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平成の歴代首相を「仕分け」する 最高評価は誰?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111126/plc11112618000007-n1.htm

 政府の行政刷新会議による「提言型政策仕分け」が23日、終わった。年金支給の減額などを提言したが、注目度は一昨年に比べ見る影もない。それもそのはず。何しろ、一昨年の「事業仕分け」で「凍結」と判定された公務員住宅の建設を財務相として再開するよう指示したのが他ならぬ野田佳彦首相本人だからだ。「仕分け」も今や「焼け太り」や「骨抜き」と同様、官僚主導政治の代名詞となりつつある。

 それなら、歴代首相を一定の評価基準に基づいて仕分けた方がよほど、建設的というものだろう。昭和までさかのぼると時代環境が異なりすぎる。ここは平成に入って首相に就任した故宇野宗佑氏から前首相の菅直人氏までの計15人のうち、超短命で「評価不能」の宇野氏と羽田孜氏を除く13人を仕分けてみる。

 評価基準は政策などの「見識」、国民への「発信力」、法案成立などの「実現力」のほか、「外交」、「国会対策」、「歴史観」の6項目とした。他にも首相に求められる能力は多々あるが、「指導力」は結果次第で変わる可能性が高いし、「クリーン」や「人柄」は結果重視の観点からあえて除外した。

 各項目10点ずつの計60点満点。極端な配点は排除して4~8点を中心に採点したが、小泉純一郎氏の「発信力」だけは例外的に10点となった。

 その結果、総合1位は安倍晋三氏の46点、次いで故小渕恵三氏44点、小泉氏42点。40点以上は、この3人だけで、30点代の6人は「可もなく不可もなし」といったところか。「見識」で9点の故宮沢喜一氏は「実現」や「歴史観」の5点が響いて36点。インテリ度だけでは業績に直結しない好例といえる。

 29点以下は、鳩山由紀夫氏25点、菅直人氏26点、福田康夫氏28点、村山富市氏29点の計4人。ワーストの4氏は「不可」と判定せざるを得ない。

 安倍氏は、自身の退陣から5年続けて首相が1年前後で交代していることもあり、以後4人の首相たちと「一緒くた」にされることが多い。

 だが、憲法改正に必要な国民投票法の成立、戦後初の教育基本法改正、防衛庁の「省」昇格など、1年間の業績としては特筆に値する。

以下省略


何故具体的な各項目の得点表を示さないのか。記事として落第である。プロのやることではない。

まあ、それはともかく。はたして一番が安倍かどうかはともかく、安倍の法案面の功績は確かに飛び抜けて高いのは事実。もっと評価されて良い首相だったのは間違いない。

だがしかし、それは裏を返せば彼がそれだけ子供じみていたということでもある。

小泉が超人的に凄まじい点は、彼が改革を断行するにあたってその項目を極限まで絞ったことにある。小泉の功績は一に郵政民営化、二に北朝鮮拉致被害者の救出、三にバブル後遺症からの脱却、そして靖国参拝による中国韓国との癒着関係の妨害。これだけである。

一つ一つの項目は彼でなければ成し得なかった高度なものだ。しかし、戦後三番目に長い6年もの在任期間にしては明らかに数が少なすぎる。その政権が改革を旗印としたにしては。

本来であれば、彼の在任中には最低でもあと2つ、どうしてもやっておくべきことがあった。それは中途に終わった年金を含む社会保障制度の改革と結局手をつけられなかった雇用制度の抜本的な見直しだ。この二つが小泉時代に片付かなかったことが現在の日本の停滞を招いている。

安倍を遥かに上回る人気と実力があった小泉であれば、もっと強引に様々な改革に手をつけることも可能だったはずだ。しかし彼はあえてその選択をしなかった。それはなぜか。必要以上に敵を作ることを避けたからだ。例えば道路公団の骨抜き改革。小泉は道路族にはあえて逃げ道を用意しその利権を温存した。

小泉政権に否定的な社会主義的政策大好きの自称保守の反新自由主義者が口を揃えて言うには、小泉改革によって日本の良い面が全て壊されてしまったのだそうだ。それが貧富の差の拡大を招いたと言いたいらしい。

しかしそれは事実誤認も甚だしい。貧富の差の拡大は実はバブル崩壊後から既に発生していたものであり、これは国家の成熟の過程で避けられない現象だ。小泉がやったことは、その拡大する格差の中で社会をそれに対応できる形に変えるための改革だ。つまり、放っておけばもはやなんの職にも就けなくなった人たちに、派遣労働という新しい雇用を作り出して与えたわけだ。同時に強引に円安環境を作り出し、輸出産業に国内残留を求めたのだ。

ところが、これがサヨクの馬鹿どもだけでなく、一部保守の連中にもきちんと理解されていない。小泉改革が労働者の二極化を招いた、自分たちが不幸なのは小泉のせいだと思い込んでいるわけだ。現実には、もう大学を出て安定した企業に就職して一生正社員で安泰な生活が保障される夢のような時代は終わったというのに。いまだに年功序列で終身雇用で馴れ合い中選挙区の学歴社会に日本が戻れると夢見ている。

話を戻そう。小泉が賢かったのは彼が最小限の敵を作るだけの改革に集中したことにある。しかし安倍は違った。彼が新聞テレビ雑誌で徹底的に叩かれ参議院選挙で大敗したのは、なにも愚かにも郵政造反組を復党させたからだけではない。

彼はやり過ぎたのだ。あまりにも性急に広範囲にそしてクリティカルな問題ばかりを矢継ぎ早に消化しようとした。特に教員免許更新制や国民投票制度など、サヨク最も抵抗するであろう案件を躊躇なく断行したことは、サヨクが多く潜り込んでいるメディア業界に火をつけた。

結局、安倍は超人気の小泉前政権の反動もあり、参院選で無惨に敗北し辞任することとなる。もし安倍が小泉のようにもっと賢くそして冷たい人物であったならば、彼の政権は小泉改革を引き継いだと評価され長期政権となったかもしれない。

また、安倍が行った改革で特徴的なのは、その多くが国家の根本に関わる理念的な部位である点にある。安倍は誰彼かまわず喧嘩をふっかける子供であるだけでなく、現実よりも理念を優先させる非常に理想主義的な一面があった。本来であれば、安倍の役割は小泉政権がやり残した現実的に差し迫った案件を最優先に片付けることだった。特に労働と雇用の流動性の担保とそれに会わせた新しい形のセイフティネットの拡充が急がれたはずだ。

しかし彼が目指したのは「美しい国日本の復活」というものだった。これが小泉ブームから覚めつつあった民衆の不興を買った。バブルの後遺症から立ち直ったとはいえ依然としてデフレに苛立っていた毎日の現実と戦っている人たちには不評だった。

また、安倍の保守復古主義の改革は一見すると小泉改革の否定とも受け取られた。国民は小泉改革を支持したが、安倍がそれを継承しなかったと捉えた。こうなると小泉改革で支持基盤を大きく変更したことが裏目にでた。小泉を支持した同じ人間が安倍の敵となったわけだ。

得点形式での歴代首相の評価で安倍が意外に高得点を叩き出すのは不思議ではない。しかしそれでも、彼のもたらしたマイナス面を考えないわけにはいかない。長期間安定しながらも同時に腐敗していた自民党政権は小泉が見事に作り替えたはずだった。その成功を水泡に帰した最大の功労者は間違いなく安倍晋三だからだ。彼の首相への復帰を望む声も多いようだが、私はこの人物はその器ではないと今は思う。少なくとも、安倍が悲劇の実力者であり実は全てにおいて正しかったとするごとき、本人に勘違いをさせるような評価は与えられない。

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