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9日の山口新聞の記事によると、松浦市長が代表を務める政治団体『とことん防府』が、松浦市長辞表提出に伴い行われる市議補選の候補者を公募するそうです。
山口新聞→ http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2011/1009/1p.html
あちらこちらから、市長が市議補選立候補について何人もの人に打診したという情報が入ってきていたのですが、本当にまだ決まっていないのか、それともパフォーマンスか・・・。
公募の対象は『25~60歳』という年齢制限があるそうですが、どういった理由からでしょうか。
4月の県議選では、67歳で政治経験のない神田義満氏を擁立したはずですが・・・。
もっと理解出来ないのは、記事によると松浦市長は出直し市長選で市議半減を諦め、『「15~25」を軸に減らすよう訴えていく』とのこと。
1年半前の市長選後には、確か「議員半減は民意だ」と高らかに言い放たれたはずです。
そして、その後、「17名が民意だ」、そして9月議会では市長派の議員たちを中心に「23名」を主張・・・“民意”はバナナのたたき売りのように安売りされてきました。
今度は「25名」でも良い?
では、「とことん防府」に名を連ねる議員たちが9月議会で「25名」案に反対したことをどう説明する気なのでしょうか。
辻褄が全く合わない。
私はこの度の市長辞表提出の意図が全く理解できませんでした。
出直し市長選と同時に行われることになる市議補選が狙いだとしても、9月議会で「23名」案に賛成した議員は7名ですから、2席を獲得したところで9名にしかならない。
いずれにしても過半数には遠く届きません。
しかも、出直しでは市長派議員が反対した「25名」も容認すると訴えるという・・・一体、今、辞めることに何の意味があるのか。
むしろ、1年後に任期を迎える市議選で「議員削減」を争点に市長派議員を増やす方が得策に思えるが・・・。
しかし、「9名」という人数は実は大きな意味を持つことに気づいたのです。
9名は現定数の3分の1にあたる数字です。
議会で「3分の1」という数が威力を発揮するのが「再議」という規定です。
地方自治法第176条には
『普通地方公共団体の議会における条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定があるものを除く外、その送付を受けた日から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
2 前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。
3 前項の規定による議決については、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。』
と定められています。
つまり、
松浦市長が出直し市長選で勝利した場合、例えば・・・・
市長が議案を提出。
↓
議会が否決。
↓
この結果に納得せず市長が再議に付す。
↓
再議となった場合、再議決には出席議員の“3分の2以上”の同意が必要になる。
補選で「とことん防府」の議員が2名当選した場合、9月議会で「23名」案に賛成した7名と合わせて「9名」となり、議長を除けば残りの議員は17名となる。
この数は出席議員の3分の2である「18名」を下回る。
↓
再議決ならず。
・・・ということも想定されるのです。
少し分かりづらいかもしれませんが、議会の議決を市長が不服とし、再議に付した場合、再議決には3分の2以上の賛成が必要となるので、「9名」を獲ることに大きな意味が出てくるということです。
この度「23名」案に賛成した議員の中には「とことん防府」以外の議員も含まれていますから全ての議案に対しこの数が確保できるとは限りませんが、過半数に届かなくても市長にとって有利な状況が生まれることは間違いありません。
本来、再議に付すことの出来る議案は非常に限定されると考えるべきですが、名古屋市などの例を見ても自らの主張を押し通すために再議の解釈を拡大させ強弁するという傾向が見られます。
河村市長のモノマネをしてきたようにも見える松浦市長が同様のことを行わないとは限りません。
再議が狙いではないにしても、9月議会では議案によっては「11名 対 13名」で否決という議案もあったことを考えれば、二人を獲れば「13 対 13」。
あと一人を一本釣りしてくれば、議案によっては過半数を獲れるという意図も考えられます。
いずれにしても自分の思い通りにならない議会の現状を打開するための辞表提出、出直し選挙なのであれば、政策議論ではなく「政局」であり、こんなことを許すわけにはいきません。
世のため人のため~ “メガホン侍” 伊藤央です!
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