2024年12月~2024年2月までの仕事の様子を動画にupしました。

 

私はカウンセリング、スーパービジョン、コンサルティングを受けています。

 

自分がしっかり地に足をつけていないと、人の相談に乗ることなど到底できないからです。

 

今回の動画はコンサルティングを受ける様子や、大船榎本クリニックでみんなで依存症を学ぶ姿、AERA dot.さんの取材を受ける湯浅を観ていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

前回のブログは待ち人さんからいただいたメッセージを元に、私が考える「前科者を支えること」について書きました。

3月15日のブログはお休みさせていただきますが、YouTubeの動画upや告知はさせていただきます。

 

 

受刑者との文通

 

碧の森の活動の一環として受刑者と文通をしています。相談者さんのご家族やパートナーと文通をすることがほとんどです。

湯浅と受刑者が文通をするメリットはいくつかありますが、まず受刑者の思いや考えに「元受刑者として」客観的な意見を伝えられるということです。

私が普段からお伝えしている「受刑者の気持ちは受刑者が一番良く分かる」、この部分で腹を割った対話ができ、相談者さんが伝えにくい内容も、第三者の私だから伝えられる場合があります。


内容は文通相手の状況によって変えます。

収監直後は不安が多いので、出所を待っている・懲罰を受けることなく真面目に務めてほしいといった内容を書きます。

収監中版は気が抜けて周囲に不平不満を持つ時期なので、気を抜かず、なぜ刑務所に来たかをしっかり考えてもらうよう促します。

収監終盤では出所はゴールではなくスタートであること、社会復帰後のリアルな弊害について伝えます。
 

 

これまで文通をしてきた中で度肝を抜かれる内容が書かれていたのは1人。

守秘義務があるので内容は書きませんが、出所後再犯せずとも今後の人生苦労するだろうなという内容です。

 

大学に通い始めてからなかなか時間が取れないので、だいたい1~2ヶ月に1回まとめて手紙を書くようにしています。
 

 

水戸刑務所クリスマス会


私は2023年12月22日に水戸刑務所のクリスマス会で講話をすることができましたが、その時の様子はYouTubeとブログでご報告させていただいております。

 

 

 

水戸刑務所の100人近い受刑者の方が講話を聞いてくれました。

 

 

講話を聞いた受刑者からの手紙

 

私の講話を聞いた受刑者から碧の森に手紙が届きました。


美しい字で便箋7枚に質問や思いがびっしりと書かれています。

 



↑とても綺麗な字ですよね。
 

懲役年数が長い人は字が綺麗なことが多いですが、理由はペン習字に取り組んだり写経をする人が多いからです。(余暇時間にやる事が無いため)

私は受刑中、夫が使っていたペン習字のテキストを差入れしてもらいました。おかげで今は受刑前より字が綺麗になりました。因みに進藤さんも字が綺麗です。(笑)

 

手紙の冒頭にはクリスマス会で私を知り、(どなたかに)碧の森のHPを印刷して送ってもらったとありました。

クリスマス会のたった5分の講話。私にとっては貴重な5分です。

住所を調べて手紙を送ってくれる人がいるなんて全く予想していませんでした。本当に嬉しかったです。


今日は手紙を読んで私が感じたことを、読者の皆さんと共有したいと思います。

 

 

服役していた時間を何としても取り戻してやる!

 

今ブログを読んでくださっている元受刑者の方、この気持ちは良く分かると思います。

 

依存症者の方、依存に耽溺していた「時間」や「お金」、あるいは「健康」や「人間関係」を何とかして取り戻したい、そう思ったことはありませんか?

犯罪や依存とは一切無縁の方はどうでしょう?

例えばですが大学を浪人した方、就職活動中の方、婚活中の方、子どもがなかなか授からない方、社会生活を送る中で焦りを感じることは多々あると思います。


受刑者は特に焦りを強く感じるものです。なぜなら外の世界をリアルに見ることができないから。

時間は刻々と流れ、自分が社会から置いてきぼりにされたように感じる。

置いてきぼりにされてたまるか!自分はもう二度とここには戻らない、さっさと働いて稼いで、受刑していた無駄な時間を何としても取り戻してやる!

 

 

焦りは良い結果を生まない

 

これまでの経験から、焦っても絶対に良い結果は出ません。

絶対と言い切れるの?というお言葉をいただきそうですが、元受刑者と依存症者に限り絶対と言い切れます。
 

着実に一歩ずつ進むことが大切ですが、この作業が元受刑者や依存症者は苦手だと思います。私を含めて。

 


手紙をくださった受刑者は出所が近いので、内容は終始明るいです。

お金に対する拘りが強く、昔のように稼ぐ!そのためにこういうプランを練っている!海外進出もしたい!といったニュアンスの内容が書かれていました。

懲役の年数が長ければ長いほど焦り、(色々なものを)一気に取り戻して社会復帰してやる!と思ってしまうんですよね。

 

 

お金より何より、信頼を取り戻す努力を

 

取り戻したい思うものはたくさんありますが、私が一番重要だと思うものは「信頼」です。
 

信頼が無ければ仕事もできませんし、人間関係も円滑にいかず、お金も稼げません。

信頼があれば自然と仕事を頼まれ、人との付き合いも円滑になり、それに伴いお金も後からついてきます。


 

受刑者や依存症者は人からの信頼が地の底まで落ちています。当然ですね。

嘘をついたり約束を破ったり、人を人とも思わないような対応をされれば「もうこの人とは付き合えない」となりますから。

信頼を一気に取り戻すことはできません。新たにコツコツ積み重ねるしかない。

約束や時間を守る。
安請け合いをしない。
出来ないことは正直に言う。
自分を誤魔化さない。
相手の立場を慮る。

↑信頼を取り戻すのに必要なことだと思います。


信頼は目に見えません。私は目に見えないことほど大切なものは無いと思っています。

目に見えないものほど軽視しがちだし忘れてしまうものです。恩や義理もそうですね。
 

目に見えないものほど元に戻すのが難しいですし、元に戻らない可能性の方が高いです。

 


私は人生を歩む中で色々な人からの信頼を失い、受刑しました。

出所して経験と体験を重ね、今は「湯浅さんに任せれば大丈夫」、「湯浅さんに任せていいですか」と言ってもらえることも増えました。

無理なものは無理とお答えし、出来ないことも正直に言う。決して安請け合いはしない。

 

社会復帰後の人生まだまだ模索中ですが、人の意見に耳を傾け、苦言を受け止め、これからも試行錯誤しながら人生を歩んで行ければと思います。
 


今日のブログは、水戸刑務所からの手紙を読んで思ったことを書きました。この方の出所を楽しみに待とうと思います。

 

3月4日(月)発売のAERAに湯浅のインタビュー記事が掲載されます。


内容はオーバードーズについてですが、オーバードーズから犯罪に巻き込まれたり、私のように服役するパターンもあること、服役後の社会的制裁の大きさについて記事にしていただきました。





私個人の記事ではなく、依存症治療で大変有名な松本俊彦先生のインタビューがメインとなりますので、興味のある方はぜひお手に取っていただけると嬉しいです。


近くにコンビニや本屋さんが無い場合、Amazonでも購入可能です。



オーバードーズは立派な薬物依存症であることが、一人でも多くの方に周知されることを願います。





前回のブログは待ち人さんに向けて厳しい内容を書きました。

・刑務所は罪を償う場所
・更生のきっかけやチャンスを甘やかすことで奪わないで
・悲劇のヒロインにならないで
・自分のために生きて
・出所はゴールではなくスタート

腹が立った方が多いと思いますが、しっかりご自身と向き合って欲しいと思います。

 

 

出所後の不安を誤魔化さないで

 

多くの待ち人さんはきっと不安だと思います。大切な人が出所後にまともになってくれるか分からない、という思いが少なからずあるでしょう。

「私の(俺の)大切な人はぜーーーーったいに再犯なんかしない!」と自信を持って言い切れる待ち人さんは、何人居るでしょう。

私は居ないんじゃないかなと思います。

信じたいけど信じられない。
自分でもどうすればいいか分からない。

こんな思いの方が、前回の私のブログを読んで腹が立ったと思います。

 

 

腹が立った方たちこそ、碧の森を利用してほしい

 

私は待ち人さんのブログは読みません。フォローしているのは進藤龍也牧師だけ、自分がブログを書くとき、コメントが届いたときにアメブロを開きます。

碧の森の相談者さんや前科者仲間のブログを読んでコメントをすることがありますが、頻度は低いです。

 

ブログを見ない大きな理由として、馴れ合いは良くないと思うからです。

励まし合い馴れ合いは違います。

馴れ合いは自分や他人を取り巻く環境に対する適応行動の一つです。お互いの利益や気持ちを無視して相手の好意を得るので、心からの信頼には繋がりません。

励まし合いはお互いの成長や成功を願い、困難な状況や挑戦に立ち向かうことです。


私は人生目標を幾つか掲げていますが、その中には「再犯者を減らすこと」も入っています。

私が刑務所で講話をすることで、一人でも多くの受刑者に社会でやり直せるという希望や勇気を伝えたい。

私が保護司になることで、一人でも多くの前科者と悩みを共有し、共に社会生活を送り続けたい。


これらの人生目標は馴れ合いでは実現されないと考えています。表面的な交流で再犯者が減るとは到底思えません。

SNSで馴れ合いをすることで再犯者が減るなら、喜んでやるでしょう。

私のブログを読んで腹が立った方や、待ち人を終えてこのままでいいのかなと考えている方こそ、碧の森を利用してタフラブ(忍耐強い愛)を実践してほしい。そう切に願っています。

 

 

前回のブログを読んだ「元」待ち人さんからのメッセージ

 

前回のブログを読んでくださった「元」待ち人さんからメッセージをいただきました。

待ち人さん同士であっても言いにくいことがあるでしょう。

それは違うよね、と思うこともあると思います。

現在進行形の待ち人さんも、
待ち人が終わり迷っている方も、
待ち人をやめようかなと考えている方も、
すでに待ち人をやめてしまった方も、

全ての待ち人さんと元待ち人さんに、このメッセージが届けばいいなと思います。

 

 

結果には必ず原因があります。

 

どんな犯罪でも被害者は必ず居ます。

あなたが可哀想だと思ってるいるパートナーやお子さんが、誰かの大切な人を傷付けたことに気付いてください。
 

「やってあげた」と思うことはエゴでオナニーです。1人でやっててください。

警察署や拘置所、刑務所の刑事施設は、今まであなたが関わったことのない場所だと思います。
 

面会等で刑事施設に足を運ぶとき、浮き足立っていませんか? 面会に行くことで自分が偉くなったと勘違いしていませんか?
 

刑務所は刑を務める場所で、更生する場所ではないと思っています。懲役○年と言いますよね?

更生するかどうかは待ち人が決めることではなく、罪を犯した本人です。
 

私自身、刑務所の面会時に差し入れするお金は新聞代1ヶ月5,000円でした。
 

出所してからどう生きるかは、「今どう過ごしているか」で決まります。 今日やらない人が明日やる訳がないんです。

私にできるのは相手に選択の機会を作ること。

結果には必ず原因がある、その原因を探す、知る機会を作ることが大切ではないでしょうか。

パートナーやお子さんの人生はその人自身の人生であり、大切な人に今後どう向き合うかは、あなたの自由です。

 

 

前科者と人生を歩むなら、それ相応の覚悟を持って

 

夫はいつも私に言います。

離婚はいつでもできる。次は無い。
静香が道を踏み外せば容赦なく切り捨てる。
そのつもりでやりたいことをやればいい。

 

一見冷たい言葉のように見えますが、夫は道を踏み外して人として最低なことをした私を、妻として受け入れています。


夫は相当の覚悟を持ち、私と夫婦関係を継続しています。

覚悟を持っているから、どれだけ私に矢が飛んできても、攻撃されても、ブレずに人生目標を貫こうとする私を守ってくれるでしょう。

夫が「前科者と人生を歩む」ことを受け入れ、私が再犯するようなことがあれば、すぐに離婚すると心に決めているから(腹落ちさせているから)、私の活動を応援できるのです。


待ち人の皆さんにも、その覚悟を持っていただきたいです。

大切な人が出所後世間から何と言われようと、
社会からの風当たりが強かろうと、
前科を理由に仕事を解雇されようと、
銀行口座が作れなくても、
海外に行けなくても、
家が借りられなくても、

この人と添い遂げる、この子の親で在り続けるという覚悟のある待ち人さんを、私は応援し続けます。

 

 

3/4発売のAERAに記事が掲載されます

 

オーバードーズについての記事です。

私は薬物依存からのオーバードーズで刑務所に服役しましたが、オーバードーズをすることで犯罪に巻き込まれたり、自分が犯罪を犯す可能性があるといった危険性についてお話ししています。

 

依存症の第一人者である精神科医の松本俊彦先生のインタビューも一緒に掲載されますので、コンビニや本屋で見かけた方は購入してくださると嬉しいです。
 

進藤さんが昨年出演された読売テレビ「るてんのんてる」のインタビューを受けましたが、私のインタビューは残念ながらボツになりました。

せっかく本格的な機材で撮影していただいたのにお蔵入りは勿体ないので、ノーカット版を動画にupします。


ディレクターさんの声が小さいので簡単に字幕を付けただけ、他は何もいじっていません。テレビ取材がどのような感じか伝わると思います。

湯浅の生い立ちから逮捕・服役に至るまで、進藤さんとの出会いから現在の思い、私の宗教観など、ディレクターさんに聞かれたことに全てお答えしています。


1時間以上の長尺動画ですが観ていただけると嬉しいです。