人の頼みが断れないあなたへ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

機能不全家族の中で育った私は、
父や兄から

「家族に要らない」

と言われ、
家族の中で唯一の味方だと思っていた母親からは、
私のASD(自閉症スペクトラム障害)の性質のせいか、

「お前のことは理解出来ないから、もう放っておく」

と小学校低学年の時に宣言されていたため、
人に存在を認めてもらうといった経験に乏しく、
そんな私が誰かから必要とされることは、
とても嬉しいことで、
私は人に何かお願いをされたなら、
多少無理してでも、
相手の望みを叶えようとしてしまうところがありました。

だから、車で30分ほどの距離に住んでいる娘から、
旦那さまの帰りが遅いから、
子供をお風呂に入れるのを手伝って欲しいと言われたら、
その連絡が平日の夜で、
次の日の朝、早く出勤しなければいけなかったとしても、
私は頑張って無理をして、娘の子育ての手伝いをしに、
娘の家まで出かけていました。

けれど、今日。

また娘から、旦那さまの帰りが遅いから、
自分の家に来ないかと連絡がきた時に、
私は躊躇してしまいました。

なぜなら今日は、
仕事が忙しくて昼の休憩が取れなかった上に、
夜の7時まで残業で働いていたため、
1日の労働時間は11時間ほどになり、
体力が著しく低下していたのです。

「残業の後に娘の家に行くのキツイなぁ、、、」

正直そんな風に思ったのですが、
私が娘の家に行かないと、
娘が1人で子供をお風呂に入れなければならなくなって、
娘も孫も大変な思いをするため、
頑張って娘の家に行かなくちゃ、と思い直し、

「遅くなったけれど、今から家に行く」

と伝えるために、
私は娘に電話しました。

そうすると、私の電話を取った娘から、

「残業大変だったね、お疲れさまぁ」

と言われました。

そして、娘はこんな風に言葉を続けたのです。

「◯◯ちゃん(孫の名前)に会えないのは、
寂しいかもしれないけど、
無理して来なくていいからねぇ」
 
私はこの言葉に、
自分が今まで、大きな勘違いをしていたことに気づきました。

確かに、私が娘の家に行ってあげたら、
娘が1人で子供をお風呂に入れなくてすむため、
娘が助かるのは本当でした。

でも、私の娘が私に対して、
旦那さまの帰りが遅くなるたびに、
子供をお風呂に入れるのを手伝って欲しい、
と連絡してくる1番の理由は。

いくら娘が、

「理由が無くてもいいから、いつでも遊びにきてね」

と言ってくれていても、
何か用事が無ければ娘の旦那さまに遠慮して、
娘の家に孫の顔を見に行くことが出来ない私に、
娘が気を遣ってくれていたからでした。

そんな、娘の本心を知った私は、
娘と孫のために頑張らなきゃ!!と思っていた自分が、
恥ずかしくなってしまいました。

私は自分の勘違いは口にせず、
ただ娘の私を思いやってくれた言葉にお礼を言い、

「うん、今日は行くのをやめておくね」

と伝えることが出来ました。

そうやって娘の誘いを断ることが出来たのは、

相手の頼みを断っても私は必要としてもらえる。

と、自分と娘のことを、信じることが出来たからでした。

本当は、私は知っていました。

自分のことを本当に大切に思ってくれている相手は、
私が無理をすることを喜んだりはしない、って。

なのに、長年のクセは中々抜けなくて。

相手の役に立たないと必要とされない自分

という認識が、
まだまだしっかり私の無意識に残っていたようでした。

この認知の歪みを修正するには、
自分1人の頭の中で考えているだけではダメで、
人の役に立たなくても必要とされる経験が、
必要になってきます。

でも、私は、きっと大丈夫^^

昔の私は、
役に立たない自分を必要だと思ってくれる人などいないから、
自分のこの認知を変えることなど出来やしないと、
拗ねて捻くれてしまっていたけれど。

今の私にはちゃんと、
私が相手の役に立たなくても、
私を必要だと思ってくれる存在がいることを、
信じることが出来るから。

それは、このブログで繋がってくれている人も含めて。

もしも、あなたも人の頼みが断れなくて、
自分が疲弊しても、人に尽くしてしまうなら。

私と同じ、

人の役に立たないと必要とされない恐怖症

の患者さんかもしれません。

でもね、昔の私のように、
自分が役に立たなくても必要としてくれる存在なんかいないから、
自分の認知を変えることなど出来ないと、
拗ねて捻くれなくても大丈夫。

たとえ自分の周囲にそんな人がいなくても。

今はこうやってSNSで、
自分を理解し受け入れてくれる人と出会うことが出来るから。

私も辛い時、ブログで繋がってくれていた皆さんに、
とっても励ましてもらいました^^
(皆さん、あの時はありがとうございます)

だから、あなたもきっと大丈夫。

あなたが人の役に立たなくたって、
あなたを必要としてくれる人がきっといるから。

自分が疲弊して、壊れてしまう前に。

私と一緒に、人の頼みを断る勇気を持ってみませんか?