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昨日、林英臣政経塾の合宿の後、支援者のご紹介で福岡市南区にある花畑幼稚園へ。
学校法人なぎの学園創立40周年記念として開催された小野田寛郎先生の講演を拝聴。
ご存知の通り、小野田先生は昭和19年にフィリピン、ルバング島で遊撃指揮・残地諜者の任務を与えられたまま、任務解除の命令を受けられないままたった一人で30年もの間任務を遂行された方です。
大正11年生まれということですから、89歳になられている筈ですが、とてもそうは見えません。
演題は「人は一人では生きられない」。
よく聞くこの言葉も小野田先生が語られると、その重みは格段に増します。
たった一人で30年もの間戦い続けた先生が「人間は一人で生きる能力を持っていない」と断言されます。
「人が寿命いっぱい、能力いっぱい生きるには必ず他の人間と関わらなければならない」、「人が生きるには相手を認めること、そして我慢することが必要」と。
戦後、もてはやされた「個人主義」は「利己主義」であり、「自由主義」は「勝手主義」であると、バッサリ。
そして、人が社会で暮らしていくためには「優しくあること」が必要で、優しくなるためには「強くなること」が必要だと語られました。
そして、強くなるためには、目的・目標を持って努力することだと。
社会保障の必要性は認められながら、社会保障にぶらさがる人間が増えれば社会は成り立たないと、現代の日本を批判もされました。
今の日本人に必要なのは、「甘やかす心」ではなく「真の優しさ」なのだと感じました。
原発問題にも触れられ、「“危ないからやめる”ではあまりに知恵がなく、意気地がないのではないか」と、普通に聞けばかなり刺激的な発言もされるのですが、終始柔和な表情を崩されず、また、優しい語り口で話されるので、不思議と言葉がすっと心に入り込んでくるのでした。
命とはかけがえの無い大切なものです。
しかし、ただ「死なないこと」のみに価値を置く現代では、むしろその大切な命は輝きを失ってしまっているのではないでしょうか。
我々はこの大切な命を何に使っていくのかを考え日々を生きることが必要なのではないでしょうか。
それによって命は輝きを増すのではないでしょうか。
小野田先生はたった一人で30年間戦えた理由を生きる目的、果たすべき目的があったからだと仰います。
その目的を果たすために「死んでもいい」という覚悟を決める。
そのことで生き延びた。
正に武士道の死生観です。
最後に先生の言葉をもう一つご紹介します。
「素直に日本人らしい考えかたに立ち戻れば、人は否応なしに優しくなれる。」
世のため人のため~ “メガホン侍” 伊藤央です!
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