自分を認めてくれる人は1人でもいい | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

今年に入ってから、
私のブログの内容はかなり変わりました。

それは、私が心理学をきちんと学ぶようになって、
自分のように幼少期に虐待を受けていた人間は、
治療的なカウンセリングが行える、
臨床心理を学んだカウンセラーに救いを求めた方が良いと思い、
そのことを伝えたかったから、という思いも、
もちろんあるのですが、
もう一つ、私の意識を大きく変えた出来事が、
お正月にあったからでした。

父親から虐待を受け、
だからといって母親に甘えることも出来なくて、
(父親から、母親の体が悪い原因は、私のせいだと責められ続けていたため)
兄からも自分の存在を否定されていた私は、
家の中ではなく、
外の世界に居場所を求めました。

けれど、家族から自分の存在を認めてもらえないという経験をした私は、
外の世界でも人と上手く関わることが出来ず、
自分の本当の気持ちは誰にも言えないまま、
学校ではいつも、人に対して怯えている自分の気持ちは押し隠して、
人のご機嫌を取るようにヘラヘラと笑って、
上手くもない道化を演じることで、
何とか友人と呼べる人間をキープしていました。

けれど、そんな風に無理して作った友人関係が長続きするはずもなく、
学生時代からの友人で、今でも連絡を取り続けている人間は、
わずか2人となっています。

その友人2人は地元に残って就職しているため、
転勤族で2〜3年で引っ越し、
地元に帰るのは盆と正月くらいの私とは、
やはり少しずつ、疎遠になってきていました。

でも、そんな2人と久しぶりに、
お正月に会って話す機会が出来た時に、
私は思いもかけず、その友人の1人から、
お年玉をもらったのです。


お年玉の中に入っていたのは、
以前3人で出かけた時に、
私が立て替えていた費用でした。

私は2人から何も言ってこなかったし、
大した金額でもなくて、
自分から催促するのは、何かせこい人間のように思えて、
もう忘れてしまっていたお金でした。

その友人は、お正月に私が帰省した時に返そうと、
お年玉袋の中にお金を入れておいてくれて、
でも会うことが出来なかったために、
2年間ずっと、
私に会った時に渡すために、こうやって持ち続けていてくれたのでした。

たったそれだけのことでしたが、
疎遠になってしまっていても、
そのまま記憶からフェードアウトすることなく、
私に会う意思を持ち続けてくれていた友人の存在が、
私に過去の自分が受けた虐待のことを書く、
勇気を与えてくれたのです。

実は私がこうやってブログを書いていることを、
お年玉をくれた友人は知っています。

だから私は、自分のあまり暗すぎる過去を、
このブログに書くつもりはありませんでした。

現実に繋がっている人間に自分の暗い過去を、
しかも自分が父親に普通の虐待だけではなく、
わいせつな行為までされていたと知られることは、
とても怖くて、
本当なら隠しておきたいことだったからです。

知られることが恥ずかしい、と思っていました。
知られたら引かれて、数少ない友人を失ってしまう、と思っていました。

でも、私は、
この友人が私のことをずっと気に留めてくれていたことを知った時、
とても逆説的な表現になってしまうのですが、

私は人に嫌われてもいい。

そんな風に、思ったのです。

人と関わることが怖いと感じる私にとって、
機能不全家族の中で生きてきて、
融和的な人間関係を体験していなかった私にとって、
友人関係は努力して築くものでした。

けれど、この友人は、
私が友人関係を維持する努力をしなくても、
ずっと私のことを、友人だと思い続けてくれたのです。

それは、私にとって、
ありのままの自分を認めてくれていたことと同義語でした。

私のこの考え方は、
きっと一般的にはあまり理解してもらえないものなのでしょう。

けれど、ずっと存在を否定され続けてきた私にとって、
自分が頑張らなくても繋がりが持てる相手がいるということは、
喉から手が出るほど欲しかったものでした。

それが、思いもかけず手に入った時に、
私は人に嫌われてもいいと、
そう思ったのです。

私のことを好きでいてくれる人も、
きっといるから。

私の低かった自己肯定感が、
また一つ高まった瞬間でした。

たった1人の人が認めてくれただけで、
自分への認識はとても変わります。

自分のことを大切に出来るようになりたい、
自己肯定感を高めて幸せになりたいと思ったら、
広く浅い人間関係を築くよりも、
たった1人でもいいから、
努力しなくてもいい、
ありのままの自分を認めてくれる人を見つけましょう。

そうすると、
人に嫌われる恐怖という呪縛から自由になって、
ラクな人間関係が築けるようになると思います。