おはようございます。

Kinoshitaです。前回の続きです。

 

 

Fertil Steril.2024 Apr;121(4):589-603

2018年に発表された

アメリカの生殖医学会による文書

喫煙と不妊症:委員会の見解2018

に変わる最新のものが出ました。

 

着床について

マウスの研究では

着床障害が示唆されている

胎盤の栄養膜機能を損なうとされている

ヒトでの研究は1件のみである

電子タバコの単独使用と従来の可燃性タバコとの

併用使用を区別することは難しいが

妊孕性低下と関連することが示唆されている

 

胚発生について

胚発生に関するヒト幹細胞を用いた研究では

幹細胞を電子タバコの液に晒すと

細胞毒性を示すことがわかっている

さらにこの研究では

細胞毒性は

ニコチンによるものではなく、

電子タバコのフレーバー液に使用されている

化学物質の数と濃度と

相関していることがわかった。

 

妊娠について

米国産婦人科学会と

米国疾病管理予防センターは

妊娠中の電子タバコの使用を禁止

するよう勧告している

しかし、

従来の可燃性タバコより安全という認識があり

妊娠中の電子タバコ使用が増加している。

 

2件の研究がある

元喫煙者(妊娠前に可燃性タバコをやめ、電子タバコ使用しなかった)

の妊娠後の情報を

電子ばたこ単独喫煙者

可燃性タバコ喫煙者

電子+可燃性タバコ喫煙者

と比較した

 

その結果

電子タバコ使用者は

早産、低出生体重児の発生率が

現在喫煙している人と同程度だった

 

電子タバコ使用者は

元喫煙者と比較して低出生体重児の発生率が

高かった

 

低出生体重児の発生率は

完全に禁煙した女性と比較して

電子タバコのみ使用していた女性で

多かった

 

もう1つの研究は

小規模な前向き研究である

電子タバコのみ使用した出生時体重

平均3470±555g

非喫煙者での出生児体重

平均3471±504g

は同程度であった。

しかし、

可燃性タバコ喫煙者の出生児体重

平均3166±502g

は有意に出生時体重が少なかった

としている

 

論文のまとめ)

女性における喫煙について

妊孕性低下、自然流産および異所性妊娠

のリスクが増加する十分なエビデンスがある

 

タバコは生殖機能喪失を促進し

閉経まで1-4年早める可能性がある

 

喫煙者は非喫煙者に比べて

体外受精で2倍近くの治療を要する

タバコの使用が体外受精の結果に悪影響を及ぼす

十分なエビデンスがある

 

喫煙者では

精液パラメータ、精子機能検査結果が

非喫煙者より低く、

用量依存的であるとエビデンスがある

また、流産リスクを増加させる

 

受動喫煙について

非喫煙者がタバコの煙に過剰にさらされると

喫煙者と同様に生殖機能が低下する

というエビデンスがある

 

ニコチン置換療法は

妊娠前の禁煙第一選択療法となる

ランダム化試験では

プラセボ群の2倍の効果がある

 

電子タバコは可燃性タバコの

安全な代替品と宣伝されているが

初期のデータでは

電子タバコも

リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に有害であり、妊婦の使用は胎児に安全でないと示唆されている

 

 

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