心の復興とは ~閖上ポストカード展と復興フォーラム~ | NPO法人岩手未来機構のブログ

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去る1月11日、宮城県名取市の閖上にある、ゆりあげ港朝市メイプル館で、イギリスの彫刻家 ケイト・トムソンさん片桐宏典さん夫妻によるポストカード展のセッティングを行ってきました。
このポストカード展は、4月30日まで開催されます。

つい先日、いわて三陸復興フォーラムに出席したのですが、復興に対する意識調査では「復興が進んでいないと感じる」人はまだ60%近くいるとのことです。

私達がセッティングに訪れた、ここ閖上の地も、あたり一面原っぱで、その中に誰も住む人のいない家がポツリ ポツリと点在している状態です。
そんな茫洋とした原っぱの中に、閖上朝市メイプル館はポツンと在るのですが、セッティングが行われた日はちょうど初市の日。
どこからこんなに人が?と思うほどの人出で、朝市は沢山の笑顔と活気に満ち溢れていました。

いわて三陸復興フォーラムでは、"何をもって復興とするか"、中でも「心の復興とは何か」がテーマとして流れていたように思います。
基調講演をした渥美教授は、阪神淡路大震災や新潟中越地震の被災された方々が東日本大震災の被災地を訪れ、「やっとお返しが出来た」と話した例を挙げ
「助けられる生活に区切りがつき、お返しができたとき」が心の復興なのではないか、と話されました。
また、釜石市さんつな代表理事の伊藤さんは「地域に誇りを持って住むことが出来たとき」が本当の意味での復興だと思う、と話されていました。

目には見えない「心の復興」。
それをどう定義するかは 人それぞれの視点があり、答えは無いかもしれません。

そんな事を考える中、ある記事を目にしました。
それは達増岩手県知事が復興に関する対談で仰った言葉を引用したもので、「地方自治には取りこぼしが許されない」という内容です。
一人一人、考え方も立場も違う中「取りこぼし」はあって当然、と一般人としては思ってしまいます。
でも「取りこぼしはあって当然だよね」という姿勢と「取りこぼしは許されない」という姿勢。、そこに歴然とした差が生まれる、と。

大きな目的や、やらねばならない事の前には、個人としての思いは犠牲になる、という漠然とした思いが私達の中には あるのではないでしょうか。
でも、「取りこぼさない、取りこぼしは許されない」その姿勢に対して生まれる信頼感が、本当の復興にも、大きな影響を及ぼすのでしょう。
一人一人の総体的な思いで 復興は成り立っているのですね。

世界10ヶ国から集められたポストカードのメッセージも、一人一人の思い。

photo:01

それが今、閖上の地で こうして揺れています。

杉田