私の配属された部署は 4階のフロアーで
ハッチーたちのにぎやかで 大所帯の部署の 横に
次長と ボン と 私の3人で 地味に仕事をしていた
目の前に座っていたのは
創業100年を超す一流企業の社長を経験した父を持つ
お坊ちゃまくん 通称ボン で
会社内でも有名な 気持ち悪い存在だった・・・
恐らく ものすごい裕福な家庭環境で育っただろうし、
エリートな学歴を持っていただろう・・・
しかし、親があまりにも立派すぎる家庭によくあるパターンの
息子さんで どこの会社へも 行く当てがないのを 販社が
引き取った・・・そんな状況だったと想像できる
彼は 毎日もくもくと 次長から与えられた
簡単な数字計算らしきものをしていた・・・
誰とも会話することなく・・・
実際の年よりも かなり老けて見えたし、誰も興味を
示さなかった
そんな彼が ボソッと私に声掛けしてきたことがある
ゴールデンウィーク後に どこかへ行ったお土産をくれた
それは 何か絵が描かれた 小さな爪切りだった
もちろん それによって感激するようなものでは
なかったが、今 思えば ウソでも 「ありがとう」と
飛んで喜べばよかったと 反省している・・・
私がもらったことで 周りの女子軍団は
何をもらったのか 興味津々で聞いてきた
もちろん 気持ちわる~ という意味であったが
よくもまあ そんな環境で 毎日楽しくもない生活を
してきたもんだと 違う意味で感心する
そんなボンの趣味は 色んなケーキの写真を撮る
ことだった・・・ 写真を現像した時にもらう 小さな
アルバムに 色んな角度から 色んな種類のケーキを
写真に収めていた
それをいつ見せてもらったのかは 記憶にないが
その時の私は 他の女子社員の人たちへの笑いの
ネタとして 即刻 報告したのである
何と 嫌味な女だったんだと 今改めて 反省した・・