イギリスっぽい?
英国
ブドウ栽培面積3600ha ワイン生産量9.1万hl
ワイナリーは209件
スティルワイン32% スパークリングワイン68%
北緯49~61度
高緯度だがメキシコ湾流で温められる、また、近年の温暖化によりブドウが熟すようになりシャンパーニュ品種で造るスパークリングワインが高評価を得る
金融などのサービス産業が8割を占める
州(カウンティ)別の生産量はサウス・イースト・イングランド地方のケント州が最大
全般にイングランド南東部とその周辺に集中
シャンパーニュと似た土壌
セブン・シスターズ:シャンパーニュからイギリス海峡を越えて連なる白亜土壌の地層が表層に出て、波に浸食されて海に面した真っ白な崖となった有名な景勝地
紀元前1世紀頃ベルエガ人がワインを持ち込んだと思われる
1154年:ノルマンディー公アンリ2世がイングランド王に即位、ヘンリー2世となる。プランタジネット朝の領土は現在のフランス西部と英国に及び、ボルドーなどのワインが英国に盛んに供給された
1662年:クリストファー・メレットが王位学会に論文を提出、意図的に瓶内二次発酵を起こさせる方法を記した最古の文書とされる
2020年末までの移行期間を経てEUを離脱(ブレグジット)
主なブドウ品種
1.シャルドネ 2.ピノ・ノワール 3.ムニエ
その他EUでは高品質ワインにほとんど使われないハイブリッド品種のセイヴァル・ブランなど
ワイン法
2020年末まではEUのワイン法で規定されていたが2021年からは英国のEU脱退に伴い環境・食料・農村地域省(DEFRA)が新たに定めた英国独自のG.I.システムに移行
1.ワイン
上位区分の認定を受けていないワイン、使用したブドウの収穫年やブドウ品種は表示できない。
白ワインやスパークリングワインといった種類は表示可
英国で英国産のブドウのみを使用して造ったワイン→英国ワイン(Wine of United Kingdom)
別にワイン(Wine)の表示がされている場合、インブランドで製造(Produced in England)や英国の産品(Product of United Kingdom)といった形式でも表示可
2.ヴァラエタルワイン
白ワイン、スパークリングワインといった種類を表示する
原料ブドウの85%以上の割合を占める収穫年と、単一あるいは複数のブドウ品種名を表示可
3.地理的表示保護P.G.I.
イングリッシュ・リージョナル・ワイン(English Regional Wine)とウェルシュ・リージョナル・ワイン(Welsh Regional Wine)の2名称。収穫年、ブドウ品種、「Protected Geographical Indication」の名称を表示可
イングランドまたはウェールズのいずれかで収穫されたブドウ85%以上、15%まで英国内の他地域(スコットランド、北アイルランドを含む)のブドウを使用可(セイヴァル・ブランなどのハイブリッド品種を含む指定された品種)
4. 原産地呼称保護P.D.O.
「イングリッシュ・ワイン」「ウェルシュ・ワイン」 「ウェルシュ・ワイン」「ダーニボール・ワイン」の4名称。
収穫年、ブドウ品種、「Protected Designation of Origin」の名称を表示可。その名称の地区内で栽培された原料ブドウのみを使用(ハイブリッド品種は不可)
*伝統的表現として認められている呼称
ブリティッシュ・ワイン
輸入ブドウや濃縮ブドウ果汁を原料に英国内で造った水準の低いワイン→イングリッシュ・ワインと混同しない!
ワインの主な産地と特徴
イングランド
英国ワインのおよそ98%を産出、生産量の大半がスパークリングワイン
スパークリングワイン用を中心としたシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの栽培面積が約75%を占める
地理的表示保護P.G.I.
イングリッシュ・リージョナル・ワイン(English Regional Wine)
(スティルワインの白・ロゼ・赤)
イングリッシュ・リージョナル・クオリティー・ワイン(English Regional Quality Wine)と表示してもよい
(スパークリングワインの白・ロゼ)
クオリティ・スパークリングワインと表示(イングリッシュ・リージョナル・クオリティ・スパークリングワインと表示してもよい
原産地呼称保護P.D.O.
・English Wine
イングリッシュ・クオリティ・ワインと表示してもよい、品種指定あり
スパークリングワインではクオリティ・スパークリングワイン(イングリッシュ・クオリティ・スパークリングワインと表示してもよい)
使用できる品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、プレコース、ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ
・sussex wine
ラベルに「Protected Designation of Origin」と明記、サセックスの紋章を表示可。ブドウは24品種指定
・Welsh Wine
・Darnibole Wine 単独所有畑のP.D.O.使用品種はバッカスのみ
ケント
英国の南東の端に位置する。温暖。伝統的にオルテガ、バッカスが多いが、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3品種の栽培面積がそれぞれ最も多い
サセックス
ハンプシャーと並んで英国で最も日照が豊富、ハンプシャーから続く白亜質土壌、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの他、リースリング、ピノ・グリ、ピノ・ブランなどの白も造られている
ハンプシャー
他の地域と比較すると気温が低めで白亜土壌が豊富なため際立った酸と硬質なミネラル感がある
サリー
他の地域ほど温暖でなく、伝統的にはバッカスやセイヴァル・ブランなどが栽培されてきた
ウェールズ
ワイナリー2軒とブドウ栽培家38軒
地理的表示保護P.G.I.
ウェルシュ・リージョナル・ワイン(Welsh Regional Wine)
*生産規定、表示はEnglish Regional Wineに準ずる
原産地呼称保護P.D.O.
Welsh Wine
規定はイングリッシュ・ワインとほぼ共通だが、ウェルシュ・ワインは標高220m以下の畑で栽培されたブドウを使用