米 殺し (伊東市 宇佐美) | 伊豆高原 遊リゾートのちーさん

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でもね、そんな世の中でも希望を失わないで行こう。

今日はちょっと怖い民話を・・・


米(アメ?)違う、違う、


      米(よね) 殺し        編者 宮内卯守


明治30年頃、伊東の「米(よね)」という凶暴無類のナラズ者の親分が、

いつも宇佐美にやってきては皆を困らせていた。

どのくらい凶暴であったかを示す、こんな話がある。


米が、下田のある親分と船の上でケンカになった時の事である。

自分の腿(もも)の肉を刃で削いで、


「刺身にして食え」


といって、下田の親分に出した。

下田の親分は、びっくりして、とうとうケンカは一方的におさまって

しまったという。

この頃、宇佐美の駐在所には、人のいい駐在さんが一人でおった。

米は、この駐在さんを殴って、帽子を飛ばし、小便までひっかけた。

どういう事情があったかは知らないが、そうされても逮捕できなかった

という。


駐在さんでもこんな有様だったから、村人にとっては、どうすることも

できなかった。


こんなことが何年か続いた。米の悪さはますますひどくなるばかりだった。

思案にあまった一部の有志が、決死の覚悟で、米の暗殺計画を考えた。







毎年、山焼きのあとの慰労の酒盛りに米がやってくるので、その日を実行の

日とすることをひそかに計画した。

山焼きの日がやってきた。

米がいつも座る敷物の下に麻縄で作った綱をかくし、米がくるのを待った。

米は、富士郡の子分と二人でやってきた。


酒盛りが始まり、人々は機会を待った。

やがてころあいよしと、数人が綱を引っ張るのを合図に、皆でおどりかかり

棒でなぐりつけた。

殺すつもりはなかったが、恐怖にかられてなぐりかかったためか、打ち所

が悪かったか、米をなぐり殺してしまった。


子分の方は、かろうじてその場を逃げだし、いったんは峰の農家の縁の下

にかくれたが、すぐに見つかった。

村人の持つトビの先で突っつき出され、近くの小屋にしばってとじこめて

しまった。


一方、米の死体の処理に困った村人たちは相談の末、夜になったら

伊東の海へ捨てることにした。


夜になるのを待って、数人で死体を運んでいった所、途中で婚礼の行列に

出くわし、あわてて死体を海へ投げ込み、血のあとを洗い流し、

急いで村へ帰った。


翌朝、道に点々と洗い残した血が残っているのが発見され大騒ぎとなり、

とうとう米殺しの事が、かくし切れず、関係した六人が逮捕され入牢となって

しまった。

村では、全村民が事情を訴え軟願書をさし出し、六人の刑期は以外に

軽かったということである。


わしが知っている最近の宇佐美で一番の騒動だったなあ、とひとりの古老

が話してくれたという。



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