発達障害か愛着障害か? | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

前回の記事で、私は自分が発達障害か愛着障害かで悩んでいることを書きました。

 

何で私がこのことでずっと悩んでいたかというと、、、

発達障害と愛着障害では、とる対策が真逆だと思っていたから、でした。

だから、自分の症状に合う対策を取らないと、状況が変わらないどころか悪くなってしまう、と私は不安だったのです。

 

もちろん、私がそんな風に思ったのには、それなりの理由がありました。

 

「人と繋がりたいと思っているけれど、人に対して極度に緊張してしまう」

そんな矛盾した気持ちを持っている私は、人と上手く関わることが出来ないことで、ずっと悩んできました。

転勤族の私は、もう5回以上転勤を繰り返していて、そのたびに、

「今度の職場の人達と仲良くなれるといいな」

と期待に胸を膨らませて新しい職場に臨むのですが、そんな私を迎えてくれるのは、きまって「そこの職場で覇権を握る女ボスとぶつかる」という現実でした。

私とぶつかる女ボスの人達は、とてもクセが強くて、嫌っている人も多いのですが、その分お気に入りの人達にはとても優しくて、

そんな女ボスと一緒の職場でひとり嫌われながら働く私は、とても孤独で辛い思いを抱えていました。

(本心では女ボスを快く思っていない人も、女ボスと仲良く出来ていて、それが私には不思議でたまりませんでした)

 

なんで私は他の皆んなのように誰とでも仲良くできないんだろう?

私のどこかに欠陥があるのかな?

 

そんな風に思って助けを求めた、心理セラピストさんと、発達障害カウンセラーさん。

 

お二人は、自分の専門分野の知識から、心理セラピストさんは私の症状を「愛着障害」と分析し、発達障害カウンセラーさんは「発達障害(アスペルガー)」だと分析してくれました。

どちらも私の抱える症状にピッタリでとても納得したのですが、ただ、素人の私の目からみたら、名前が違うだけで同じものに思える障害の、

改善策としてお二人が提案してくれたやり方は、まるっきり反対のものでした。

 

心理セラピストさんは、私が人と仲良く出来ない理由を、子どもの頃の自分に起きた過去のトラウマに求めていて、

傷ついた過去の自分であるインナーチャイルドを癒すことで、私の悩みを解決しようとしていたのですが、

発達障害カウンセラーさんのところでは、私が人と仲良く出来ない理由を、アスペルガーという発達障害の性質のためだと捉えていて、

アスペルガーの症状を食事療法や行動療法で改善することで、未来の自分を変えていって、私の悩みを解決しようとしていました。

 

過去に目を向ける療法と、未来に目を向ける療法。

 

症状の原因だと考えるものが違うために、正反対のやり方を提示されて、私はその二つの方法を同時には出来なくてとても混乱して、

やっぱり自分が発達障害なのか愛着障害なのかはっきりさせなくては自分の症状を改善できないのではないか、と思いつめていた私を、

不安から救いだしてくれたのは発達障害カウンセラーさんの言葉でした。

 

・学術的な考え方ではないけれど、愛着障害はちゃんと成育出来なかったという広い意味で、発達障害と考えられるということ。

 

・診断名よりも大切なのは、症状を改善することであり、自分が今指導している方法は、生きやすくなるための方法だから、愛着障害にも発達障害にも適用できる、ということ。

 

この言葉で、私は落ち着くことができて、そして自分がなぜ、心理セラピストさんや発達障害カウンセラーさんのところを訪ねたのかを、思い出すことが出来ました。

 

わたしが人に助けを求めたのは、幸せになりたかったから。

自分の症状の病名が欲しい訳では、なかったのです。

 

そして、ちゃんと成育出来なかったという意味では、愛着障害も発達障害も同じ、という考え方は、私の中でとても納得いくものでした。

 

定型発達出来なかったために、生き辛い思いを抱えているのは、同じ。

 

でももう、子どもの頃に戻って生き直すことは出来ないから。

 

今から自分で自分を、生きやすい人間に育て直してあげよう。

 

そう思ったら、正反対に思えていた二つの改善策は私の中で折り合いがついて、

自分の今後の方針が決まったような気がしたのでした。