日本の、いわゆる、第三者を介した生殖医療は混沌の連続です。
かつては、長野県の産婦人科医が代理出産を実施したと、さんざん叩かれ。
次には、着床前診断を実施したと、神戸の産婦人科医が日本産科婦人科学会を除名されました。しかし、裁判では神戸の医師が勝ちました。
当然と言えば当然です。何故なら、このような医療は海外では普通に行われているのです。科学技術が進歩すれば可能となる医療なのですから。
また、新出生前診断(NIPT)も血液検査ができれば、どこでもできる検査であるのに、資格登録の問題でひと悶着しました。まだ解決していません。この検査も、海外では妊娠すれば、ほぼ自動的に行われています。
今回話題となっている、国内での卵子提供ですが、これが一番ハードルが高いと感じられていました。ところが、すでに340名以上の国内での卵子提供児が出生していることがNHKで報じられても、日本産科婦人科学会からのコメントはありません。
これ、すなわち、国内でも有償の卵子提供を許す、ということを意味すると思います。われわれ、ルールを守ってきた者にとっては、何とも言い難い気持ちです。
患者様には、いつも「海外に行くしかないですかね」と言っていたのは、患者様に嘘をついていたことになります。
はやく、日本産科婦人科学会や政府は方向性を決めていただきたいと思います。そうでなければ、私たちは患者様に、どう言えばいいのでしょう。