治療終結年齢の若年化 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 このところ不妊治療終結年齢の若年化を感じています。

 きっと保険適用開始前は、多くの患者様が45歳をめどに治療終結を考えておられました。というのは、日本産科婦人科学会の体外受精統計の、採卵当たりの出産率が1%となっているからです。すなわち、100回の採卵で一人出産できるという確率になるからです。と言っても、その頃には50歳の声を聞く患者様もちらほらおられました。

 現実に、当院では47歳で妊娠出産された方が4人おられます。この方々は、昔の凍結胚ではなく、その時に採られた卵子で妊娠出産されています。このような高齢の方の妊娠例が出ているのも確かです。

 ところが、最近は健康保険適用の最高齢が42歳になったことが影響して、42歳で3回目の胚移植で成功しなければ、そこで保険での胚移植回数が終了しますので、それを契機に不妊治療の事実上の治療終結を決められる方が多くおられます。これは、明らかに健康保険の年齢制限の弊害だと思います。私たちのクリニックでは「44歳までは現実的な妊娠の可能性は十分にあります」とご説明してきました。先にも書きましたように、45歳をターニングポイントと考えてきましたし、患者様にもそのようにお話ししておりました。

 

 上にも書きましたように、保険適用の年齢の上限が42歳(43歳未満)と定められたことにより、42歳での治療終結という悲しい事態を迎えていることに衝撃を感じています。どうか、患者様のお力で厚労省に訴え、年齢制限、回数制限を撤廃できたらと、強く感じる今日この頃です。