体調を崩した私は、
昨日予定されていた飲み会をキャンセルして、
ゆっくり家で休もうと思っていたのだけど。
昨日の夜、
11時過ぎにかかってきた娘からの電話。
「もしもし、お母さん?」
そう言った娘の第一声が、
あまりにもか細かったこと、
以前やはり娘から、
こんな時間に電話がかかってきた時に、
娘夫婦が大喧嘩していたことなどから、
今度は一体何が娘に起こったんだろうと、
私は身構えて娘に聞きました。
「何があったの?」
どんなことを言われるのだろうと、
緊張しながら聞いたのですが、
娘の返事は予想外のものでした。
「パソコンで印刷してもらいたいものがあるの」
何でも明日受ける再就職の面接で、
娘は自分の今までの仕事経験を書いた、
職務経歴書を提出しなければいけなくて、
パソコンで作成したのだけど、
プリンターを持っていなかったため、
コンビニにデータを持っていって、
印刷しようとしたところ、
色々な理由でコンビニで印刷出来ず、
困っているということでした。
私は次の日の朝が早かったから、
出来るだけ早く寝たかったのだけど、
娘が困っていたため、
娘のお願いを聞いてあげることにしました。
私が娘のお願いを引き受けると、
娘は喜んで、
車で30分くらいかかる自宅から、
急いで私の家にやってくると、
自分の職務経歴書のデータを入れた、
USBメモリを、
私のパソコンのUSBポートに差し込み、
印刷しようとしました。
けれど、娘が持ってきたUSBメモリを、
私のパソコンが認識せず、
USBメモリのデータを開くことが出来ません。
「じゃあ、こっちのパソコンで試してみようか?」
私は持ち運び用の小さなパソコンを取り出し、
娘のUSBメモリをポートに差し込んでみました。
持ち運び用のパソコンはちゃんと、
娘のUSBメモリのデータを読み込んだので、
私も娘もホッとして喜んだのですが、
今度はなぜか、
持ち運び用のパソコンと、
プリンターを繋ぐことが出来ません。
娘と2人で試行錯誤して、
何とかパソコンとプリンターを繋いだのですが、
今度はプリンターにインク切れのサインがついて、
インクを3つも交換することになりました。
いつもだったら、
A4サイズの紙を3枚印刷するのに、
5分とかからないはずなのに、
昨日は色々なトラブルが起こって、
1時間ほどの時間がかかり、
結局、印刷作業が終わったのは、
夜中の1時を回る頃でした。
私も娘も、
次の日の朝早くに起きなければならず、
こんなトラブルは本当なら、
全然嬉しくも楽しくもないはずですが、
私は娘と一緒に作業しているというだけで、
何だか楽しくてたまりませんでした。
娘も同じ気持ちだったようで、
何かトラブルが起こるたびに、
「またトラブルが起こったよ!!」
と言うと、
大笑いしていました。
それでね、その時思ったのです。
楽しいことって、
何をやるかじゃなくて、
誰とやるかなんだなぁ。
って。
眠い目を擦りながら、
普段は5分とかからない作業に、
1時間を費やすなんて、
きっと職場の人とやっていたら、
嫌になって、
疲れ果てていたはずの作業なのだけど。
気心の知れた、
自分の娘との作業だったら、
トラブルでさえ、
こんなに楽しめてしまう。
昔、自分を幸せにしたくて、
スピリチュアルや自己啓発の講座などに通っていた時、
「自分の好きなことをしましょう」
なんて言われて、
社会に溶け込むために、
自分の好みが分からなくなっていた、
ASD(自閉症スペクトラム)の私は、
自分が好きなもの、
ワクワクするものを、
必死に探し回ったりしていたのだけど。
こんな身近に、
楽しいことは存在していたんだね。
そんな、とっても大切なことに、
気が付けた昨日。
夜中のトラブルは、
娘とのとっても楽しい思い出に、
変わったのでした^^