日本版「ジャスミン革命」を起こすには | 世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

代議士秘書10年、山口県防府市議6年。現在は東京都小平市議(2期目)。地方から日本を改新し、世界を救うことを目的に活動中。日々街頭に立ち、思いと政策を訴える“メガホン侍”。

 
 
ネットの影響力については今更言及するまでもありませんが、ジャスミン革命は、ネットの影響力を知っている人たちにも、十分な衝撃を与えた事件と言えるでしょう。
 
SNSなどによって、国民の不満の方向を一気に集約し、政治体制を変えられることが証明された訳です。
 
 
では、日本においても同様の変革がネットのパワーによって起こせるかというと、現状では疑問符がつきます。
 
「革命」ではなく、「変革」としたのは、現実的に考えて、日本の場合、あくまでも合法的手段(つまり選挙)による政権交代を想定したからです。
 
 
先ず、インターネットの利用率。
 
日本は、PCの普及率は高いですが、必ずしもインターネットの利用率は高くありません。
 
私がよく利用させていただいている「社会実情データ図録」によると、「この1年のインターネットの利用」率は93.8%(2010年)と高い数字ですが、「この1カ月のインターネットの利用」率となると、グッと下がって59.4%(同)となっています。
 
社会実情データ図録 http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/index.html
 
つまり、日常的にインターネットを利用して情報を得ている人はまだまだ少ないと考えられます。
 
 
更に選挙に限って考えると、ネットを活用して情報を得る人の割合が多い世代と、投票率が高い世代とが違っているということ。
 
2009年末の年齢別インターネットの利用率を見てみると、
 
20歳代    97.2%
30歳代    96.3%
40歳代    95.4%
50歳代    86.1%
60歳代前半 71.6% 
60歳代後半 58.0%
70歳代    32.9%
80歳代    18.5%
 
総務省 通信利用動向調査 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/100427_1.pdf    
 
40歳代までの「ほぼ全員」と言っていいような数字に比べ、60歳代後半からグッと下がっていることが分かります。
 
ちなみにこの利用率は、過去1年以内で利用したことがあるかどうかという調査のようなので、日常的に情報をインターネットから得ている人の割合はもっと下がるはずですし、利用率が低い年代ほど下がることでしょう。
 
つまり、60歳代以上でインターネットを利用して日常的に情報を得ている人の割合は、かなり低いということが想像できます。
 
 
では、投票率です。
 
東京と地方ではかなり差もあるでしょうから、全国規模の選挙、2009年の衆院選の投票率を年齢別で見てみます。
 
 
20歳代前半 46.66%
20歳代後半 52.13%
30歳代前半 61.15%
30歳代後半 66.29%
40歳代前半 70.37%
40歳代後半 75.03%
50歳代前半 78.87%
50歳代後半 80.38%
60歳代前半 83.36%
60歳代後半 85.04%
70歳代前半 83.34%
70歳代後半 77.68%
80歳以上   56.10%
 
第45回総選挙年齢別投票状況(総務省) http://www.soumu.go.jp/main_content/000042348.pdf
 
 
インターネット利用率の低い60歳代以上の投票率が高いということがお分かりでしょう。
 
これは、まくまでも「率」の話で、年齢別に人口自体がかなり違います。
 
若年層は他の年代に比べ人口が少なく、投票率でなく、投票者数で見れば団塊世代はいわゆる若年層のおよそ2.5倍となります。
 
つまり、現状ではインターネットの情報が投票行動として反映されづらい状況であるということになります。
 
 
更に考えなくてはならないのは、ジャスミン革命はネットのチカラだけでなし得たことではないということです。
 
ネットによって情報が拡散され、民衆のチカラが集約されたのは間違いありませんが、それが実際の(リアルな)行動につながったということが重要です。
 
では、日本では、ネットでの世論が、「リアルな行動」(日本では「投票」)に結びつくのかどうか。
 
ネット利用率が高い若年層だけを取ってみても、ネットで情報を得ている人と実際に投票に行く人がどのくらい重なっているのかということです。
 
 
ある調査では、普段投票に行かない人の78.6%が「インターネットであれば投票する」と答えています。
 
パイプドビッツ(政治情報資産クラウド「政治山」、20~30代500名のアンケート調査結果) http://www.pi-pe.co.jp/news/press/2011/20110502_01.html
 
これから分かるのは、インターネットを利用している若者の多くが投票に行っていないということです。
 
私はインターネット投票に必ずしも賛成の立場ではないのですが、それは別として、インターネット利用者が投票に行かない限り「日本版ジャスミン革命(あくまで合法的手段としての)」は、起こせないと思われます。
 
 
ただ希望があるのは、よくテレビの街頭インタビューで流されるような「政治なんて誰がやっても一緒でしょ」と、誰もが思っている訳ではないということ。
 
少なくとも、「インターネットであれば投票する」と言っているのですから、若者だってと「選択するための判断基準」は有していることになります。
 
もうひと押しですね。
 
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