中間管理職の悲哀 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

小さな営業所ではよくあることなのですが、
私のような総合職で転勤してくる上司より、
ずっとその営業所で働いている一般職の女性事務員の方が態度が大きい、ということがあります。

「ここの営業所の仕事を1番分かっているのは自分」

という自負が彼女にはあったりします。

確かに、私達のような転勤族は2~3年でいなくなってしまうので、
長くそこで働いているベテランさんに教えてもらうことも多いし、敬意は払います。

でもね、、、

「今までずっとこうやってた」
のやり方が間違ってたら、直さなくちゃだめじゃん!!

って、私は思うのです。

そこの営業所独自のやり方ではダメな、会社の規則でやり方が決まっていること、
それを指摘した時に、お局事務員はこう答えました。

「次から気づいたことにして、次から直します」

その言葉の中には、

「だからこの書類はそのまま通してください」

という言葉が、言外に詰まっています。

私は、間違っていると分かっていることを見過ごすことがとても苦痛です。
しかも、彼女のミスをそのまま通したら、気づかなかった上司の私のミスになります。
(気づいてるのに!!)

でも、お局事務員は絶対に引きません。
課長からは、このお局事務員は厄介な性格だから、波風立てずに上手くやってくれ、と念押しされていました。
だから私は、自分の上司に彼女の作成した書類が間違っていることを伝えて、
やり直しさせるかどうかの判断を仰ぎました。

そしたら、、、

今回は間違ったままでいい、と言われました(T_T)

これは先週の木曜日の出来事で、
おかげで私は木曜日の夜はよく眠れずに、
金曜日の朝は彼女の書類の件でうなされて、いつもよりかなり早く目が覚めて、
土日もそのことが頭から離れずにとても苦しんで過ごしました。

そして、思いました。

1人で出来る仕事をしよう。

私はずっと、自分は普通にしていたら孤立するから、
仕事という強制力のあるもので、人と繋がっていたい、と考えていました。

プライベートでは基本1人なので、ずっと、仕事で1人になるのが怖かったのです。

でも今、このお局事務員と一緒に3ヶ月働いてきて、

ずるいな。

と思うようになりました。

普段は仕事が出来る体で、かなり強気な態度をお客様に対してもとるくせに、
何か分からないことがあると、直接の上司である私を飛び越して、
私より1つ上の上司に、

「分からん~教えて~」

と話を振ります。

でも、私より1つ上の上司は実務はしていないため、
結局私が出ていって、彼女の分からない仕事を片付ける流れになります。
先日は、彼女が

「分からん~」

と投げた仕事のために私が残業して、
彼女は定時でさっさと帰りました。

馬鹿馬鹿しい。

と、心から思いました。

私は多分、ずっと同じ仕事をしている彼女より、仕事に詳しいです。

それは私が賢いとかそう意味ではなく、

それだけ時間をかけて知識を仕入れてきたからです。

それだけの手間暇をかけて得た知識を、
私のカップだけ洗ってくれないような、
そんな態度をとる部下に分けてあげなくてもいいや、
と思うようになりました。
(ワザとだとは思いませんが、私のカップだけ洗い忘れるという行為は、存在を無視されたようで地味に傷つきます)

そして、そんな環境にしがみついている自分を辞めよう、と思いました。

仕事で無理して嫌いな相手と繋がらなくても、
私を好きで、私が好きな相手と繋がっていられる。

そう自分を信じてあげよう、と思いました。

私はずっと、自分を何かの括りに入れていないと不安でした。
素の自分でいると、いつも孤立してしまうから、
何かの輪の中に入って、自分の役割を演じることで、
1人じゃない自分を作り出していました。

でも、それじゃ、

昼休みに焼きそばパンを買いに走らされるような、
可哀想なイジメられっ子と変わらないのだ、
と気づきました。

だからもう、仕事で人と繋がっていなくても大丈夫だと、
思える自分になろう、と思いました。

一生懸命仕事をしても、他の人達は間違いにも目を瞑って、
間違っているんだよと教えてもスルーしてしまうなら。

私は、自分1人の裁量で出来る仕事に就こう、と思いました。

何にも属さない、1人になる恐怖はあるけれど。 

自分を私が一番大事にしてあげられる。

そんな場所に行こう、と思いました。