こんにちは!
本日は、6月にデンマークで開催されたESHREにて発表した演題の内容をご報告いたします。
発表の様子
私は『Identification of aneuploid embryos using cell free DNA in embryo culture medium(培養液中の遊離DNAによる異数性胚の識別)』という演題をポスターディスカッション形式で発表しました。
現在行っているPGTは胚盤胞の一部の細胞を物理的に採取して検査を行うため、胚への侵襲が懸念されます。そこで我々は、胚から培養液中に放出される遊離DNAを用いた非侵襲的なPGT(niPGT)に着目し研究を行っています。

遊離DNAのイメージ図
niPGTに関する過去の当院の発表については下記のブログをご参照ください。
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2022年日本卵子学会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2022年日本受精着床学会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2022年アメリカ生殖医学会(ASRM)】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2023年日本卵子学会】
胚から培養液中に放出される遊離DNAを用いた非侵襲的なPGTが現行のPGTと比較してどの程度有用性があるか検討した内容になります。
結果として、niPGTの検査精度は染色体数が正常でない胚において、現行のPGTと同等程度であることがわかりました。
臨床応用に向けてまだ課題はありますが、遊離DNAを用いた非侵襲的なPGTは有用な技術ですので、引き続き臨床への応用に向け検討を行っていきたいと思います!!
培養研究部 FK
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