こんにちは。Kinoshitaです。
京都IVFクリニックの開院もあり、全国から多嚢胞性卵巣症候群(以下PCOSといいます)の方の受診が続いております。
PCOSといっても色々な背景の情報が当院にはありますので、少しずつご報告していければと思います。
それでは。。
20代、30代の方だけでなく
昔からPCOSで悩みながら40代で不妊治療を開始される方もおられます。
PCOSの成熟障害に加えて、年齢要因での卵子の老化へも配慮が必要となります。
卵巣刺激の方法、採卵決定時期、排卵誘発がさらに大事になる方々です。
→PCOSの当院の基本治療情報はこちらをどうぞ
今回はさらにここからの応用版となるわけです。
35歳以上で今もPCOSと戦っておられる方には、ぜひこういったやり方も当院にはあると知って頂ければと思います。
治療前にしっかりと作戦を立て、ご夫婦がそれを理解することはとても大切です。
(実際のご夫婦)
41歳 AMH5.50 月経不順あり
兵庫県でPCOSと診断され体外受精開始
採卵3回、移植3回
CC胚しかできず大阪へ転院
大阪府で再度開始
採卵1回 卵胞22個見えたが回収14個
胚盤胞ならず移植なし
ここから当院へ
(初診時の相談内容)
採卵回収が難しく何か選択肢はないかと
高齢+PCOSの方だからこそ、成熟卵を育てるための連続採卵もあると提案
41歳だからこその、効率的かつ十分な受精卵確保をすすめる
当院採卵1
採卵数23個 胚盤胞4個 前核期2個
当院採卵2
採卵数24個 胚盤胞4個 前核期2個
当院移植1 胚盤胞(3AB)→判定(-)
当院移植2 胚盤胞(4AB,5BB)→判定陽性→妊娠10週で卒業へ
今まで胚盤胞にならなかったPCOSの卵子が、発育卵胞の全体の成熟度を第一に考え、採卵を決定していくことで初めて胚盤胞へと進むことがある。
これは私が常にブログで言っていることです。
今回のようなケースはさらに
年齢要因での胚盤胞へのなりずらさも考慮し採卵決定,方針決定しないといけません。
あえて採卵を繰り返し、より高い卵子の成熟度と細胞数の多い胚盤胞を追い求めていく。
遠回りに見えて最短の道のりになることがPCOSではよくあります。
自分の卵巣のこと、自分の年齢、卵子の質、AMH、年齢における妊娠率・流産率を理解し
自分に合った採卵を組み立てることはとても大切だと日々感じます。
(KInoshita情報)
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