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デニムの国から

このブログを読んでくれた すべての皆様に幸福が訪れますように・・・
たくさんの波乱万丈な半生をコミカルに 小説仕立てでお届けします・・・
同じような経験をした方に勇気と元気を与えられたら幸いです・・・
Wishing your happiness and prosperity!

私の配属された部署は 4階のフロアーで

ハッチーたちのにぎやかで 大所帯の部署の 横に

次長と ボン と 私の3人で 地味に仕事をしていた


目の前に座っていたのは 

創業100年を超す一流企業の社長を経験した父を持つ

お坊ちゃまくん 通称ボン で

会社内でも有名な 気持ち悪い存在だった・・・


恐らく ものすごい裕福な家庭環境で育っただろうし、

エリートな学歴を持っていただろう・・・

しかし、親があまりにも立派すぎる家庭によくあるパターンの

息子さんで どこの会社へも 行く当てがないのを 販社が

引き取った・・・そんな状況だったと想像できる


彼は 毎日もくもくと 次長から与えられた

簡単な数字計算らしきものをしていた・・・

誰とも会話することなく・・・

実際の年よりも かなり老けて見えたし、誰も興味を

示さなかった


そんな彼が ボソッと私に声掛けしてきたことがある

ゴールデンウィーク後に どこかへ行ったお土産をくれた


それは 何か絵が描かれた 小さな爪切りだった


もちろん それによって感激するようなものでは

なかったが、今 思えば ウソでも 「ありがとう」と

飛んで喜べばよかったと 反省している・・・


私がもらったことで 周りの女子軍団は

何をもらったのか 興味津々で聞いてきた

もちろん 気持ちわる~ という意味であったが

よくもまあ そんな環境で 毎日楽しくもない生活を

してきたもんだと 違う意味で感心する


そんなボンの趣味は 色んなケーキの写真を撮る

ことだった・・・ 写真を現像した時にもらう 小さな

アルバムに 色んな角度から 色んな種類のケーキを

写真に収めていた


それをいつ見せてもらったのかは 記憶にないが

その時の私は 他の女子社員の人たちへの笑いの

ネタとして 即刻 報告したのである



何と 嫌味な女だったんだと 今改めて 反省した・・


入社式から一週間ほどして それぞれが部署に

配属された・・・

会社にいる それぞれの部署のマネージャークラスが

毎回 研修期間中に 色んな話をしてくれた


大阪にある販社の本社として 江坂にあったが、神戸

堺 枚方にも営業所があり、近畿地区を中心に

全国に支社が展開する メーカーだった


研修の何日目かは もう忘れてしまったが、

経理部をしきっていた イシハラさんという それは

それは かなり手ごわいオバチャンがいた・・・


旦那さんを早くに亡くし、子供がいなかったため

仕事場で 若い子を 叱咤するのが 彼女の生きがい

だったに違いない


イシハラさんと同じような 強烈なオバチャンは

他にも 数人いたが、、、、

おじさん おばさん世代に 比較的支持を得るタイプの

私は 徐々に 味方につけていったが・・・

何しろ 田舎から出てきたばっかりの頃には 

衝撃的なことの連続だった


そのイシハラさんが 今後 配属される部署を

事前に総務の人から 入手していて・・・

研修の終わりに それを見て 一言いいだした・・・


ハッチーと アンコの時は さほど あ~あの人の

ところか・・・・と 普通の表情で話していたが

私の番になって あら~~~~~ と

可愛そうに・・・・という表情に一転した


なんですか?と 思わず食いついて聞いてみたが

いやいや 何でもない・・・ まぁ いい人よ・・・

なんて 意味深な言葉を あせりながら 口にした


それによって 配属の辞令が出るまで どれほど

不安だったか 思い出すだけでも 汗が出る


結局のところ 計数管理という いわば

実践部隊から 外れた 雑務処理グループに

仕事の全くできない メーカー本社の社長ご子息

お坊ちゃまくん (通称 ボン)と

吉本興業の池野めだか風の これまた頭と口だけは

しっかりした やり手ではない次長の 二人しかいない

最悪の部署に 配属されていた・・・


田舎から都会にあこがれて来た 私に 

今にも壊れそうな アパートでの新生活だけでなく

OLとしての 生きがいを感じられそうもない 仕事環境が 

現実として 突き付けられたのである


                        つづく

同期入社した7名は なんとなく近い存在で・・・

とりわけ 女子軍3人は 同じ年であったこともあり

すぐに仲良くなった


対照的なこの3人組  社交的で毎日会社が終わったら

コンパに参加する ハッチーと 毎日日替わりでデートを

する相手が変わる ライブ大好き もてもて アンコ・・・

田舎から 突如出て来てしまった くそまじめな 私の

奇妙なハーモニーが 研修中から始まった


社交的なハッチーは 私の通勤するルートを知って

「定期は 阪急線で 淡路~梅田間 地下鉄は 

梅田~江坂 までを買いなよ!」と 忠告した・・・・


さっぱり意味がわからず、なんでイチイチ 余計なところまで

買わんといけんのか?と 都会的な発想に びっくりした。


しかし、それのおかげで 休みの日も自由に梅田近辺へ

繰り出せることが出来たわけで・・・

まちがってはいないが、必要なものだけを買うタイプの

私は この人は私を 悪の道へ導くつもりか・・・・?と

勘違いしたほどである


その後 幾度となく 厳しい指摘を このハッチーから

受ける羽目になるが、見た目も行動も 私生活も

豪快だった・・・ 彼女のお父さんは 私たちが就職した

会社のユーザー社長さんだった


家も豪邸で お嬢様学校育ちの彼女は 見た目の派手さとは

違って 面倒見のいい 姉御タイプの奴だった


一方 毎週のように路上ライブを見に出かけるアンコは

ライブ好きが着るような 独特のファッションをして、

女のオーラ全開で かなり男を魅了していた・・・


彼女のお父さんは 就職先の会社へ しょっちゅう顔を

だしていた お得意さんの社長で これまた 社長令嬢

だった・・・  ハッチーとは違うタイプの彼女は

クールな外見と 反比例して 結構ハートの厚い

古風なタイプの奴だった


今でも ときどき手紙をやりとりしている

彼女のお母さんが描く 絵葉書は 個展を開くほどの

すてきなものがたくさんあった


そんな 不思議な縁で OLライフが始まったのである


                         つづく