ASD(自閉スペクトラム症)と関わっている方へ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

先週私は、
アサーション・トレーニングというスキルを、
2日間にわたり学んできました。

アサーションとは何かというと、
自分も相手も大切にするコミュニケーションであり、
アサーティブとは、
自分も相手も大切にした自己表現で、
アサーティブな発言では、
自分の気持ち、考え、信念などが正直に、率直に、
その場にふさわしい方法で表現されます。
(平木典子著「アサーション・トレーニング」より一部抜粋)

つまり、アサーティブな自己表現を身につけると、

「口にする言葉と思いが一致している」

ということが起こります。

これが、発達障害者とコミュニケーションを取る上で、
とても良い効果があったという例を、
講座の先生から教えていただいたのですが、
私はその話を聞いて、ASD当事者の立場から、

「それは助かる!!」

と思ってしまいました。

それは何故かというと、、、

人はえてして、
自分の気持ち通りの言葉を口にしません。

「全然怒ってないよ」

と言いながら実は怒っていたり、

言いたいことを口にせずに、不機嫌な態度を取ることで、
自分の機嫌の悪さを伝えようとしたりします。

このような非言語(態度)によるアプローチは、
定型発達者にとっては、
普通に使われている自己表現方法であり、
定型発達者同士であれば何の問題もなく、
相手の気持ちを汲み取れるかもしれませんが、

「言葉の裏を読み取れず、言葉を額面通りに受け取る」

特性を持っているASDにとっては、
とても高度な能力を要求されていることになります。
(ASDの特性についてはこちらもお読みください)

身近にASDの人がいらっしゃる方は、
ASDの人間に対し、
気持ち通りの言葉を口にせずに、

「相手が理解してくれない」

と嘆いたことが、
少なからずあるのではないでしょうか?

私も小学生の頃に、
母の本心と違う言葉を真に受けて、
たいそう怒られたことがあります(^◇^;)
(怒るくらいなら何で言うんだろう?と思っていました)

社会経験を積んで、今でこそ、
非言語によるアプローチに対応している私ですが、

「海外で暮らしている、ある程度英語が話せる日本人が、
それでも母国語以外に晒されることで感じるストレス」

程度のものは、毎日受けていると思っています。

そのために私は、
他の人達よりかなり疲れやすく、
職場で人と関わることが多かったりすると、
家に帰り着いたら疲れ果てて動けなくなる、
という状態に陥ったりします。

だから。

「口にする言葉と思いが一致している」

というアサーティブな発言は、
余計な気遣いや推測を必要としないため、
とてもいいな、と思いました。

特に私は、
相手の気持ちはある程度感じ取れるのですが、
相手にどのように応対したらよいかが分からないため、

「どうして欲しい」

という要望を正直に言ってもらえたら、
とても助かると思ったのです。

ASD当事者が、
人とコミュニケーションを取るために、
努力することはもちろん必要だと思うけど。

コミュニケーションは、
決して片方の努力だけでは、
成立しないものだから。

もしも、発達障害者(ASD)と、
円滑なコミュニケーションを取ることを望んでいる人が、
このブログを読んでくれているのなら。

こんな事例があったことを知って欲しいと思い、
講座で教えていただいた話を、
シェアさせていただきました(*^^*)