陰陽師を名乗る人に近づいてはなりません。
陰陽師は
朝廷の律令制の中の陰陽寮という機関に属する役職で官人陰陽師と総称され
国の公的機関としての官人陰陽師は明治時代に廃止されています。
また主な仕事は
・暦(カレンダー)を作る人たち
暦博士のもとで、年間の日の吉凶などを決めた
・天体観測をする人たち
天文博士のもとで、天体観測をして良い悪いを判断し、天皇陛下に直接に奏上(申し上げる)していた
とかなり科学的な人たちです。
一部、泰山府君祭など儀式もおこないましたが、
式神だの、妖術だのを操り魔物を倒す現代の小説やマンガ、映画の安倍晴明のイメージは
平安時代以後、特に江戸時代に作られたフィクションです。
落語や講談で面白おかしくフィクションを大きくしました。
それを現代の小説家の夢枕獏さんがさらに誇張したものがヒットしたのです。
また江戸時代以降、民間陰陽師なる者も増えますが、これも陰陽師ではありません。
幕府から正式に陰陽道宗家として認められた土御門家(安倍晴明が祖)が免状を独占発行しました。
しかも免状はあくまで陰陽師としてではなく「陰陽生」としての免許です。
(後に家職陰陽道と称されるような公認の家元的存在となって存在感を示すようになり、更にその陰陽道は外見に神道形式をとることで「土御門神道」として広く知られるように至って、土御門家はその絶頂期を迎えることとなりました。)
さて去年2023年に国立歴史民族博物館が行った「陰陽師とはなにものか?」とい展示がありました。力の入った展示で、素晴らしい催しでした。
その展示の全てが乗っている図録が販売されています。
一級の資料なので、興味のある皆さまはご覧ください。
陰陽師とは何者か: うらない、まじない、こよみをつくる https://amzn.asia/d/cTg3Jqb