病院で体験した、もしかしたら私だけ?? | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

今日は精密検査のため、仕事のお休みをとって病院に来ています。

まず採血ということで、看護師さんから名前を呼ばれてついていくと、、、
何だか周囲の人の動きが止まって皆んなが私に注目しています。

何だろう??

と思っていたら、私は看護師さんの後に本当についていったため、
壁で隔たれた採血のために患者さんが座る側ではなく、
看護師さんが採血作業をする壁の裏側までついていってしまったようでした。

「すっ、すみませんっっ!!」

と慌てて患者さんの座る側に戻ると、看護師さんが

「私が連れていっちゃいましたね(^-^)」

と笑顔で言ってくれたから、とても安心することが出来ました。

皆んな、誰一人間違わずにちゃんと患者さん側に座るから、すごいなぁ、って思いました。

その後に採尿に行ってレントゲンを撮って下さいと言われた時も、
私がよく分かっていないことを直ぐに理解した看護師さんは、
一つ一つの動作を言葉にして説明してくれたため、
(まず自動ドアを右にでると採尿室があるから、とか)
とても分かりやすくて安心して次の行動をとることが出来ました。

でも、採尿室に入ったらトイレが一つしかなかったため待っていたら、
出てきた人にとてもビックリされてしまい、

「電気がついてたら人がいるんだから、外の椅子で待ってるのよ」

と当然のように言われ、とてもムッとしてしまいました。

そんなこと知らないもん、この病院の採尿室なんて初めてくるから、中にトイレが一つしかないなんて知らなかったもん、
外の椅子ちょっと離れてるから採尿待ちの椅子だなんて分からないもん、
もしあそこに座って待ってて、順番飛ばされたらどうするのさ?

っていっぱい不満が心の中に渦巻きましたが、とりあえず

「知らなくて、すみませんでした」

を繰り返すと、お婆さんは気が済んだのか、

「いいのよ」

と言って採尿室を出て行きました。

看護師さんも、このお婆さんも、私が知らなかったことを教えてくれたのは同じなのに、
看護師さんは優しくて大好きだと思えて、
このお婆さんは嫌な感じだと思ったのは、
私を非難する気持ちがあるかどうか、だと思いました。

看護師さんは分からずについていった私を責めず、
お婆さんは知らずに中で待っていた私を責めました。

多分、私には皆んなが言わなくても分かるだろう、ということが分かっていない時があるのだと思います。

それを、さも当然のことのように言われると、分からない私は本当に腹が立ったり、分からない自分が悲しくなったりするのです。

そして、私はこんな経験をするたびに、

「当たり前などないのだ」

と感じます。

自分が当然だと思っていることが、他の人にとっても当たり前だとは限らない。

何かあるとまず自分が違うんじゃないかと疑うから、私はよく自分の常識が分からなくなります。

だから突然、今まで何も考えずに出来ていたことが出来なくなったりします。

それはちょっと大変なことだけど、でも、そんな自分でやっぱり良かったなぁ、って思うのです。

人の当たり前を押し付けられることが、嫌なことを知っているから、
私はそれを人にしないようにしよう、と気をつけることが出来ます。

そして、自分が今日の看護師さんのように、優しい人間になれることを願います。

昨日、嫌いだった部下のことも、自分のやり方以外には対応出来ない、小さい世界に住んでいる小さい人間なのだと思って、
でも自分もそんな小さな人間だからぶつかるのだと、
部下の小さな拘りを笑い飛ばせるくらい、
自分の器を広げよう!!と思ったりします。

あ、でもね。

部下に対して、

「あなたはその小さな世界を守って、その小さな世界の中でふんぞり返ってればいいさ。
私はもっと大きな世界にでて、もっともっと豊かな人生を歩んでやるんだから」

なぁ~んて意地悪な気持ち、やっぱり持ってます(笑)