ゆうまの杉の木(№1) | 伊豆高原 遊リゾートのちーさん

伊豆高原 遊リゾートのちーさん

伊豆高原 遊リゾートの貸別荘(アートロード・ロイヤルハイランド・レイクタウン)です!

伊豆のあなたのお部屋としてのご利用をお待ちしております!

ゆうまの杉の木

        やんもの村のものがたり

       改訂復刻版 著 小林一之







むかし、八幡野に、ひとりのやねやが住んで

いました。

むかしの家の屋根は、そのほとんどがカヤを使って

屋根をふきました。


この八幡野のやねやは、くさぶき屋根の名人で、

この職人のふいた屋根は、三十年も四十年ももつと

いわれている腕ききの職人でありました。


この職人は、となりの赤沢のお寺の草屋根をふく

ために、まい日まい日、小僧さんをつれて、かよって

おりました。


「おい、きょうは、赤沢のお寺の、たてまいだぁぞ。

なあ小僧、きょうで、お寺の屋根のふきかえも、

おわりだぁ。われも、しっかし、がんばったなぁ」


といって、赤沢へでかけました。

この日も、仕事はどんどんすすみました。






立派になった。おみゃーの仕事ぁー、ていねいだ」






と村人たちから、たいへんほめられました。

お寺の屋根のふきかえが終わるとこんどは餅まきです。

そして、祝いのえんかいが、はじまりました。

すっかり、ごちそうになった、やねやは、寿司や餅

などを、おみやげにもらいました。



「やい、小僧、そろそろ、やあたんに、かいるかい」



「あい、親方、かいろーじゃ」

「そんじゃあ、みなさん、ありがとうございました」



「やあやあ、ごくろうで、ございました。やねやさんの

仕事ぁー、村一番だ。おかげで、おらー村の、お寺も、

これで当分、でえじょうぶだ」

八幡野のやねやは、ほめられたり、ごちそうになったり

して、とてもいい気分になりました。



やっとこ、すっとこ、天神ヶ峯をこえて、ゆうまの坂を

おりていきました。

「や、やっ」



ふたりは、目をまるくして、びっくりしてしまいました。

なんと、大きな大きな杉の木が、小山ほども

切りたおされていて、道いっぱいになっていました。



朝、赤沢に行くときは、何事もなかったからです。

とにかく、みあげるほどの杉の木が切りたおされて

いるのです。

「どうするだあ、えー。こりゃあ、すごいもんだ。

ずいぶん、高く、つみあげてあるなあ」



ふたりは、とほうにくれてしまいましたが、この道を

とおっていかなければ、家へかえることができません。

しかたがないので、四つんばいになって、大きな大きな

杉の木の山をのりこえることにしました。

<つづく>


大正中期の八幡野 お祭り (山川家)わらぶき屋根
ちーさんのブログ

小林一之氏のイラスト(やんもの村のものがたり)

狐が悪さをします。
ちーさんのブログ

―今日の これ―

夏みかんをもらいました。

このままでもおいしい!


ちーさんのブログ

伊東の甘夏みかん狩り   6月末まで

市内3地区 15農園でやってます。

↑ ↑ ↑

問合せは伊東観光協会まで






ちーさんのブログ