こんにちは。Kinoshitaです。

男の子が多いぞ!

シリーズの追加です。

前回のブログと一緒にどうぞ。。

 

これに加えて今回はこのようなデータもある。

男性胚は女性胚に比べて胚盤胞到達時間が有意に早い

(Boring,D. J.Assist.Reprod.Genet.,33,2016)

 

女性胚では初期胚(4-8細胞期)で※ X染色体不活化が起こる

(Briggs,S.F.,Stem Cells,33:2015)

(Vallot,C.,Cell Stem Cell,2017)

→※X染色体不活化が胚の発育速度に関係しているのか?

 

前回の報告と合わせると

早く胚盤胞になり(D4〜D5)

TEグレードA

の受精卵は男性が多いということなのか!

 

Kinoshitaより)

ちょっとくわしいお話してみましょう

興味ある人は面白いよ。

女性の受精卵でしかおこらない特別なこと!

ってお話しです。

 

※X染色体不活化ってなに?

みなさん

男性となる性染色体:XY

女性となる性染色体:XX

って覚えてますか?

 

X染色体とY染色体って

大きさも入ってる遺伝子の数も全然違うんです!

 

Y染色体には遺伝子10個くらい

X染色体は遺伝子1000個くらい

 

女性がX染色体の遺伝子を両方発現させたら

男性のおよそ2倍の遺伝子が発現することになります

 

これではだめなんです!

そこでX染色体の遺伝子量を調整してくれるのが

X染色体の不活化!

 

女性胚では初期胚(4-8細胞)の時点で

2本あるX染色体のうち1本をランダムに不活化して

X染色体の活動を停止させて男性との遺伝子量を合わせて

るんですねー

 

こんなことが女性胚の初期胚で起こってるんです!

すごいな、神秘だな〜

と思うのは私だけでしょうか笑

 

ちなみに猫で

メスで現れる三毛猫って

このXの不活化なんですよ!

 

猫のX染色体には

黒になる遺伝子

茶色になる遺伝子

のどちらかがあります。

(1本のX染色体に両方を持つことはありません:対立遺伝子)

 

パパ猫から:黒になるX染色体

ママ猫から:茶色になるX染色体

をもらった

X(黒)X(茶)を持ったメス猫ちゃんが誕生したとします。

 

メス猫(X黒X茶)の初期胚の時点で

黒になるX染色体が不活化した細胞は茶色へ

茶色になるX染色体が不活化した細胞は黒へ

(白は性染色体とは違う常染色体にあるので普通で出てきます)

→なんとこれで三毛猫の誕生です

→オスでは生まれてこないのわかりますよね

オス(X黒Y)かオス(X茶Y)でXの不活化は滅多に起きませんから

 

性別に関わるメカニズム

大変興味深いですよね!!

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