最近、体外受精の治療現場がやや混乱しています。
保険についても、回数制限が厳しいため、最初から2個胚移植の設定をして、2個きれいな胚ができなければ、保険で採卵は出来ますが胚移植の回数は減りません。このような方法とは限りませんが、いかにして保険の回数を長く持たせるか、患者様の身ならず、医療サイドも工夫を必要とします。
もうひとつの混乱の原因は、ERAテストやフローラ検査など、着床問題に役立つとされてきた検査が、
海外でその効果が否定され、使われなくなってきているという点にあります。
未だ結果ははっきりとはしていませんが、今までのように”この検査さえ実施すれば大丈夫”というものではないことは明らかです。今まで効果あり、と言われていたものが、その効果ははっきりしない、となってきたものも多くあります。それに輪をかけたのが、そのような検査が保険の体外受精では使えない、という点にもあると思います。
いずれにしても、体外受精の成績の95%以上を左右するのは以下のような項目です、
いかに患者様に適した卵巣刺激を行うか、
いかに効率的に採卵を実施できるか、
いかに配偶子(卵子、精子)をうまく扱い、きれいな受精卵を作れるか、
最後に、いかにスムーズに胚移植をおこなえるか、
です。これがすべてと言っても過言ではありません。
あたらしい技術や検査もいいですが、それは十分な基本の技術を以てして「妊娠できなかった場合にのみ有効な可能性があります。不成功に終わった場合、基本部分のどこに問題があったか」を、まずチェックする必要があります。
みなさまも、結果が不成功に終わった場合、医師とどこに問題があったかを話し合ってみてください。