「もう釣りなんてやめてしまえ!!」
独り言をぶつくさつぶやいていると、ウキがうねりに飲み込まれたかのような不自然な動きをみせました。半信半疑のまま合わせを入れると強烈な手応えとともに、いきなり横っ走りです。
「ちょっと待って、まって」「ゴメン、かんべんして」
魚が言うことを聞いてくれるはずもなく、完全に振り回されていた私です。5分近くかかったでしょうか。耐えにたえて、なんとかタモに納まったのは予想通りのササヨくんでした。50cmは優に超えていました。気力も体力も、削りにけずられてしまいました。足もヨロヨロです。
しばらく呆然としゃがみこんでしまいました。水分補給をしたりして気力・体力の回復に努めましたが、釣り再開までには思った以上に時間がかかってしまいました。
<ご褒美をもらうことができました>
「もう帰ろうよ」
自然と湧き上がってくる声を何とか払拭して釣りを再開したのは、ササヨくんに別れを告げてから30分ほどもたっていたでしょうか。このまま手ぶらでおめおめと帰るわけにはいかないっていう、プライド?!が勝ったのかもしれません。とにかくコマセがなくなるまでは頑張ろうと、自分に言い聞かせながら…。
⑫オジサンくん
最初に顔を見せてくれたのは、オジサン。少し、迷いが生じました。タナが合っていないのではないかと。いろいろと試しながら、次の中りを待ちました。その結果、次の中りが待望のメジナくんでした。
⑬40㎝UPのクチブトくん
ササヨくんとの格闘の後でしたので、40cm強のクチブトくんでしたが難なくタモ入れまでできました。それでも心の中でガッツポーズです。このクチブトくんによって気楽になったのか、その後中りが10分、20分でなくても苦になることはなく、楽しめました。
そうした気持ちの変化が功を奏したのか、コンスタントに中りが出て、結局クチブトを3尾とオジサン1尾を釣り上げることができました。自分では粘ったという感覚はありませんでしたが、粘り勝ちというのが当たっているのかもしれません。粘ったという感覚がなかったのは、知らずしらずのうちに久しぶりの磯釣りを楽しんでいたからかもしれません。
⑰ケームセットとなった今日一のクチブトくん
それでも、釣行後に身体が悲鳴を上げたのは言うまでもありません。次回の釣行が心配な私です。
<同性婚を認めないのは差別ではない???>
岸田さんは憲法24条の「婚姻は、両性の合意にのみ基づいて成立し、…」を根拠として、同性婚を認めないことは差別ではないといっています。
そして、自分には差別意識はないとも言っています。本当でしょうか。
岸田さんの論理は、問題の本質をすり替えているだけにしか私には思えません。なぜなら、同性パートナーは様々な不利益を被っている現実が存在しているからです。アパートを借りられない、財産を相続もできない、死に目にも会えない等など、多くの差別的現実があることをどう解決していくのかということが、この問題の本質ではないでしょうか。
憲法を持ち出すならば、第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。後略 第13条 すべて国民は個人として尊重される。後略 第14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。後略
以上の条文を見れば明らかなように、同性パートナーは明らかな不利益、差別を被っているといえるはずです。岸田さんが答えるべきことは、こうした現状をどう考えているのか、どうするべきなのかという考えを述べることにあるのではないでしょうか。理解増進などと、のんきなことを言ってる場合じゃないはずです。
「社会が変わってしまう」発言にみられるように、岸田さんの中には“差別意識”があるのは明らかではないでしょうか。社会が変わることは、悪いことではないはずです。しかし、岸田さんにとって同性婚を認めることは、「現状の良い社会が変わってしまうので良くない」と、言外に本音が出てしまっているとしか言いようがありません。
世論調査の結果を見ても国民の意識ははるかに先を言っています。遅れているのは政治家の意識であり、政治そのものです。原発の再稼働・新設の推進。汚染水の海洋放出。マイナンバーカードの強制。トマホーク400発の購入など、岸田政権がやっていることは国民を不幸へと導くものでしかないのではないでしょうか。私にはそう思えてなりません。
⑱大島桜