みなさまも関心を持ってみておられる先進医療BのPGT-A(着床前染色体異数性検査)についてです。
これは大学主体で行われるもので、日本で一番最初のグループは大阪大学主導で行われました。
約150例の胚移植(正数性胚の移植)が行われれば終了となるため、実施症例数は400例ぐらいになります。
この最初のシリーズはほぼ終了しております。現在結果の集計中です。
全てで5-7グループが順次実施して行きます。IVF大阪クリニックはこの最初のグループの実施施設でした。
当院はそれ以外にも次のグループの実施施設にも指定されています。ここでは大阪府でただ一つの実施施設です。
その後のグループでも関西で唯一の実施施設として指定されています。トータルでは3つのグループの実施施設となっています。(第1グループは終了しています)
いまは次のシリーズの開始を待っているところです。
現状としては、大学(大学名は受診された方にはお伝えしています)の倫理委員会の審査は通っています。
ただ、PGT-Aには染色体の解析を行う検査所が必要ですから、その検査所の精度も問われることになります。
今回のシリーズには数か所の検査会社が入っていますので、そのあたりの検討にも時間が掛かります。
このあたりがクリアになってから厚労省の担当の地方事務局(関西であれば近畿厚生局)に申請が行われ、承認されればゴーサインが出されます。
症例数はどのグループでも大阪大学で実施したのと同じですので、エントリーできる症例数は400例ぐらいになるのではと思われます。
適応については前回と同じで、
2回以上の臨床流産(生化学流産は含まれません)
*生化学流産とは妊娠反応は陽性となっても、胎嚢の見えるまで育たなかった場合です。
もしくは、胚移植を2回以上実施しても妊娠されていない方
前回と違う点は、1回の採卵で正数胚が得られなかった場合、もう一度採卵できるという点です。
この点は患者様にとってはメリットだと思います。(前回は1回だけの採卵でした)
先進医療BのPGT-A、多くの方が待たれているのですが、現時点ではまだまだ開始時期は分かりません。
年内に開始できればと私は考えています。時期がはっきりせず申し訳ありません。分かり次第お知らせしますので。