楽しいことの見つけ方 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

部下Aと部下Bの仲裁に心身が疲れ果て、
昨日予定されていた飲み会をキャンセルして、
ゆっくり家で休もうと思っていたのだけど。

昨日の夜、
11時過ぎにかかってきた娘からの電話。

「もしもし、お母さん?」

そう言った娘の第一声が、
あまりにもか細かったこと、
以前やはり娘から、
こんな時間に電話がかかってきた時に、
娘夫婦が大喧嘩していたことなどから、
今度は一体何が娘に起こったんだろうと、
私は身構えて娘に聞きました。

「何があったの?」

どんなことを言われるのだろうと、
緊張しながら聞いたのですが、
娘の返事は予想外のものでした。

「パソコンで印刷してもらいたいものがあるの」

何でも明日受ける再就職の面接で、
娘は自分の今までの仕事経験を書いた、
職務経歴書を提出しなければいけなくて、
パソコンで作成したのだけど、
プリンターを持っていなかったため、
コンビニにデータを持っていって、
印刷しようとしたところ、
色々な理由でコンビニで印刷出来ず、
困っているということでした。

私は次の日の朝が早かったから、
出来るだけ早く寝たかったのだけど、
娘が困っていたため、
娘のお願いを聞いてあげることにしました。

私が娘のお願いを引き受けると、
娘は喜んで、
車で30分くらいかかる自宅から、
急いで私の家にやってくると、
自分の職務経歴書のデータを入れた、
USBメモリを、
私のパソコンのUSBポートに差し込み、
印刷しようとしました。

けれど、娘が持ってきたUSBメモリを、
私のパソコンが認識せず、
USBメモリのデータを開くことが出来ません。

「じゃあ、こっちのパソコンで試してみようか?」

私は持ち運び用の小さなパソコンを取り出し、
娘のUSBメモリをポートに差し込んでみました。

持ち運び用のパソコンはちゃんと、
娘のUSBメモリのデータを読み込んだので、
私も娘もホッとして喜んだのですが、
今度はなぜか、
持ち運び用のパソコンと、
プリンターを繋ぐことが出来ません。

娘と2人で試行錯誤して、
何とかパソコンとプリンターを繋いだのですが、
今度はプリンターにインク切れのサインがついて、
インクを3つも交換することになりました。

いつもだったら、
A4サイズの紙を3枚印刷するのに、
5分とかからないはずなのに、
昨日は色々なトラブルが起こって、
1時間ほどの時間がかかり、
結局、印刷作業が終わったのは、
夜中の1時を回る頃でした。

私も娘も、
次の日の朝早くに起きなければならず、
こんなトラブルは本当なら、
全然嬉しくも楽しくもないはずですが、
私は娘と一緒に作業しているというだけで、
何だか楽しくてたまりませんでした。

娘も同じ気持ちだったようで、
何かトラブルが起こるたびに、

「またトラブルが起こったよ!!」

と言うと、
大笑いしていました。

それでね、その時思ったのです。

楽しいことって、
何をやるかじゃなくて、
誰とやるかなんだなぁ。

って。

眠い目を擦りながら、
普段は5分とかからない作業に、
1時間を費やすなんて、
きっと職場の人とやっていたら、
嫌になって、
疲れ果てていたはずの作業なのだけど。

気心の知れた、
自分の娘との作業だったら、
トラブルでさえ、
こんなに楽しめてしまう。

昔、自分を幸せにしたくて、
スピリチュアルや自己啓発の講座などに通っていた時、

「自分の好きなことをしましょう」

なんて言われて、
社会に溶け込むために、
自分の好みが分からなくなっていた、
ASD(自閉症スペクトラム)の私は、
自分が好きなもの、
ワクワクするものを、
必死に探し回ったりしていたのだけど。

こんな身近に、
楽しいことは存在していたんだね。

そんな、とっても大切なことに、
気が付けた昨日。

夜中のトラブルは、
娘とのとっても楽しい思い出に、
変わったのでした^^