在留資格認定証明書のデジタル化(紙から電子へ) | 元日本人の在留資格(ビザ)と日本の永住権

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アメリカを始め海外から日本へ帰国・移住する元日本人、日本人with外国人配偶者の在留資格(ビザ)申請を専門とする行政書士のブログです。

今年の5月末に、海外から日本へ移住される、日本人 with 外国人配偶者様の、だんな様の在留資格認定証明書を行いまして、無事に8月初めに在留資格認定証明書が交付されました。それを受けまして先週、クライアント様に在留資格認定証明書を発送いたしました。

 

「在留資格認定証明書」は、日本の一般的なコピー用紙大(A4)の半分くらいの大きさ(A5かな?)で、しっかりとした厚紙に顔写真、日本政府の紋章、氏名・性別・国籍・生年月日、認定された在留資格(ビザ)、期間、などが記載されている、見た感じ割と立派なもので、いかにも日本の当局が公式に発行した許可証というような感じの書類です。

 

しかし、2023年3月から在留資格認定証明書は、電子メールで入管から送付・交付されるようにもなりました。この「電子メール方式」になりましたことにより、日本から海外にいる申請者様に在留資格認定証明書を送付する際、それまでの郵便で送る方法に代わって、電子メールを申請者様に転送する方法で、証明書原本を送付することができるようになりました。当事務所も2023年3月以来、海外にいるクライアント様には「電子・在留資格認定証明書」をメールでお送りしております。

 

尚、インターネット環境がない、あるいはデジタル機器の使用があまり得意でない人のためだと思いますが、従来のような紙ベースでの在留資格認定証明書も依然として存在しております。

 

電子・在留資格認定証明書になりましてから、本当に安心して海外に発送できるようになりました。入管から電子メールで送信されますので、まず紛失の心配がありません。(紙の時代には、海外へ輸送している途中でキャリアの不手際により行方不明になったことが1回ありました。)メールを誤って消去してしまうことも、まずありえませんし、電子メールで受領した時にすぐ複数部を印刷してバック・アップを取ることもできます。

 

これが紙の時代には、送付の際に高い料金を支払う割には、遅延はするし紛失もあるし・・・。紙の在留資格認定証明書は、それが唯一無二のものですので、コピーは効力を持ちません。再発行もできませんので、もし紛失してしまうと、在留資格認定証明書交付申請を最初からやり直すことになります。当事務所でも過去に1回、そのような憂き目にあいました。

 

紙の在留資格認定証明書の時代には、クライアント様から到着の連絡をいただくまでは、不安な気持ちを持って1週間ほどをやり過ごさなければなりませんでした。それが今では電子メールの送信によって速く、安く、確実にクライアント様のお手元に届けることができるようになり、本当に助かっております。

 

また、在留資格認定証明書は、在外の日本総領事館で査証(visa)申請を行う時と、日本に入国する時の入国審査で提示する必要がありますが、その際に紙の証明書ですと、その原本を見せなければならないのに対し、電子・在留資格認定証明書の場合は、その電子メールをスマートフォンやタブレット端末のディスプレイに表示して見せてもいいですし、また電子メールを印刷して提示してもよろしいです。

 

世の中、可能なものは徐々にアナログからデジタルへ置き換わっていっておりますが、入管行政においてもそのデジタル化の波に乗って進んでおります。

 

いいことずくめの電子・在留資格認定証明書ですが、ひとつだけ難があります。「難」というよりは、私が個人的に抱いている感想なのですが。

 

電子・在留資格認定証明書は、「申請が許可されました。」という事実を伝えるだけの、本当に普通の電子メールですので、在留資格認定証明書という「外国人が日本に入国することを正式に許可する」重大なことを伝えるモノとしては、何か軽いというのか、威厳が感じられないのです。

 

紙の在留資格認定証明書のように顔写真もデザインや模様を施した背景もないため、文字が連なっている単なる書面なのです。私は昨年に初めて電子・在留資格認定証明書をメールで受け取った時、それが在留資格認定証明書だと思いませんでした。PDFファイルで紙の在留資格認定証明書のようなものが添付されてくるのだろうと思っていましたので、そのメールに添付ファイルがあるかどうかを懸命に探しました。しかし、いくら探しても添付ファイルが見つからなかったので、そこでようやく「え、これが在留資格認定証明書?」と気づきました。

 

しかし、紙の在留資格認定証明書のような、受け取った時の感動は少なくなったものの、やはり電子・在留資格認定証明書になってよかったと思っております。やはり速さ・簡単さ・安心感を考えますと、紙よりも電子の方が圧倒的に利益が大きいと思います。

 

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