魔法のコトバ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

来月出産予定のムスメと2人で暮らしています。

 
昨日、ムスメは大切な友達の結婚式に出かけていたのですが、
もうすぐ出産予定の妊婦さんのため、
2次会には行かずに、家に帰ってきていました。
 
わたしは用事があって、ムスメより家に帰るのが遅く、
夜8時過ぎに家に帰り着いたのですが、
すでにムスメは、布団に入って寝ていました。
 
それでも、わたしの帰ってきた気配に気づいたムスメと、
ひと言ふた言は言葉をかわしたのですが、
ムスメは目も開かないくらい眠そうな状態だったので、
わたしは、それからすぐ、ムスメの睡眠の邪魔にならないように、
リビングの電気を消して、
自分の部屋にひきこもりました。
(ムスメは現在、いちばん快適に過ごせるリビングで寝ているのです)
 
妊娠で体調を崩して仕事を休職してしまっているため、
外に出る機会がほとんど無かったから、
疲れているのだろうな。
 
そんな風に思いながら、わたしは部屋で本を読んだりして過ごしていました。
 
そして、少し喉が渇いたので、
ムスメを起こさないように、
明かりをつけないまま、
リビングに、お水を飲みに行った時に。
 
寝ているとばかり思っていたムスメが、
突然、話しかけてきたのです。
 
「気持ちワルい、、、」
 
って。
 
明かりがついていなかったので、
様子が分からずに、わたしが慌ててムスメに駆け寄ると、
ムスメはさらにこう、言葉を追加してきました。
 
「結婚式で食べたフルコースがお腹の中に残ってて吐きそう」
 
って。
 
これで、赤ちゃんに関係する事では無いと分かって、
 
「なんだそんなことか」
 
なんて思って、わたしはホッとしたのですが、
その時の時刻はすでに午前0時過ぎ。
 
あんなに眠かったのに、具合が悪くて目が覚めてしまったムスメにとっては、
ただ事じゃないんだ、と思い直しました。
 
自分の価値観ではなく、相手の価値観で相手をみる。
 
わたしが相手を理解する時に、
心掛けていることでした。
 
だから、わたしは、ムスメの背中をさすりながら、
こう伝えてあげました。
 
「苦しかったら、吐いてきていいんだよ」
 
「吐いてきなさい」ではなくて、
「我慢しなさい」ではモチロンなくて、
それが、わたしがムスメの意思を尊重して使えた、
最善の言葉。
 
わたしのムスメは、普段から、
 
「もったいないから、食べ物は吐かない」
 
という信念を持っています。
 
だから、わたしがムスメのことを心配して、
 
「吐いてきなさい」
 
って言ったとしても、きっとムスメは反発すると思ったのです。
 
でも、苦しいのに「我慢しなさい」なんて言われたら、
たとえ、自分の信念にしたがって、自分でとっている行動だとしても、
きっと、もっと苦しくなってしまうハズ。
 
だから、わたしはムスメに対して【許可】のコトバを使いました。
 
ムスメが自分で自分に禁止している「吐く」という行為に対して、
 
「苦しかったら、吐いてもいいんだよ」
 
と、自分の中のタブーを、超えやすくするために。
 
そのコトバを聞いたムスメは、少し考えて、
やっぱり我慢する方を選んだけれど。
 
「いつでも、吐いていいんだからね」
 
という、わたしのコトバに、安堵してくれたようで、
それからすぐ、ムスメの寝息が聞こえてきました^^
 
良かった♡良かった♡
 
自分の中のタブーを、自分のココロだけで越えるのは難しいけれど。
 
それが、信頼している誰かの言葉だったなら、
人は受け入れて、新しい価値観を持つことも出来るから。
 
だから、わたしは、
ムスメが自分で持っているタブーを超えられるような、
そんな魔法のコトバを、ムスメのココロに届けられる、
そんなお母さんでありたいな、って思いました(〃ω〃)
 

こんなお母さん?(笑)