東京都豊島区にあるイベントバーエデン本店で、第4回目となる元女子受刑者BARを開催します。

刑務所のこと、依存症のこと、受刑者の社会復帰について等、お客さまからいただいた質問には全てお答えします。

身内に依存症者や受刑者がいる方も、ぜひ遊びに来てください。

虐待を受けても性被害に遭っても、今を生きています。
薬物依存の底無し沼に居ても這い上がれます。
受刑経験があっても必ず社会復帰できます。

碧の森と私の前向きな活動を、少しでも知っていただければ幸いです。

私の処女作(共著)を、税抜き価格の1,900円で販売します。限定10冊のご用意です。
※本の印税は犯罪被害者支援に全て寄付されます※



Amazonでのご購入はこちらから。

 


日時:
 10月25日(土)18時~23時
料金:
 チャージ1,500円+ワンドリンク制
お店の住所:

 

イベントバーエデンは、私が出演したNNNドキュメントでも少し映りました。以下の投稿の12秒あたりです。

 


元女子受刑者Barについて解説するショート動画はこちらです。

 


予約は不要です。お店は狭いのでぎゅうぎゅうになるかもしれませんが、ご都合の付く方はぜひご来店ください。

 

前回のブログでは、喜連川社会復帰促進センターへ面会に行く経緯を書きました。

面会に立ち会った女性刑務官を「見たことある」と思った湯浅。

続きを書いていきます。

 

やっぱり見たことある…

 

女性刑務官がめっちゃ気になるけど、Oさんの近況報告から。

Oさんは仮釈放中に再犯し、逮捕されました。
身元引受人がおらず、帰住先は保護会でした。

保護会とは、身元引受人が居ない受刑者が一時的に住む場所です。

満期日まで保護会に住むことができます。規則は厳しいので、社会にあるプチ刑務所(寮)のような施設です。

涙を流しながら話をするOさんの話を聞きます。

もう二度と刑務所に戻らないために、私にできることはやる。だからOさんも頑張ろう。服役中は文通をしながら、今後どう生きるか一緒に考えて行こう。

面会を進めていくとタイマーがピピッと鳴り、女性刑務官が「あと15分です」と教えてくれます。

面会室には時計がありません。私はスマートウォッチなので、ロッカーに預けて面会室に入っています。

女性刑務官の「あと15分です」の声で、女性刑務官をガン見します。

やっぱり見たことある……
 

 

家族でもない私が喜連川で面会ができた理由

 

本3冊と私の名刺を差し入れする約束をして、面会室を出ます。

皆さまからいただいた献本の中から3冊と、私の名刺を差し入れして、喜連川の門を出ます。

ここでスマホを確認すると、弁護人から着信とメールが届いていました。内容を確認します。

「宇都宮地方裁判所の裏手にあった宇都宮拘置所が立替工事のため、一昨年から使用されず、代わりに喜連川社会復帰促進センター内に仮の拘置所が設置されている状況です。Oさんの立場は依然被告人のままで、湯浅様が本人に面会することは一般面会として可能です。」

宇都宮拘置所は耐震基準を満たしておらず建て替え中のようで、喜連川が拘置所代わりに使われているから、私でも面会に行けたというわけです。

今回の最大の学びは、仮釈放中の再犯でも、裁判を経て受刑者の身分に戻るということです。

プロの知識は本当にありがたいですね。

 

あの女性刑務官は……

 

帰りの車を運転中、あの女性刑務官とどこで会っているのか考えました。

刑務所以外あり得ませんが(笑)、立川拘置所と栃木刑務所のどちらだろう。

あの女性刑務官は工場担当ではない。すると私が居室や工場から移動する際に付き添う刑務官だ。

 

私の服役中は誰も面会に来なかったので、付き添いがあれば医務くらいなもの。


………たぶん、立川拘置所の医務へ同行した刑務官だ。


 

刑務官の仕事への無理解


話しは飛びますが、こちらの記事をご覧ください。

 

 

記事から一部抜粋します。

法務省は、全国の刑事施設職員5032人を対象にアンケートを実施(2023年)。回答では、「仕事の困難さが社会や国民からあまり・全く理解されていない」と回答した人が、約80%に上った。


そりゃあそうですよ。塀の中のことは社会の人たちに見えませんから、社会や国民から理解されなくて当然だと私は思います。

 

我々のことを本気で考えている刑務官は、いる

 

私は出所後、刑務所のおかしなところばかりに目が行っていました。

例えば、「なぜ教育に力を入れない?」、「外部講師を積極的に入れて教育を行えばいい!」、「出所後も刑務官とやり取りができれば困ったときに相談できるのに」、といった、刑務所への不満をこのブログに書いている時期がありました。

ここ2年くらいで、法務省関係者とお話をすることが増えました。お話を聞くたびに、私はなんて視野が狭かったのだろうと、そのころの記事を削除したい衝動に駆られます。

さまざまな自助グループに、足繁く顔を出す教育専門官がいます。

受刑者の出所後を真剣に考え、どうすればいいか模索中の刑務官がいます。

詳しいことは書けませんが、刑務所の中には間違いなく、受刑者や元受刑者のことを真剣に考える刑務官がいるのです。

 

刑務所や刑務官にいかにひどい扱いを受けたか、出所後に発信する人たち

 

私は、「刑務所の闇を語ります」、「刑務所の内部事情を晒します」、「こんなにひどい扱いを受けました」と嬉々として発信する人たちを、好きにはなれません。

その理由は、受刑者の社会復帰後を真剣に考えたり、当事者グループに顔を出したり、職務以外で一生懸命動いている刑務官や教育専門官を、この目で見ているからです。(本当に刑務官から酷い仕打ちを受けたのならば、裁判を起こして戦えばいいと私は思います。)

そんな発信を目にした刑務官は、どう思うでしょう。

上記に貼った記事の、「仕事の困難さが社会や国民からあまり・全く理解されていない」に繋がりますよね。大変な仕事なのに見事な恨まれ役。

彼らは板挟みです。
上からの方針は□□だけど、○○にすれば再犯は減るし効果が期待できる。でも○○と上に進言すれば、窓際に追いやられたり、煙たがられる。

私たちのことを真剣に考えてくれる刑務官や法務省関係者は、間違いなくいるのです。

そのことを多くの方に、特に元受刑者に知って欲しいと考えているので、碧の森では今後、刑務官の声を社会に届ける活動もしていきたいと思っています。

難しいかもしれない。でも、私はやりたい。

 

面会に同席した女性刑務官へ

 

私は、あなたと直接話をしたことはないと思います。

ですが、あなたの仕事のおかげで社会復帰することができています。

そして、今の活動をするに至ります。

あなたは私を覚えていないかも知れない、でも私は覚えています。

この活動を続ける限り、これからもどこかでお会いするかも知れません。

そのたびに心の中で「あのときはありがとうございました」と伝え続けます。

 

元受刑者から、刑務官に感謝を伝える

 

刑務官も人です。元受刑者の中には、あの刑務官は嫌いだとか、自分と合わなかったという意見もあるでしょう。

私は今の活動を通して、法務省関係者と少しずつではありますが、話ができるようになっています。

前科者座談会で元受刑者からヒアリングし、刑務官の名前は分からないけれど、感謝を伝えることはできます。

上記に貼った記事を、再度抜粋します。

「使命感ややりがいを感じない・あまり感じない」とした約40%、理由は「自分の業務が社会の役に立っている実感がない(約39%)」

しっかり社会復帰している受刑者がいる。そのことを刑務官が知る機会があれば、刑務官の皆さんの使命感や、やりがいを取り戻すことに繋がるのではないかと、湯浅は考えています。

だって、社会復帰した受刑者のその後を知る方法が無いんですよ?

知ったとしても良いものはほぼ無く、再犯のニュースです。


そんな現実を、碧の森は変えていきたいです。

壮大ではありますが、湯浅の人生目標の一つに掲げます。

死ぬまでには成し遂げられるはず。

私の健康寿命を70歳と仮定して、あと26年もありますからね。

 

 

遊佐学さんと奥さまとお蕎麦を食べました






遊佐学さんは、一般社団法人希望への道の代表です。

栃木県で自立準備ホーム「俺の家」を運営されています。奥さまはなんと、今月末に出産を控えています。

盆ざる蕎麦、美味しくいただきました!

遊佐学さんのSNSや希望への道のHPはこちらから。

X↓
https://x.com/MANABUYUSA009


Facebook↓


希望への道HP↓

 

レターパック・レターパックプラスのご寄付を

 

碧の森では、レターパックやレターパックプラス・切手のご寄付も受け付けております。

受刑者へ本を送るのに必須です。余っていたり使っていない、レターパックやレターパックプラス、切手などありましたら、碧の森に送ってくださると嬉しいです。

全て受刑者の伴走に使わせていただきます。

直接のご寄付は、碧の森HPをご覧ください。

 

 

前回のブログではNNNドキュメント25に出演すると書きました。

前回のブログからかなり間が空きました、すみませんと、この1年半書き続けています。ブログを書く暇がないという「やらない言い訳」をしていますが、このブログは私の人生の記録ですので、頻度が落ちても書き続けます。どうぞお付き合いくださいませ。

今回のブログは、前編・後編に分けます。
私のブログは毎週金曜日の朝8時にupされますが、サボった分、今回は9月7日(日)朝8時に後編をupします。

 

喜連川への面会

 

最近はよく面会に行きます。東京拘置所や警察署が主ですが、9月1日(月)は栃木県の喜連川社会復帰促進センターへ面会に行ってきました。

なんで喜連川に面会に行けるの?と、勘の良い方は思われたかもしれません。

喜連川は半官半民の刑務所です。面会したい相手が刑務所に居るなら、すでに受刑者の身分になっているので(垢落ちしているので)、家族や雇用主以外の面会は本来できません。

面会相手をOさんとします。Oさんの弁護人から、警察の留置場から喜連川に移送されたと、8月29日(金)の夕方にメールがありました。

 

喜連川って刑務所だよな……

 

私がメールを確認したのは19時過ぎでした。「面会は留置場ではなく喜連川にお願いします。」と書かれており、私は軽い気持ちで「おっ、喜連川に拘置所があるのか~」と呑気に考えていました。

住所を確認します。「………喜連川社会復帰促進センター??刑務所やんけ!!!」

少しパニックです。なんで刑務所に移送されるんだ?公判はまだ始まっていないのに?どういうこと?私が喜連川に行ったところで面会できるのか……?

頭がこんがらがりましたが、これには理由があります。

 

Oさんは仮釈放中の再犯

 

Oさんは仮釈放中の再犯で逮捕されました。

私が碧の森の活動を始めてから、仮釈放中に再犯する人の話は聞いたことがありました。ですが私の直接の相談者さんには、仮釈放中に再犯した人が居なかったんです。

「……仮釈中の再犯は、取り調べが終わったらすぐ受刑者の身分に戻されるのか?いずれにせよOさんが刑務所に居ることに間違いはない。喜連川に足を運んだところで会えるか分からない。弁護人にメールしてみよう。」

と、行動に移した時間は8月29日(金)の20時過ぎです。弁護人はとっくに仕事を終えている時間です。Oさんがすでに受刑者の身分になっているのではないか、私が面会できるのか、日曜日までに返信をお願いしますとメールを送ります。

喜連川への面会は車で2時間半、高速代も往復で6千円近くかかるので、無駄足は避けたい。

せっかく栃木に行くのだから、栃木で自立準備ホーム「俺の家」を運営している遊佐学さんと奥さまと、ランチをご一緒することになっていました。

最悪Oさんに会えなかったとしても、学さんと奥さまに会えればいいと考えを切り替えました。弁護人から返信がなくても、喜連川に行くだけ行ってみよう。

弁護人からの返信はなく(お休みですから当然)、9月1日の朝を迎えます。

 

朝8時過ぎに喜連川へ向けて自宅を出発

 

私は出所後、極力高速道路を運転しないようにしていました。事故を起こしたらまた刑務所に戻るかもしれないからです。首都高なんて怖くて運転できません。

ゆっくり安全運転しよう。東北道を100㌔程度で走ります。

1日はなぜか白バイとパトカー、覆面パトカーが上下線ともにたくさんいました。

喜連川社会復帰促進センターに到着したのは10時20分ごろ、山の中にポツンと建っていました。県道から外れるので、ただ通り過ぎる人はあの場所に刑務所があるとは気付かないでしょう。



ミャクミャクくんを連れて行きました。県道から喜連川のある山道の入り口に、写真に写る小さな案内板があります。ナビが無ければ見落とすでしょう。

 

超キレイな喜連川

 

門で守衛さんから面会バッジを受け取ります。このままレンガ道を進んでくださいね~と、とても気さくです。

面会受け付けも近代的、さすが半官半民!と思いながら恐る恐る受付けをします。「△△警察署から移送されたOさんの面会なんですが…」

受け付けの女性刑務官が「こちらの面会は初めてですか?」と聞いてきたので、初めてですと伝え、記入用紙の説明を受けます。

記入用紙はこんな感じ。これは東京拘置所の記入用紙ですが、喜連川はもっと枠が大きくて書きやすかったです。



記入用紙を提出後、カギと番号札を受け取ります。この時点で面会ができることを意味しています。いや~、はるばる片道2時間半の面会、無駄足にならなくて本当に良かったです。

ロッカーの中にスマートウォッチやスマホ、その他の荷物を預けます。私はバインダーとレポート用紙1枚、ペンだけ持ち、呼ばれるのを待ちます。


男性刑務官が面会の流れを説明に来てくれました。「面会室の中にはそれは(バインダー・レポート用紙1枚・ペン)持ち込めません。全てロッカーに預けてください。」

マジか。東京拘置所はOKなんだけどな。施設によって規則が違うのは、刑務所・拘置所あるあるです。

「メモを取りたいのですが、その場合はどうすれば?」と質問すると、藁半紙のようなメモの切れ端と、喜連川とテープが巻かれたボールペンをお貸ししますとのこと、何も持ち込めないわけではないのね、よかった。
 

見たことある……

 

10分程度待ち、私の番号が呼ばれます。金属探知機をくぐり、自動で鍵が開くドアのノブを回して面会室に向かいます。

東京拘置所の面会時間は15分~20分なのですが(混雑状況で変化する)、喜連川はなんと30分でした。

女性刑務官に連れられ、Oさんがやってきます。

初めて行く面会では、「来てくれてありがとうございます」と言える人はほとんど居ません。

ふ~ん、自分のために時間を割いて面会に来てくれているのに、犯罪者は挨拶もできないのね!と思ったそこの読者さん。

面会に行くことを予め伝えるのは、なかなか難しいんです。来てくれた人が初対面ならなおさら、収容者からすれば「あんた誰?」状態です。

慣れない環境で長期間の拘束をされれば、拘禁反応も出てきます。周囲の人が全て敵に見えてしまう、そんな状態に陥ることもあるのです。

何度面会に行っても感謝の言葉を伝えられない人は多いですが、そんなもんです。その人が出所したあと、「再犯せずにどのような人生を送るか」の方が、挨拶ができないことよりはるかに大切です。

Oさんはとても礼儀正しく、「こんな遠いところまで来てくださって、本当にすみません、ありがとうございます。」と言いました。顔色もよく元気そうで、安心しました。



面会には必ず刑務官が同席します。

そこで私は気付きます。


この女性刑務官、見たことある。

 


後編は9月7日(日)8時にupします。

日本テレビのNNNドキュメントさんに取り上げていただくことになりました。

放送日は7/13(日)24:55~です。深夜ですので録画または再放送、TVerやHuluなどで観ていただけると嬉しいです。
 

 

 


プロデューサーの近藤剛さんからお声がけいただいたのは昨年の秋口、撮影は昨年10月から先月末まで続きました。

前科者座談会に参加している皆さんや相談者さんにも、撮影にご協力いただきました。

私は支援という言葉が好きではありません。タイトルに「社会復帰の伴走者」と入っているのは、私の想いを汲み取っていただけたからだと思っています。


碧の森と前科者座談会の存在を、一人でも多くの方に知ってもらいたいです。

刑余者(前科者)の支援に携わる方は、このブログやNNNドキュメントさんのHP・XやFacebookをシェアしていただけますと幸いです。

前科者の方はなかなか拡散が難しいと思いますが、できる範囲で協力いただけると嬉しいです。

放送内容について、私は確認することはできません。皆さんと同じ放送で知ることになります。

私がどんな活動をしているか、第三者視点で見ていただく良い機会だと思っています。楽しみな反面、今からとても緊張しています。

今回撮影に協力してくださった皆さま。
近藤剛さん。
番組制作に携わってくださった皆さま。

このご縁に、心から感謝いたします。
 

 

 

前回のブログでは、前科者が社会からどのように見られているかを書きました。

コメントをくださった勇気あるお二人に感謝します。ディスカッションできる場を作ることも碧の森の役割だと考えているので、いつか実現できたらと思います。

 

薬物を目の前に出されたらどうする?

 

今日はこのテーマでブログを書いていきます。

「湯浅さんの目の前に薬物を出されたらどうしますか?」という質問をされたら、

私は手を出しますと答えます。周囲に誰もおらず、私一人なら手を出さない自信はありません。

だから私は薬物が売買されているような場所には一人で近付かないし、薬物を買ったりギャンブルができる現金を極力持たないよう徹底しています。

依存症という病気からの回復には人一倍努力が必要ですし、自衛していてもとんでもないところからスリップのトリガーはやってきます。とにかく油断がならない病気ということです。

 

薬物依存症者に同じ質問をして「絶対に手を出しません」と言える人は、嘘をついているか薬物依存症者ではないと思います。

 

もう刑務所へ戻るようなことはしませんよね?

 

もう刑務所に行くことはありませんよね?という質問に対しても同様で、私は刑務所に二度と戻りたくはありませんが、絶対に戻らないとは断言できません。

なぜなら、不慮の事故で人を轢いてしまうことがある「かも知れない」からです。

 

私は夫に、薬物やギャンブルに再度耽溺することがあるかも知れないと伝えています。

夫は依存症への一定の理解は示してくれていますが、実際にスリップすれば離婚だと言われているし、私が刑務所に戻るようなことがあればやはり離婚するとあらかじめ宣言されています。

 

依存症への理解の低さ

 

私はこの内容を誰に対しても同じように伝えていますが、字義通り受け取る方が一定数いらっしゃいます。

そういう方からは、例えば「薬物をまたやると堂々と宣言する人は信用できない」とか、「再犯宣言をするような前科者に社団法人がつとまるのか」といった類のご意見が聞こえてきます。

 

このような意見の方たちは、きっと依存症という病気を知らないし、深く学んだことがないのでしょう。

依存症とは無縁の方ならまだしも、この時代に、福祉に携わる方であっても、依存症への知識が不足していることには愕然とします。

社会とはしょせんそんなものだと、あきらめている部分も正直あります。

 

想像力を働かせることが難しい

 

運転免許を持つ人ならば教習所で必ず習う、「だろう運転」と「かも知れない運転」。

大丈夫だろうと思わず、誰か飛び出してくるかも知れないと思いながら運転を心掛けようというものですが、今の社会は、「かも知れない」という想像力を働かせることができない人が多いように感じています。

 

想像力という点で言うと、例えば誰かの誕生日会があったとして、その場の主役はもちろん誕生日の人ですが、それが分からない人が増えたと思います。

主役をお祝いしにいくのに、自分の話をしまくる人がいますよね。

 

私ならどうするか?

 

いくつか例を挙げていきます。

 

会社の設立パーティに招待されたらどうするか。
その会社と会社を立ち上げた方たちが主役ですから、まずお祝いの言葉をお伝えし、相手がお話できる状態であれば、どんな想いで会社を立ち上げたのか、また未来の展望などをお伺いします。

 

では最近開催された刑務所アート展はどうでしょう。
受刑者が描いた絵や書と受刑者たちが主役なので、主催しているPACの方が準主役となります。服役中の受刑者には話しかけられないので(笑)、絵と書を見て受刑者がどんな人か想像します。私は刑務所アート展が継続的に開催されることを願っているので、準主役のPACへ少額ですが寄付をさせていただきました。

 

画家の個展に招待されたらどうするか。
私なりのお祝いをお持ちし、絵を拝見したあと、絵を描いたご本人に私の感想をお伝えします。他のお客様が多いようならギャラリーを早く出ることもあります。

 

どのシーンでも主役は会場で引っ張りだこになるので、ひとり占めするようなことはしません。

 

見えないのか?見ようとしないのか?

 

誰が主役なのか、何のためのイベントなのか、主催者の意図するものは何なのか。それを考えもしないし、見ようともしない人がいます。

 

そういうのって若い人に多いでしょ?と思われた方もいるかも知れませんが、私より年上でもTPOをわきまえない人はいます。

人生を長く生きているからわきまえている、という問題では無いことに最近気付きました。

相手を慮ることができない人が増えたんですよね。かも知れないよね、と思える心の余裕が無いのです。

 

かも知れない、という視点を持ち続けたい


いろいろな意見があっていい。

その意見が自分と相反しても、「この方は△△と考えているから○○と言ったのかも知れない」、という想像力を持つ自分でありたいです。

冒頭に書いた「湯浅さんの目の前に薬物を出されたらどうしますか?」という質問に対しての答えは、今後も変えるつもりはありません。

ただ、伝える人は選びます。依存症や刑余者に無理解の人に対して、こちらから強いメッセージを伝えても、反発あるいは嫌悪されてしまう「かも知れない」、ということを理解したからです。

目の前に薬物を出されたら使う、この答えによって私の信用が失墜しようが構わないと思っています。私にとって嘘偽りない、本当のことですから。

 

自分が依存症だという自覚を持ち続け、薬物に手を出さない環境を作ることは、依存症から回復するための行動の一つです。
 

1年の半分が終わりました。社会で時間が経つのはあっという間ですね。

 

突然ですが、私は最近「ぬい活」を始めました。読者の皆さんはぬい活をご存知でしょうか?

 

ぬいぐるみ活動、略してぬい活

 

ぬいぐるみ活動といっても幅広いのですが、自分の好きなキャラのぬいぐるみを集めたり、そのぬいぐるみの写真を撮ったり、洋服を作って着せてみたり、ぬいぐるみと一緒に旅をしたり。推し活とも言います。

私が推しに選んだのは、Suicaのペンギンです。



SuicaとはJR東日本が提供するICカードです。関西だとICOCA、JR九州だとSUGOCAにあたり、Suicaにはさかざきちはるさんがデザインしたペンギンが描かれています。

 


私は以前からSuicaのペンギンを可愛いと思っていたのですが、埼玉県大宮駅構内にSuicaのペンギングッズを販売するペンスタというお店があるのに素通りしていました。

ある日たまたまお店を覗いて、ぬいぐるみを購入したのがきっかけでぬい活を始めます。

私はXでSuicaのペンギンのぬい活投稿を見つけては、可愛いものに片っ端からいいねをしていました。

 

私のXアカウントは3つ

 

私はXアカウントが3つあります。

①フォロワー11,000人くらい、趣味とペットのアカウント。

②湯浅静香アカウント、フォロワー2,500人程度で私の日常をup。
③碧の森アカウント、フォロワー500人程度で告知が主。

 

②でぬい活の写真をupし、可愛いと思った写真に片っ端からいいねをしていたのですが、私のぬい活投稿にいいねが返って来ることがありませんでした。

そりゃそうだ。Xの自己紹介はこうなっていますから。
 



元受刑者だと自己開示しているのですから、関わりたくないと思うのが普通です。

 

ここで私に悪戯心が芽生えます。

 

フォロワー1.1万人の方でぬい活投稿したら?

 

①でぬい活の写真をupしたらどうなるだろう?私はさっそく試してみました。

 

するとどうでしょう。②からいいねをしているぬい活アカウントの人たちが、こぞっていいねと、リポストまでしてくれるではありませんか!!!

①では前科の「ぜ」の字も出していないので、いいねをしてきた人たちは、まさか中の人が前科者とは思わないでしょう。

 

見えないことにされる前科者

 

私も人を表面的なものや肩書きで判断することがあるので、この方たちを責めるつもりは一切ありません。
 

人は無意識のうちに付き合う人を選ぶ。

「刑余者が見えていない」、「刑余者と関わることを避ける」、ただそれだけのことです。

 

この出来事をXでポストしようとしていた矢先…

 

このことをXでつぶやこうと思っていた矢先、ぬい活グッズの抽選販売に当選してある店に並びました。
 

そこにはSuicaのペンギングッズをたくさん持ったぬい活上級者たちがいました。あのアイテムはどこで売っているの?手作りなの?気になって仕方がありません。

私は並んでいる人たちに話しかけます。「何時からの販売に当たったんですか?ぬい活を最近始めたばかりなので何も分からないんです」、上級者の方たちと話が盛り上がります。

やがて会話の流れで「Xのアカウントを教えてください」という話になり、私は思わず、「私のアカウントは本当にたいしたことないので…」といったん引き、自分のアカウントを教えるか迷いました。

最終的には一人の方と相互フォローになりました。その方は私のぬい活投稿をさかのぼり、いいねをしてくれました。

 

実際に話をすると印象は変わる

 

刑余者が社会からどのように思われているか?

できれば関わりたくないと思うでしょうが、コミュニケーションを取り、ある程度の人となりが見えれば、中には受け入れてくれる人もいる。

刑余者を怖いと思うのは当然です。
知っていただいた上でどう判断するかは、その方次第です。

こちらがコントロールするものではありません。

 

ある投稿から

 

つい最近、こんな投稿が流れてきたんですね。



学校給食とそれぞれの食事を比べた写真です。真偽は読者の皆さんが判断してください。
 

この投稿に対して元受刑者が、「刑務所でこんな量のおかずが出てくるわけない、これならみんな刑務所行くわ」と引用しました。

すると、「俺の住んでる地域にある軽犯罪者が収容される刑務所はこんな感じの食事だった」と返信した方がいました。

実際に右上の食事が刑務所で出されるかは、横に置いておきます。

 

世間に迷惑をかけたくせに

 

刑務所でこんな食事が出るわけないだろと主張する元受刑者は、私が仲良くさせていただいている西高童貞くんです。(笑)

西高くんの実体験に対して、「実体験なら何も言う権利なくね?」と主張し始めた方がいました。
 

 

西高くんの伝え方にも問題はありますが、まさに社会は我々をこう見ているんだよなと思いながら、私も引用をさせていただきました。

 

 

真面目に生きてきた人が立派

 

私の服役中にジャンプで「火ノ丸相撲」が連載されていました。


私が依存症子として活動を始めた約5年前から、マスコミに取り上げていただく度に何度同じ画像を貼られたことか。それがこちらです。



私の好きな言葉の一つに「覆水盆に返らず」があります。このキャラクターが言っている「人並の事をずっと真面目にやってる奴が一番立派なんだ」はごもっともだと思います。

この活動を始めたばかりのころ、お前は何を偉そうにしゃしゃり出てきてるんだと言われました。ニュアンスは違いますが、今も似たようなお声をいただくことはあります。

 

私は、差別も区別も受け止めます

 

私は「社会復帰している元受刑者への偏見や区別の目は非常に厳しい。これが現実です。」と引用しました。

社会の多くの方が、この方と似通った意見だと思っているからです。

 


あらためて、読者の皆さんはなにを思いますか。
 

刑務所アート展の特別企画で、5月30日(金)に岩崎風水さんとクロストークを開催します。

平日の昼間ですが、お時間の許す方はぜひご来場ください。この日は刺青を隠さずに行きます!


 

日時:5/30(金)13時~14時半

場所:東京都墨田区京島3丁目23-11(京島劇場)

入場:無料


https://pac-j.com/


私だけでなく元受刑者・元ヤクザ・元刑事もトークを繰り広げますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

刑務所アート展では、刑務所で過ごす受刑者や出所者、家族など、刑務所に関わる様々な立場の人々による芸術作品、約200点を展示します。
 

刑務所で色鉛筆を購入できるのは小数です。ましてや水彩画など選ばれた受刑者しか描けません。

受刑者たちの作品を見ていただければと思います。
 

https://note.com/iwazakifuusui/n/n7296dc05749c


 

 

 

皆さまこんにちは。お久しぶりです。

報告をさせてください。

これまで個人事業主として活動してまいりました碧の森ですが、5/8(木)に一般社団法人碧の森として新たなスタートを切ることとなりました。

応援してくださった皆さんのおかげで今の私があります。本当にありがとうございます。

X・Facebook・Instagram・Threadsでは当日の5/8にお知らせしたのでご存知の方も多いと思いますが、アメブロでは初告知です。

法人設立に必要な定款作成は司法書士さんに、規約やプライバシーポリシー・特定商取引法は弁護士さんに依頼しました。

ある前科者の方から「今どきアプリで作成できますよ」と言われたのですが、あえて専門家の方たちに依頼したのには私なりのワケと想いがあります。

 

これだから元受刑者は……

 

前科者が再犯したという報道があると、「これだから前科者は」というコメントが必ず書かれます。

この文言はあらゆるところで使われます。法人設立もそうです。

どうせ元受刑者同士でワイワイやるだけだろ?情弱ビジネスか?元受刑者は信用ならない!このように思われても仕方がないのです。

だから私は、法人設立にあたりそれぞれの専門家を入れました。まっとうに運営していくという決意を込めて。

そのおかげで財布はすっからかんになりましたが、信用には代えられません。

 

理事とアドバイザーになってくださった方たち

 

碧の森の理念に共感し、理事になっていただきたいと思う方に片っ端からご挨拶に行きました。時間が取れないお忙しい方にはメールでスライドを送り、直接会えない方にはzoomでお願いすることもありました。

法人の理事になるということは、湯浅静香と同じ船に乗るということです。もし私が不祥事を起こしたとき、その方たちも糾弾されてしまいます。

ほとんどの方にお断りをされました。これは仕方のないことで、相手方にも様々な事情がありますから、断った方を恨むとかそういうことは一切ありません。

碧の森の理事は、そのうち動画でご紹介します。HPには既に掲載しておりますので、興味のある方はご覧ください。

 

 

社団化した意味について

 

社団法人化した意味については、こちらの動画をご覧いただけますと分かりやすいと思います。

法務局から定款が戻るまでもう少し時間がかかります。戻ってきたら法人口座を作り、定款を事務所に登録する作業が待っています。

 

 

法人化しても碧の森の活動は以前と変わりません。
 

アメブロでの報告が遅れましたが、これからも碧も森と湯浅をどうぞよろしくお願いいたします。
 

大変光栄なことに、西川口榎本クリニック開院記念講演に斉藤章佳副院長からお声掛けいただき、お話をさせていただくことになりました。



川越少年刑務所で教育専門官をされている、田村さんとご一緒させていただきます。

田村さんは「たむかつさん」の愛称で多くの方に親しまれています。私がたむかつさんと初めてお会いしたのは性とこころの学会でした。あれからもう2年経つのですね。

 

 

 

講演内容は誰にでも分かりやすく

 

講演内容は、懲役刑を受けた私の率直な感想、社会復帰後に起こる問題、刑余者を支援する皆さまへのお願いetc……
 

元受刑者はもちろん、受刑者のご家族やパートナー、刑余者を支援する方、どなたも楽しく聞いていただけるスライドを作成中です。

前科者座談会に出席してくださっている方たちの声も代弁できればと考えています。

 

拘禁刑で刑務所はどう変わるのか?

 

講演のテーマは「拘禁刑で刑務所はどう変わるのか?」です。
 

私は拘禁刑に期待をしています。こう変われば再犯者が減るのでは。こうすれば社会復帰しやすくなるのでは。

懲役刑を受けた元受刑者の想いを、参加者の皆さんにお伝えできればと思います。


西川口榎本クリニックは、埼玉県に初めて開院した行為依存専門の病院でもあります。できたてホヤホヤの病院ですので、見学がてら足を運んでいただけますと幸いです。

参加は無料です。
お申込みはクリニックのHPから、メール又はfax、お電話でお願いいたします。
 

https://x.gd/R1l69