着床出血ってあるの? | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

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大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 先のブログで着床出血に関するNET記事について触れました。

 着床出血とよく患者様が言われますが、着床出血って、本当にあるのでしょうか?

 

 私は、着床出血という膣からの出血は無いと考えています。

 

 俗に言われる、着床出血とは、胚が子宮内膜に侵入する(着床現象)時に、内膜の表面を破るために起こる出血が、子宮内から膣の方に流れてきて、出血として女性が分かるというものです。

 

 これって、本当だと思われますか?

 100ミクロン(1ミリの十分の一)の胚が子宮内膜の表面を破るときの出血が、子宮内腔から膣まで、目に見えて分かるほどの出血として出てくるでしょうか?

 みなさん、蚊に刺されたときの傷から出血するのを見られたことありますか?もちろん、蚊を叩いた時には赤い血液が見えますが、蚊に刺された穴からの出血なんて、分からないと思います。

 

 先のNET記事にも書かれているように、通常に自然妊娠した場合でも、着床部位から離れた内膜から、月経様の少量の出血が起こることは珍しくありません。ですから、ブログ内の記事のように、少なめの生理があった時に、妊娠しているというのは珍しい事ではありません。

 これは、自然妊娠に限らず、体外受精でも、起こることがあります。

 ですから、私たちは患者様に、胚移植後に出血があっても、処方されたお薬を続けるようにお願いしているのです。

 とくに、ホルモン補充周期では、少しの出血で諦めてお薬を中止しますと、せっかく妊娠していても流産に終わってしまします。

 

 妊娠していても出血することはあるのです。ただし、それは着床出血ではなく、着床部位から離れた部位の内膜が少し剥がれ落ちた(月経のような現象が起こる)ための出血です。

 

 いずれにしても、体外受精の場合は、妊娠判定の日まで、処方されたお薬は、きっちりと服用してください。