元日本人の在留資格(ビザ)と日本の永住権

元日本人の在留資格(ビザ)と日本の永住権

アメリカを始め海外から日本へ帰国・移住する元日本人、日本人with外国人配偶者の在留資格(ビザ)申請を専門とする行政書士のブログです。

5月13日(水)、鹿児島への出張、2日目です。この日はクライアント様と一緒に県内のとある市役所に「国籍喪失届」の手続きをしに行きました。

 

このクライアント様というのは、もともと日本国籍の女性で、今は米国市民権を保有している方でして、外見は普通の日本人です。リタイア生活を日本で送ることを考えており、そのために「日本人の配偶者等」の在留資格を必要としております。いつも当事務所で扱っている「元日本人のご帰国案件」です。

 

ただ、このクライアント様は国籍を喪失してから在外公館(日本総領事館)に届け出を行っておりませんでしたので、そこから始めなければなりませんでした。この方に限らずにそのような方は割といらっしゃいまして、当事務所でも入管申請の前段階として、この国籍喪失届から手伝うことは珍しくありません。

 

たいていの国籍喪失届は、米国にある日本総領事館に届け出用紙1枚出せば済むのですが、今回のケースの場合、ちょっと複雑な事情がありまして、この方の本籍がある市役所に赴いて手続きを行うこととなりました。このクライアント様が日本に一時帰国するタイミングを計って、郷里の鹿児島県に一緒に手続きに行くことになった、というわけです。

 

鹿児島県の中心都市からローカル線で目的地に向かったのですが、手持ちの資料・情報が完ぺきではなかったので、この日にどこまで進めることができるかとても心配でした。もしかしたら東京から鹿児島までわざわざ来てもらったにもかかわらず、何の成果もあげられずに手ぶらで帰る事態も想定されたので、行きの道中はとても緊張しておりました。電車の車窓からきれいに青く輝く海が臨むことができ、クライアント様お二人はとても喜んでおられましたが、私は車窓の景色を楽しむ余裕はなく、ただただ緊張していました。

 

ローカル線を下車しまして、駅からタクシーを使い、市役所に到着しました。担当者には事前に訪問を伝えていたこともあり、市民課の人が総出で迎えてくれました。これには心温まりました。

 

さて、国籍喪失届の実務に入りましたが、米国の帰化証明書(Certificate of Naturalization)の原本を提示、コピーを渡し、そして国籍喪失届に本人の署名、遅延理由書、申述書という書面を作成するところまでは順調に進みました。

 

次に市役所の職員から「帰化証明書の翻訳文ってありますか?」と聞かれた時、「ああ、やっぱりそう来たか。。。」と思いました。その時点では用意していなかったのです。クライアント様がまだ日本に出発する前に「翻訳をしてくださいませんか?」とお願いしていたのですが、クライアント様が対応してくださらなかったため、翻訳文がない状態で市役所に乗り込んだわけです。

 

「翻訳文をくれ。」と言われてしまったので、これを出さないわけにいきません。そこで市役所に行く途中の電車の中で、ふと思いついたアイディアがありました。それは、本人とその連れが米国から来ているので、英語ができるお二人にその場で翻訳してもらって、僕がその場でA4コピー紙に書き写すことでした。それを市役所の職員に相談しましたら、「あぁ、いいですよ。」とオーケーの返事をもらいました。

 

急いで本人の連れの人を呼んできて、「これ、翻訳してくんない?」とお願いしましたら、その人「私でもいいんだけど、法律用語がいっぱい出てくるから、AIにやってもらうわ。」と言って、iPhoneを帰化証明書にかざして写真を撮りました。そして3分くらいしたら、見事に日本語訳が画面に現れました。

 

それから私は、その文章を一生懸命に書き写しました。最初は手書きでA4コピー紙に写していきましたが、だんだん面倒になってきたので、途中からノート・パソコンで打つことにしました。パソコンは使うつもりはなかったのですが、いつも持ち歩いているものですので、こういう時に助かると思いました。

 

そのAIですが、ちゃんと日本語にしてくれるのですが、やっぱり日本語としておかしい表現が出てきたりするので、そこは適宜、自然な日本語に直して清書をしました。

 

30分くらいして翻訳文が完成し、さて、この文章をどのようにして職員に渡すか。幸いにも市役所内に来庁者が使うことができるWi-Fiがあったので、そこにつないで職員のメールにPDFファイルを送りました。

 

このようにして何とか、国籍喪失届を提出・受理してもらうことができました。市役所に行く前はどうなることやらと心配していたのですが、なりゆきに任せて一生懸命にやっていたら道が開けたという感じで、とてもいい仕事ができました。

 

この時は、ノート・パソコンとWi-Fi、そしてAIの威力を感じました。文明の利器というのかなんというのか、そういうものの恩恵をフルに享受した、今回の出張でした。

 

一仕事終えて、帰路に就くときの鹿児島空港の様子です。↓