胚培養士の不足 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

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大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 体外受精の保険適用が開始して8か月になろうとしています。どこの体外受精クリニックでも体外受精の件数が増えています。医師の方は、決まった数で患者様を診察することが可能です。もちろん待ち時間が長くなり患者様にご迷惑をお掛けしているとは思いますが。ところが、体外受精の心臓部である、培養室の人員が足らなければ、いくら医師が患者様を送り込んでも、培養室は回りません。

 培養士については、私が口が酸っぱくなる程その重要性を言ったり書いたりしているのですが、残念ながらいまだ国家資格とはなっていません。ですから、公式の養成機関がないのです。大学の農学部や生物関係学部の卒業生で興味のある方が就職されるのが、一般的な道筋です。ところが、国家資格になっていないため、他の職種(看護師、臨床検査技師、助産師、----)のように最初からそれを目指している方が少ないのが現状です。また、国家資格ではないため、その教育課程もそれぞれのクリニックに依存することになります。現在、民間の二つの団体、臨床エンブリオロジスト学会と卵子学会、が培養士の認定を行っていますが、この二つの団体が認定しているということが障害となり国家資格になりません。

 また、圧倒的に女性が多く、結婚や転居などの理由で、培養士としての仕事を止められている方も少なくありません。もし、現在、仕事を止めているが復帰してもと考えられている方がおられれば、ご一報ください。私のところにも依頼が来てますので。メールへのコメントでOKです。

 今回の事態を踏まえても、一日も早い国家資格を実現して欲しいものです。