彼女がおなかの中にいると判ったのは、踊り始めて2年ほどたった頃だった。
週に一度のお稽古は、増えすぎた体重を何とかしなければならないということで、誕生の直前まで続いた。
職場復帰より早く、お稽古復帰を果たし、彼女はお稽古場の片隅に寝ていた。
動けるようになると、おんぶ、抱っこをせがみ、踊っている私にチンパンヂーのごとくに貼り付いていた。
姉が憧れの時期になると、姉からいらないものをよくもらっていた。熱も例外ではなかった。
そんな彼女は、すっかり独り立ち。
気がついたら、踊っていた。
自転車で片道30分以上かかる道のりをひとりで行けるようになっていた。
そんな彼女と、今年も舞台に立たせてもらう。
25周年という記念すべき回に、私達親子は、感謝の気持ちを、踊ることの喜びを、楽しさを皆様に伝えることは出来るのか?
不安と焦りが絡み合ったままなのを知ってか知らずか、舞台の幕は早く開きたくてうずうずしている
もう少し、もう少し、もう少し…
砂川伊津子・晟子