弁当で言えば大学入試は白米弁当。センター試験が梅干し弁当。これを食べ続ければ、英語の体調が非常におかしくなるわけです。学校や塾の英語教育も基本このラインで、残念ながらコミュ英語やライティングは表面的な扱いに終始してしまうケースが多いのが日本の英語教育です。どうしても、他の外国のように4スキル型に移行できない。ですので、高校三年生の英語力の平均が英検3級レベルであり続けているわけです。

 

その後は、英語の習得を試みても膨大な英語のやり直し、リハビリが待っています。コミュ英語などの習得は相当難しくなります。結局、中学や高校で英語を適切に学習しなかったら、その後の英語学習はいばらの道になります。

 

入試でカバーされるのはリーディングが殆どだけど、言葉のプライマリーは音なので、僕はスピーキング・リスニング8割くらいの感じで教えています。それをベースに読み書きの力をより効率よく伸ばすやり方。アメリカの有力な教育機関での日本語教育はだいたいこのやり方。

 

高校生やその親御さんたちは、本来言語を習得するときの自然な順序(音声がプライマリーで文字がセカンダリー)を踏まえたやり方には不安でしょう。そのやり方で本当に入試で上手くいくのか、と。僕の生徒さんの親御さんも、当然のことながら最初はそうですね。冬休み、春休み、夏休みが来れば他の生徒さんたちはこぞって予備校などの夏季講習などに通い出しますので。

 

しかし、「論より証拠」でスピーキングベースで、読みの力が伸びているという実感があればその不安は吹き飛びます。実際、高2の子は全国模試の偏差値が驚きの91でした。生徒さんも、ラテン語のように英語を勉強するより、生きた英語を読みも含めて使えるようになっていった方が良いわけです。

 

「論」も重要なので書きますが、読みの力を伸ばすためには音声言語の確立を試みながら読みをやらないとreadingにはなりにくいですね。どうしても読解、つまりdecodingになりやすくなると思います。スピーキングをベースにやるとdecodingに陥ることはなくなります。このやり方は今の読みに偏った入試にも有利です。単純にdecodingよりreadingのやり方の方がreading力が伸びるからでしょう。

 

大学入試的英語学習を続けても、読み能力は低いレベルで推移する厳しい現実を認識する必要があると思います。入試問題に多くの「ひねり技」が使われているので、難しそうな部分はありますが。