諸事象があって、

しばらくブログが書けない日々が

続いてしまいましたが、

久々に更新です。

 

そして、またしても、

アニメるろ剣について

語りたいと思います。

 

漫画、アニメ、ゲームは

筆者にとって元気の源です。

 

 

 

例によって、

後のエピソードに対する

ネタバレなども含まれていますので、

そういうのが嫌な方は

戻るキーをよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

令和版の雷十太、

そして月岡津南、

両エピソードともに

リメイクする価値のある、

良い出来に仕上がっていたと感じました。

 

 

特に、雷十太編では

原作者の和月氏が

直々にテコ入れをしたという

話もあったくらいでしたので、

どのような形になるのかと

思っていましたが、

ある意味で期待通りのものが出てきた

という印象で、ひと安心です。

 

 

津南のほうは、

るろうに剣心という作品を通じて、

現実の現代社会に対する

メッセージのようなものが

込められているのではないかと

感じました。

メッセージの内容については

是々非々で捉えたいと思いますが、

試みとしては非常に面白かったのではないでしょうか。

 

 

 

 

ネタバレも含めて、

各エピソードを軽く振り返ってみます。

 

まず、雷十太編。

敵役である雷十太は、

実力があるのに心が伴わず、

人斬りに憧れていただけのワナビ

という扱いでしたが、

それを原作では

「小物」とか「カス」とか、

散々な言われようでした。

 

けれど今回のアニメでは、

雷十太の実力は認めつつ、

精神性の未熟さを憐れむような

描写になっていましたね。

 

なにより、

一番大きな違いだと感じたのは、

「人を殺したことが無いのは

 救いである」

と、かなり明確に匂わせたような

結末にしたところでしょうか。

 

雷十太本人は自らの不甲斐なさを

嘆いていましたが、

あそこで踏みとどまれた、

躊躇できたことが、

何年、何十年先に振り返って、

どれほど大きな分岐点だったかを

知るのだと思うのです。

 

 

ついでにいうと、

この雷十太であれば、

武田観柳ほどではないにせよ、

連載中の北海道編で、

ちょっとくらいは出てきても

良いのではないかと

思ってしまったりしました。

 

もっとも、

北海道編はコミックスと地続きなので、

よほどのことが無いかぎりは

出番は無いでしょうけれど。

 

 

この、

実力はあるのに精神性が未熟ゆえ

という切り口は、

御庭番衆編でも語りましたが、

雷十太編ではそこをさらに

深掘りしたような印象でした。

 

そういう意味で見るなら、

それぞれのラストシーンも、

対比に見えて面白いですよね。

 

墓石の前から立ち上がり、

森の中へと入っていって

修羅道に堕ちてゆく蒼紫と、

林の中から出てきて、

地蔵の前で泣き崩れて

人の道に留まった雷十太、という。

 

 

 

そして、

もう一人のキーパーソンである

塚山由太郎。

 

彼にかんしては、

原作をそのまま丁寧に広げてくれた

という印象でしたが、

雷十太の最後を見届けたのは、

良改変だったのではないかと

思います。

 

「今、その目で見ておかないと

 立ち上がれなくなる」

という弥彦のセリフは、

非常に重く、大事なものだと

感じました。

 

怒りに任せて先走って、

雷十太に決闘を挑んだ原作の弥彦より、

グッと大人びた振舞いに思えますね。

 

このあたりも、

後に訪れる十本刀との戦いを意識して、

一人の剣士として成長している弥彦

をイメージして構成しているのでしょうか。

 

 

そして、

決着を見届けた後の、

 

「さようなら、先生」

と悲しそうに呟く由太郎。

 

本当は未熟者だった雷十太、

けれどその強さに惹かれてしまった自分。

それを受け入れ、

雷十太を師と呼び、

そこに別れを告げることで

本当の意味で袂を分かつ。

 

目覚めたときには何もかも終わっていた

原作の流れでの引きこもりと、

全て見届け、全て受け入れ、

けれどそれでも納得できない

思いを抱えての引きこもり。

 

最後の別れのシーンも、

呆然自失のところに弥彦から喝を入れられた

のと、

くすぶっていた火種が弥彦の喝で再び燃え上がった、

という見せ方の違いみたいにも思えて、

これはこれで良い見せ方だ、

リメイクしてくれてありがとうスタッフの皆さん

と感謝してしまいました。

 

 

 

 

 

次回は、津南編です。

この津南編は、

原作、

平成アニメ版、

令和アニメ版と、

それぞれに味わいが異なるエピソードなので、

話がとっ散らかるかもしれませんが、

もしよければまたお付き合いください。