二人の歌姫 沈むのはいずれか...

紅の歌姫と称されし Firenza領主 Firenza公爵家の令嬢
Roberia Maria DellaFirenzaの手番

遊戲盤の上を駒が進む...
<聖都Firenza及び南都Naporta → 赤の歌姫の後援都市>
歌え!紅の歌姫 目指す舞台は
優雅にして華美なる麗しの王都Romana

蒼の歌姫と称されし Milana領主 Viscontie公爵家の令嬢
Giulietta Simone Del Viscontieの手番

代わる代わる駒は進み...
<北都Milana及び水都Venera → 蒼の歌姫の後援都市>
歌え!蒼の歌姫 目指す舞台は
優雅にして華美なる憧れの王都Romana

紅く燃え上がる情熱の歌声と華やかな容姿 私こそが<最高の歌姫>
蒼く湧き出づる清廉の歌声と穏やかな微笑 私こそが<最高の歌姫>

諸侯を巻き込んで 宮廷に蠢く影は 権謀の黒き獣 争いの宴は続く...

田舎貴族の娘が望むには不遜な 至尊の寶冠
色惚の年增娘が望むには不遜な 至尊の寶冠

頭上に戴くのは紅の歌姫こそが相応しい...
頭上に戴くのは蒼の歌姫こそが相応しい...

...「王妃陛下万歳!」

時は...Itania暦312年
国王Montefeltrano四世 突然の崩御
若き王太子Alessandro
Alessandro一世として即位

Itania<最高の歌姫>を
王妃として迎えるという勅令を発布
野心を抱いた地方領主/門閥貴族
各々に歌姫を立て王都を目指し進撃...

駈ける駆ける獣...
高値で売れるなら娘でも売れ
売値は望む得る限り高く
猛る猛る獣...
敵を売れ 味方を売れ
他人の娘など底値で売りつけてやれ
咆える吼える獣...
弑逆を謀った逆賊として
Del Viscontie一門を処刑
屠る屠る獣...
逃亡を図った国賊として
Del・Viscontie令嬢を処断

「騙し騙され...殺し殺され...よく飽きもせぬものだ...
全ては遊戯に過ぎぬ...予を生み堕とした...
この世界に復讐する為のな...」

逃げる乙女と 追い駆ける獣
紅糸で手繰る 操り人形
繰り返される 歌劇 悲劇
紅糸で手繰る 操り人形

牙を剥いた獣 追い詰められた断崖
歌を奪われた歌姫 世界までも奪われ...

「Roberia王妃陛下万歳!」

蒼い空 碧い海 飛び去りぬ白鴉 沈み逝く歌姫

歌姫Giuliettaの沒後...王妃Roberia在位僅か三年にして
寵妃Beatrice 宰相Galeazzoらの共謀により 歴史の闇に沈む...

君よ驕ることなかれ 我等
歴史という大海に漂う小舟に過ぎぬ
盛者必衰 沈マヌ者ハナシ...
海の匂いが好き 心地良い潮風が頬を撫でる
ここから見える景色が好き 海と空が同じ蒼で出来きているから...

摇れる碧石の首飾り...

それは...愛しき日々 今でもよく覚えてる
いつも肩車してもらってたよね
パパの背中は 何て大きかったんだろう...

少女は父親が大好きだった
父親は勇敢な船乗りだった
いつも優しかった いつも笑っていた
海の向こうの話を聞かせてくれた
少女の小さな地図は
いつもその話でいっぱいだった...

覚えてるわ パパの話
白い鯨を見てみたい
双子島にも行ってみたい
潮風に揺られどこまでも...

大人達は皆 分かってはくれない
小さな身体には収まりきらない
大きな夢があるんだ
私は 絶対船乗りになるんだ...

覚えてるわ パパの話
歌う海鳥を見てみたい
珊瑚の樹海にも行ってみたい
潮風に揺られどこまでも...

こんな晴れた日は 白い紙鳥を飛ばそう
あの蒼い水平線の向こうまで...

何色にでも染まる<白>は 明日の私だ
<境界線>なんて何処にも無い
真っ直ぐ<蒼>に溶けこんでゆけ
どこまでも どこまでも...

その紙鳥は潮風に乗って翔んでゆく
どこまでも どこまでも...
私は<書の意思の総体>
アナタたちが<黒の予言書>と呼んでいるモノの原典
つまらない昔話でも宜しければ お話ししてさしあげましょう...

昔々ある所に一人の男がいました
彼は破滅の運命に囚われていましたが
苦難の末...その運命から逃れる道を見つけ出しました...

しかし...彼がその運命から逃れることは 別の運命によって定められていました
その別の運命から逃れられたとしても 更にまた別の運命に囚われてしまいます

結局はその枠を何処まで広げようと いづれは簡単に絡めとられてしまうのです
書の真理をご理解頂けるかしら? 黒の歴史は改竄を赦さないのです...

アナタは永遠を信じますか? ...そんなことはどうでの良いのです
さしたる問題ではありません 書の歴史は全てを識っているのですから

幾度となく誕生と消滅を繰り返す世界 全ては予定調和の内
書の真理をご理解頂けたかしら? 黒の歴史は改竄を決して赦さないのです...

結局彼は運命の手から逃がれられませんでした
...されど憐れむ必要はないのです
ワタシもアナタも誰ひとり逃がれられないのですから...

めでたし...めでたし...