大手を振って体外受精。 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 このご時世になっても不妊治療を隠している方が、多くどころかいっぱい居られます。

 

 体外受精で妊娠出産されても、そのことをお子様に伝えておられない方も、多くどころか、いっぱい居られます。

 

 不妊治療どころか体外受精も保険適用となっています。がん治療を受ける時に、会社に秘密で受けるなど不可能なのと同じで、体外受精も保険適用(国民の税金を使うわけですから)になった今、秘密で受けるなどできません。

 

 これ、すなわち、不妊症が病気として認定されたことを意味しています。2022年以前は、不妊症は病気と認定されていなかったから、健康保険が使えませんでした。

 さまざまながん治療では生還された方の報告が頻繁にテレビで放映されます。ほとんどの場合が、実名、もしくは実像、で放映されています。日本国内の体外受精ではどうでしょう?海外の学会や研究会では、体外受精で生まれたお子様が、表に出られることはよくあります。

 

 ところが、日本では未だに多くの体外受精を受けられた方が、お子様に体外受精で妊娠出産されたことをお話しされていません。もちろん、個人の自由ですから、お話ししなければいけないわけではありません。

 

 私がアメリカで体外受精に従事しているとき、ある胚移植で、夫と共に小学生ぐらいの子供も立ち会われました。すると、ご両親がその子に向かって「君もこのようにして生まれてきたのだよ」と話しかけられていました。そして無事胚移植が終わり、二人目が誕生しました。

 

 日本では生まれてくる子供の10人に1人が体外受精による妊娠です(きっと世界で一番高い比率だと思います)。体外受精により生まれることは、誇らしい事ではあっても、決して恥ずかしい事ではありません。

 

 私が、本年9月に開催する学会では、当院の体外受精で妊娠されたお母様とお子様が一緒にステージに立ってくれます。ご夫婦の愛の結晶です。ご両親もお子様も、努力と努力の結晶を誇らしく思われています。

 

 このような場を提供することが、日本でも「大手を振った不妊治療」を可能にすると考えています。