こんにちは😃
論文の査読の資料を送って、ひと段落している薬剤師の岩出です😅
今年はブログの毎日更新を目標に頑張ります❗️
基礎疾患を持つ人がコロナウイルスにかかると重症化しやすいということは、以前から言われていました。
このことに関して、昨日の日経新聞で記事が出ていました。
コロナ重症化、受容体が影響か
ウイルス侵入の「足場」ACE2 持病や喫煙で増加も
いつも読んでて思うんですが、すごい専門的で誰をターゲットに書いてるんでしょうかね(笑)
重症化の理由として
ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)というたんぱく質の存在が言われています。
でも書きましたが
コロナウイルスは、細胞膜にあるACE2というたんぱく質に結合し、細胞内に侵入します。
基礎疾患がある人とACE2は何らかの関係があるということです。
ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)と聞いた時に、薬剤師の方(と医療従事者の方)は、ACE阻害薬やARBが頭に思い浮かびませんでしたか?🤣
このカスケードも思い浮かびましたよね~??🤣
でも、このACE(アンギオテンシン変換酵素)とは、別物なんです!
でも、今回の話でいうと無関係ではありません。
わざわざ「2(ツー)」と書いているくらいなので、ACEとACE2が存在するんです。
ACE2はアンジオテンシンⅡを別のモノに変換する(ここ重要)タンパク質です。
ここからは可能性の話で、参考資料にある文献に書かれていることをまとめて書きます。
あくまでの参考までに
私の解釈が間違っている可能性もありますが、その時はスミマセン🙇🏻
このACE2は、多くの臨床研究によって様々な臓器系に発現することが示されています。
ARBの薬(降圧剤)を飲むと
ARBはアンジオテンシンⅡAT1受容体を遮断
↓
血圧低下
が起きますよね!
そして、この続きがあって
↓
ACE作用がないため、血液中のアンジオテンシンⅡ濃度が高くなる
↓
アンジオテンシンⅡAT2刺激
↓
アルドステロン血中濃度の上昇
↓
心血管障害を進展させる(アルドステロンブレークスルー)
という流れがあるようです(知りませんでした😅)
で、実際にカンデサルタンやバルサルタンの投与により、血中アンジオテンシンⅡ濃度は、上昇した状態が持続するようです。
しかし、オルメサルタンは、これらと異なり、アンジオテンシンⅡ濃度を低下させるようです。
なぜか?
オルメサルタンにはACEI(ACE阻害)様作用を持たないが、ACE2活性作用を介してアンジオテンシンⅡを別のモノへ変換することで、アンジオテンシンⅡ濃度を低下させると考えられている、ようです。
3つ目の参考資料の論文にはこのように書かれています。
Importantly, pre-clinical studies in rats indicated increased expression of ACE2 after renin–angiotensin–aldosterone system (RAAS) inhibitor medication.
重要なことに、ラットを用いた前臨床試験では、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 (RAAS) 阻害薬投与後にACE 2の発現増加が示された。
新聞の記載でも
米ルイジアナ州立大学の動物実験では、治療に使うアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬が、肺などのACE2を増加させていた。
と書かれています。
ちなみに、オルメサルタンと同じ作用は、アジルサルタンでも報告されているようです。
ただ、糖尿病や高血圧の患者が感染しやすいという十分なデータはない。
とのことで、1つの可能性のお話でした!
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最後まで読んでいただき
ありがとうございました🙇🏻
<参考資料>
コロナ重症化、受容体が影響かウイルス侵入の「足場」ACE2 持病や喫煙で増加も(日経新聞 2020.05.11)
アンギオテンシン変換酵素2 日薬理誌 147, 120~121 (2016)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/147/2/147_120/_pdf
SARS-CoV-2 receptor ACE2 expression in the human heart: cause of a post-pandemic wave of heart failure? ,European Heart Journal
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehaa410/5834515