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次回配信予定:11月28日【創刊準備第3号】
「言葉の誤用」というのは、多くの方が指摘されることなのですが、それでも蔓延していて非常に気になることが多いです。
最近は「確信犯」という言葉を誤って使っている人がいて、非常に気になりました。
確信犯(かくしんはん) [ 日本大百科全書(小学館) ]
道徳上、宗教上、政治上の確信に基づき、自ら行為をすべき義務ありとの信念により行われる犯罪。このような確信犯の概念はドイツの法哲学者ラートブルフGustav Radbruch(1878―1949)の提唱により、ドイツや日本でも広く採用されている。とくに、自らの政治的確信に基づき、あえて禁令を犯す政治犯が確信犯の中心的な問題となる。政治犯を含む確信犯を刑法上どのように扱うべきかという問題をめぐって、従来から、確信犯に対しては、通常の犯罪者と区別して「名誉拘禁」の特典を認めるべきであるとか、日本のように懲役と禁錮とを区別する場合には、確信犯は非破廉恥な犯罪であるから、禁錮刑を科すべきである、といった考え方が主張されている。また、確信犯のうち、とくに政治犯については、国際法上、逃亡犯罪人の引渡しに関し、国際慣行として「政治犯人不引渡しの原則」が認められている。このように、確信犯か否かにより法律上の取扱いが異なる以上、確信犯の概念は、ラートブルフのように行為者の確信や信念といった主観的動機のみを基本とするのではなく、法的または社会的な観点から客観的に把握すべきであるという批判も強い。
[ 執筆者:名和鐵郎 ]
こういう意味なのですが、どうも世間では「罪だと分かっていながら犯罪を犯す」とか、「開き直って犯罪を犯す」という意味に誤って使う方が多い。
確信犯とはその行為を罪だと思っていない、それどころか、「自分は正しい」と確信している訳です。
よく指摘されている筈ですが、「こだわり」の誤用も相変わらず多く見られます。
こだわ・る〔こだはる〕
[動ラ五(四)]
1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥(こうでい)する。「些細(ささい)なミスに―・る」「形式に―・る」
大辞泉
つまり、「こだわる」のは旧習や先入観や取るに足らない小さなことに囚われることを言うのであって、「食材にこだわる」「こだわりの一品」などと良い意味で使うのは間違っています。
雑誌やテレビ、企業広告なんかでも、こうした誤用が蔓延ってますが、驚いたことに、「大辞泉」には続きがありました。
近年、「一流の材料にこだわって作った料理」のように、妥協しないでとことん追求するような、肯定的な意味でも用いられる。
認められてる!
かくいう私も、気づかずに誤用してしまっていることもありまして、例えば、つい最近まで「姑息」とは「ずるい」とか「卑怯」の意味だと思い込んでいましたが、
こ‐そく【×姑息】
[名・形動]《「姑」はしばらく、「息」は休むの意から》一時の間に合わせにすること。また、そのさま。一時のがれ。その場しのぎ。「―な手段をとる」「因循―」
[ 大辞泉 提供: JapanKnowledge ]
が、正解。
しかし、これも驚いたことに続きが・・・
近年、「その場だけの間に合わせ」であることから、「ひきょうなさま、正々堂々と取り組まないさま」の意で用いられることがある。
文化庁が発表した平成15年度「国語に関する世論調査」では、「姑息な手段」を、「一時しのぎ」の意味で使う人が12.5パーセント、「ひきょうな」の意味で使う人が69.8パーセントという結果が出ている。
と書いてありました(笑)
もう、誤用している方が7割ですもの・・・。
確かに言葉とは時代によって変わっていくものです。
人間の使う道具に過ぎないのかもしれません。
ですから強く「こだわる」のもおかしいのかもしれませんね。
しかし、問題はその過渡期ですよね。
「こだわる」のように、本来の使い方と新しい使い方とが混在している状況ってのは、非常にややこしいです。
ただ、“メガホン侍”にとって、「言葉」は「刀」。
大事にしていかなくては。
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