前回のブログでは、拘置所に移送され、初めて食べた拘置所メシを泣きながら食べたというところまで書きました。

 

 

 

拘置所は古くて汚くて、人の生活する場所じゃないと思いました。

 

特にお風呂は本当に嫌で、タイルの上をつま先立ちで歩いていました。

 

 

食事は男区の炊場が作っているので、女区に運ばれて来るころにはとっくに冷めています。

 

衣類や布団、毛布、枕もとても臭かったです。

長年染みついた、干しても洗っても取れないであろう独特な臭いでした。

 

 

6月10日に入所、6月11日に既決となり受刑者となります。

 

いわゆるアカ落ちというやつです。

 

 

どこの会社かは言いませんが、紙袋を作る作業を担当しました。

 

今まで誰が作っているかなんて考えたこともなかった紙袋。

 

今現在も、自分が受刑中に作っていた会社やショップの紙袋を見ると、あれはどこの施設で作った物かな…と思ったりします。

 

 

女区では刑務官のことを『先生』と呼びます。

先生に紙袋の作り方を教えてもらい、一つ一つ丁寧に作ります。

 

 

留置場の警察官と拘置所の刑務官で圧倒的に違う所は、しっかりと私たちに言葉を掛けてくれることです。

 

紙袋が出来上がれば「ありがとう」、「ごくろうさま」、先生が何かミスをすれば「ごめんね」。

 

久しぶりに人間扱いされたというか…

ありがとうやごくろうさまなんて言葉を、いつぶりに聞いただろうと思いました。

 

 

 

睡眠薬や安定剤ですが、入所日からデパス1㎜×3、ベゲタミンA×1、マイスリー×1を処方されます。

自己所持はもちろんできません。飲む前に先生が持ってきます。

 

 

作業の後に先生が「薬を飲まなくても眠れるんじゃない?」と言ってくれたことがあります。

 

その言葉がとても嬉しくて、この生活を続けたらいつか断薬できるかもしれない、そう思うきっかけをこの先生からもらったと思っています。

 

 

建物の古さや汚さ、食事は人間用(?)とは思えなかったけど、他人の親切に久しぶりに気が付くことができました。

 

 

 

 

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