こんにちは~!
前回の続きで~す!
漢方薬の説明によく記載されている「体力があって~」「体力がなくて~」という文言ですが、これはそのまま鵜呑みにはできないことがあります。
漢方薬をざっくり二種類に分類すると、足りないものを補う補剤といらないものをデトックスする瀉剤に分かれます。
普通に考えれば体力のある人に瀉剤、体力のない人に補剤を処方するのは正解なのです。
補剤と瀉剤で有名どころを一つずつあげてみると、
補剤・・・当帰芍薬散
瀉剤・・・桂枝茯苓丸
となるでしょうか。
「当帰芍薬散に合うのは竹下夢二のイラストのような女性、桂枝茯苓丸に合うのは西郷隆盛のような恰幅の女性」とも言われてきましたね。
こんなことを言われたら自分のことを西郷隆盛のような体型などと1ミリも思っていない女性たちは当帰芍薬散を選ぶのではないでしょうか?笑
確かに当帰芍薬散は血虚に使いますので間違いではないのですが、ほっそりした女性が「全員血虚だけ」という訳ではないのです。
最近の若い女性は冷えやストレスによる肝気鬱結のせいで瘀血になっているケースが多くあります。
うちのお店の例だと、瘀血による激しい生理痛・子宮内膜症・子宮筋腫などですかね。
皆さん、ほっそりした体型で如何にも当帰芍薬散が合いそうですが、この場合は瘀血なので駆瘀血剤である桂枝茯苓丸を処方するのが合っているのです。
いくらほっそりした体型でも、子宮内は血が滞っている状態なので瘀血はデトックスする必要があるので瀉剤になります。
他の例ではガッチリとしていかにも健康そうな若い男性から相談がありました。
(一見すると防風通聖散でも出したいタイプ)
主訴は冷えです。
「なんでこんな健康優良児みたいな人が冷えるんだ???」と最初は思いましたが、よくよく診てみるとメチャ腎陽虚でした!
「この若さでこの見た目で何で腎陽虚?!」と軽く焦りましたが、趣味がトライアスロンと聞いて納得です。
身体の酷使はいくら若くても腎虚になります。
この患者さんには「体力が中程度以下で、疲れやすくて~」と世間では但し書きのついている八味丸を処方しましたが、見た目重視でしたら絶対にこない処方でしょう。笑
東洋医学には望診といって、患者さんの見た目や様子を診る診断項目もあるのですが、それだけでは不十分というお話でした。
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