「令和6年能登半島地震」の被害にあった地域の皆様お見舞い申し上げます。
新しい年の幕開け、皆様今年も宜しくお願い致します。
新年から地震、航空事故、東京での事件と…幸先の悪い始まりです、思えば戦争災害が尽きない昨今ですが…
コロナの影響も5類移行とともに、様々なものが解除され、昨年は釣り人の皆様、関係各所、のご協力もあり、イトウ保護や教育活動が以前の様に出来るようになりました。
猿払イトウの会はNPO等と違い専属の職員は無く、会員は働きながら休日に活動しています…
活動できる日数は限られていますが、
今年も保護・教育・啓蒙活動を実施したいと思います。
ご存じかと思いますが…再度投稿したいと思います
2021年夏、少雨と高気温の影響によりイトウを含む魚類の大量死が発生しました
これは猿払村を含む上川北部から宗谷のイトウ生息か所で発生しました
イトウ、サクラマス、アメマス、ウグイの斃死を確認
長引いた超渇水はサクラマスやカラフトマスやサケの遡上にも大きな影響を与えました
猿払では約50匹以上のイトウの死骸が確認され、
夏季イトウ釣り自粛のお願い | 猿払イトウの会 (ameblo.jp)
その影響は7月下旬のから9月下旬の2か月にも及びました、その後も水位回復には時間が掛かり…イトウの衰弱個体、稚魚の減少やサクラマスの産卵数の減少も確認されました。
衰弱し全身カビの生えた大型のイトウ、このような個体が9月下旬まで確認されました
イトウの大量死が発生した翌年春のイトウの産卵床は平均すると5割ほどの減少となり
多い所では8割ほど減少した河川、まったく産卵床が無かった河川も確認されました
昨年はやや回復傾向となったものの、依然として半数以下の産卵床にとどまる河川もあり
その遡上にも異変が感じられました…
それはオスの遡上数の少なさです
宗谷のイトウは婚姻色が鮮やかで胴体が朱や赤に染まり目視しやすいのですが…
その数が少なく、オスがメスを奪い合う光景や、あぶれてウロウロする個体、
産卵後の調査でも赤いオスを目にすることが多いのですが…
今年はそのような場面が非常に少なく
複数の河川でメスが単独で産卵行動をする、極小型のオスとペアになるなどの光景を
良く見ました
メスが単独で産卵床を掘る
産卵ピークでも大型のオスは少なく小型のオスとペアになる大型のメス
イトウの雌は生涯に産卵する回数や頻度が詳しく分かっていません
ので毎年、各年、数年おき、ランダム、その周期がわからない…
恐らく2021年の少雨、高気温の影響は大きく、昨年の産卵床回復傾向は一時的なものと
考えています…それはイトウメスの産卵周期、頻度に関係すると考えられ、
たまたま今年はメスの遡上が周期的に纏まって遡上産卵した結果と思われます。
(特に秋のイトウ釣り自粛の影響が良い方向に出た可能性もあります)
ので来年メスの遡上の周期的に分散すると極端に減少を記録する可能性が高いと
考えています。
その際は再度イトウ釣り自粛の期間等を考え直さなければなりませんし、
一定年数の禁漁と言う措置の可能性もあります。
逆に回復傾向が今年以降確認されれば、自粛緩和の方向で考えています
絶滅危惧種イトウを釣りの対象として長く関わっていくことを
皆様も考えて頂ければと思います。
そして、この地域の山間部に風力発電の建設があり、
産卵域の環境悪化や水位低下の影響が懸念されます
イトウは今まで治水、都市開発、農業、林業、産業等海から河川の各流域、源流部まで
人間の活動により生息数を減らしてきました、そして今、気候変動が追い打ちをかけ
釣人のモラルと言う、不安定なもので何とか減少に歯止めがかかっている
奇跡的に産卵河川が比較的良好な宗谷地方がイトウの安定個体群が生息する地域であり
日本最大の生息地が2河川存在するのも猿払を含む宗谷地方
それは僻地ゆえの地勢、地理的要因と考えられます
そこに風力発電というものが持ち込まれ、凄まじい勢いで建設されています
最後の砦が破壊されていく…
もし2021年夏季の影響が少なくても、今後イトウの生息にプラスになる要因は無く…
イトウ釣りの在り方も大きな方向転換をする時が来るかもしれませんね…