先のブログで着床出血に関するNET記事について触れました。
着床出血とよく患者様が言われますが、着床出血って、本当にあるのでしょうか?
私は、着床出血という膣からの出血は無いと考えています。
俗に言われる、着床出血とは、胚が子宮内膜に侵入する(着床現象)時に、内膜の表面を破るために起こる出血が、子宮内から膣の方に流れてきて、出血として女性が分かるというものです。
これって、本当だと思われますか?
100ミクロン(1ミリの十分の一)の胚が子宮内膜の表面を破るときの出血が、子宮内腔から膣まで、目に見えて分かるほどの出血として出てくるでしょうか?
みなさん、蚊に刺されたときの傷から出血するのを見られたことありますか?もちろん、蚊を叩いた時には赤い血液が見えますが、蚊に刺された穴からの出血なんて、分からないと思います。
先のNET記事にも書かれているように、通常に自然妊娠した場合でも、着床部位から離れた内膜から、月経様の少量の出血が起こることは珍しくありません。ですから、ブログ内の記事のように、少なめの生理があった時に、妊娠しているというのは珍しい事ではありません。
これは、自然妊娠に限らず、体外受精でも、起こることがあります。
ですから、私たちは患者様に、胚移植後に出血があっても、処方されたお薬を続けるようにお願いしているのです。
とくに、ホルモン補充周期では、少しの出血で諦めてお薬を中止しますと、せっかく妊娠していても流産に終わってしまします。
妊娠していても出血することはあるのです。ただし、それは着床出血ではなく、着床部位から離れた部位の内膜が少し剥がれ落ちた(月経のような現象が起こる)ための出血です。
いずれにしても、体外受精の場合は、妊娠判定の日まで、処方されたお薬は、きっちりと服用してください。