体外受精のStep by Stepその前に、
体外受精の実際の話に入ろうと思うのですが、その前に少しふれておきたいことがあります。
医療というものは、患者様と医療者がいます。
患者様の常識は、日常生活や、その患者様の専門分野、などで得られた経験や知識に基づきます。
医療者の常識は、医療知識としてのルーチンや生殖医療分野の知識や経験に基づきます。
この二つの間には大きな開きがあります。
ですから、
医療を行うものは、いかなる患者様についても、治療を行う事柄について知識を”0”(ゼロ:なにもない)と考えて、ご説明し実施すべきだと考えています。
私はこの正月休みに、病院に掛かることがあったのですが、自分自身が医療者であるにも拘らず、他科の治療を受けた時、その科特有の薬剤の副作用をよく知らず、非常に怖い思いをしました。医療者でさえそうなのですから、患者様では更に怖い思いがあって当然だと思います。このような理由で、私の休診日が増えて申し訳ありませんが、ご了承ください。
今回の経験で得たことは、こちらにとっては分かり切ったと思っていることでも、初めから丁寧に説明すること。
ちいさな副作用でも、患者様にとっては大きな副作用である可能性のあること。
一つ一つの検査や手技についても、一つ一つ丁寧に説明すること。
以上の事柄を忠実に実践すべきだと再確認させられました。
現在、少し休ませていただいておりますが、今回の経験を糧に、患者様にもっともっと寄り添った医療を実践したいと思います。恥ずかしながら、この年齢で再認識いたしました。