吉田は見た目がかなりファンシーな為(異論は認めるが無視します)知らない人が声を掛けやすい様だ。
あえて言うなら、後姿は浦安のネズミにクリソツ。前から見たならば、北斗の拳のアミバに瓜二つな程ファンシーな生き物だ。
そんな吉田に今日もまた一人、声を掛けてきた老婦人がいた。
その老婦人はチャリンコに乗っていたのだが、多分そら恐ろしい程の距離を駆け抜けたのだろう。尋常ならざる汗の量がソレを物語っていた。
その老婦人は息を弾ませ、今にもポックリ逝きそうな顔して(洒落にならん)俺に尋ねる。
「お兄さんちょっと道を聞きたいだけど、○○駅にはどうやって行けばいいの?」
吉田はよく道を尋ねられるのだが、いつも何故か土地勘の全く無い、地方で尋ねられる。
札幌にて「○○ホールは何処に?」「知りません」
京都にて「○○のバス停は何処に?」「知らぬ」
上野にて「渋谷はどっち?」「え??電車使えよ!」
福島は原ノ町にて野宿中「○○は何処に?」「野宿してる時点で土地の人間じゃねぇだろ!」
と、まぁこんな具合だ。
で、今日は地元だったし多少は土地勘もある区域。それなら教えられる。張り切って教えた。
「ソコの信号を左に曲がって・・」
と、俺は20メートル先の信号を指差した。
すると老婦人は「うん」とも「あん」ともつかない「ぅわん」と相槌を打った。
続けて俺は
「左に曲がって、」「ぅわんぅわん、左!」
「五分も行けば、」「ぉぅわん!5分!」
「駅だよ」「駅!!#%$」
相槌ウゼェ!その上、最後変な奇声上げた!ひぃッ怖ひッ!
礼も言わずその老婦人は走り去った。
そしてそのまま20メートル先の信号をスルーして真っ直ぐ進んで行った。
SHIT!!あんのクソBABAAなんにも聞いちゃいねぇ!!
超徒労!もう金輪際年寄りに優しくしない!
吉田はクソ暑い中体温を2℃上げた。
無駄な努力程無駄なモノは無いという現実を垣間見た吉田だった。