池田屋事件の研究を読み直して… | 以蔵のblog

以蔵のblog

大河ドラマ「新選組!」放送以来から現在まで新選組…幕末にはまってます。さらに最近は宇宙に夢中…

ここ数日、歴史地理学者である中村武生さんが2011年に出した本「池田屋事件の研究」を読み直している。
中村さんの研究は、実にシビアで、ここ最近では一番説得力がある。とにかく単一でしか存在しない史資料については、信じるに足るに至らないものだと、バッサリ切り捨て、複数ある史資料の内容の整合性がとれて、初めてある程度、信じることができるといった感じである。
なので、池田屋事件の定説、さらには現在に伝わる池田屋の間取り、池田屋の位置においても、疑問を投げ付ける。
ここまで懐疑的であると、中村さんの信じるに値する内容こそが、一番真実に近い史実なのだと、思いたくなる。妙に説得力があり、納得させられる。
読んでいると、「確かに…」とか「そう言われれば、そうかもしれない」の連続。今まであった新選組の歴史観が、一掃される。
この本は、池田屋事件を主体に書かれたものだが、ぜひ新選組史全般についての研究成果に期待したいところである。新選組の研究なんて本を出してもらいたい。新選組関連本を、今1番書いてもらいたい学者さんである!