風薫る5月も過ぎ、とうとう6月を迎えました。
そう、6月…伊是名の季節がやってまいりました!
定期公演まであとわずか。
お稽古もさらに熱を帯び、
ヒートアップし過ぎてのぼせそうな今日この頃です。
「あの~、琉球舞踊を習いたいのですが・・・」
と師匠に電話をかけてから早10年。
たくさんの舞台に立たせていただきましたが、
舞台の幕が上がるまでの不安と緊張は変わらぬもので…。
特に舞台袖で開幕を待っている時なんて、
毎度口から飛び出そうなほど鼓動を打つ心臓をムリヤリ抑えつけ、
心許なく佇んでおります。
そんな時、心落ち着かせるためにいつも習慣にしていることが
一つあります。
それは”支えてくださっている人達を想う”こと。
両親、家族。
奄美大島生まれの母はもちろんのこと、今まで、踊り?舞台ってなんだ?
というほど全くこういった類のものに無関心だった父が、
伊是名の舞台を観るようになってから、今では伊是名に限らず
他のミュージカルやオペラまで(オペラは高尚過ぎて肌に合わなかった
らしいけれど…(笑))自ら見に行くようになっちゃったりして。
私が踊りを続けることを何より喜んで応援してくれています。
「寡黙すぎる父」ですが、もしかしたら観るだけじゃ飽きたらず、
そのうち踊り出すかも。。
島のうじを筆頭に親戚たち。
奄美公演では興奮しすぎて、開場前から号泣し、
挙げ句の果てには血圧まで上がってフラフラになってしまうほど、
私が琉球の文化を愛していることを喜んでくれています。
いつも「冥土の土産だ~!」と言って観に来てくれますが、
まだまだあの世には行かず元気でいて欲しいと心から願っています。
スタッフの方や演奏の協力をしてくださる方々。
この方々なくしては、幕は上がらぬと言っていい程、
毎回素晴らしい働きで踊り手を支えてくださいます。
もうありがたすぎて頭が上がりません、ほんとに。
師匠はじめ先生方、メンバーのみんな。
みんながいるからこそ10年も続けてこれたのだと、本当にそう思います。
どんな時でも変わらない笑顔が何よりの支えです。
もう単なる習い事の域ではなく、私にとっては東京の家族と言えるほど。
愛してます。(←恐い?…コワクナイヨ。)
そしてもちろん、舞台に足を運んでくださる観客の皆様。
いつも温かく応援してくださり、会場を盛り上げてくださる
皆様方がいるからこそ成り立つ舞台。
もっと素晴らしいものを作ろうと頑張れる原動力です。
このようなありがたい支えや応援のお陰で、舞台に立ち、
踊ることができるのだという感謝の気持ちを胸に、皆様一人一人のことを
想い浮かべると、不思議と気持ちが落ち着きます。
暗いニュースが多い昨今、世の中の暗闇を照らすことができるのは
日常に生きる人間の明るさだけではないかなと感じています。
一生懸命踊る姿を、伊是名の舞台を観ていただくことで
皆様の心に陽だまりのようなあたたかさをお届けし、
太陽のごとく輝く笑顔を引き出すお手伝いが少しでもできれば、と思っております。
いつものことながら、長々と綴ってしまいましたが・・・
本番は大好きな踊りを、大好きな仲間と共に踊れる幸せを噛み締めつつ、
心を込めて精一杯踊ります。
それでは6月16日、セシオン杉並で皆様にお会いできることを
楽しみにしております!
古礒 万季