こんにちはKnoshitaです。

保険体外受精が開始され、もう1年が過ぎました。

本当に早いものですね。

そんな現在、

多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)で来られる

ご夫婦の相談内容に変化も出てきました。

 

多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)と診断され、

治療を開始し体外受精となり治療を進めてきたが・・・

保険の治療回数が少なくなり不安で相談に来ました。

残り移植できる回数が気付いたらあと1回・2回・3回ですと・・・

 

または、

保険はもうなくなって

自費採卵でやるならあと1回で終わらせたいです!

 

というご夫婦が増えてきております。

 

以前からお伝えしている通り

 

 

PCOSの方に

一般的な卵巣刺激をした上で採卵を計画し

 

・卵胞は見えるのに 卵子が取れない

・卵子は取れたけど、未熟卵が多い(M1/GVなど)

・卵子は取れたのに正常受精がすくない(多核など)

・受精はしたけど、胚盤胞にならない

・胚盤胞にはなるけれど、グレードAやBの胚盤胞にならない(CやB2ばかり)

 

こういった採卵結果が出ているにも関わらず、

同じやり方で卵巣刺激・トリガーを繰り返している方も多くおられるようです。

 

こういったパターンで悩んでませんか??

 

結局、今までずっと

Cグレードの胚盤胞でのみ移植を進めていたり

 

低刺激にしようと言われて

初期胚・グレードCでずっと進めてました

→知らない間に、保険の移植回数がほとんど残っていない・・

 

OHSSリスクあるから低刺激で始めたのに

結局OHSSで入院になった・・・

 

こうやって移植しているが

(初期胚やC胚しか移植していないのに)

妊娠しないのは

あなたの子宮が原因です・・・

着床の検査を進めていきましょう・・

とか・・・

 

という方

全国に本当に多くいるのではないでしょうか・・・

 

保険体外受精が開始となり

成熟障害があるPCOSの方にも

一般的な卵巣刺激が、繰り返し実施されることが多くなっていると容易に考えられます。

 

当院では

保険という枠組みの中においても

PCOSの方への

・卵巣刺激

・トリガー(採卵2日前の薬)

をPCOSの重症度に合わせて工夫して実施しています。

 

保険の治療においても

胚盤胞(A・Bに値する良好胚)を複数個狙えるように取り組んでいます。

直近でPCOSと診断され、保険体外受精のとなった方々の成績も載せておきます。

 

 

保険の枠組みの中においても、確認しておくこと、

できることもたくさんあります。

 

コロナ時代も落ち着いた現在、遠方受診の方もまた増えてきております。

もしせっかく保険での治療相談で来られるのであれば

数回の移植が残ってる間に来ていただけると、色々ご提案できます。

 

保険移植回数には限りがあります。

できれば残り移植の後半戦に入る前に、結果が出なければ

今までの治療方針の変更など少し見直してみてはどうでしょうか。

 

次回は具体的に

採卵を実施してきたが良好胚盤胞ができずに当院を受診され、

多くの胚盤胞を確保できた方々を紹介していきます。