水利権 | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ 

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 岐阜県のある村がリニア新幹線のトンネル工事の為に井戸が枯れたと騒いでいます、井戸が枯れても農業用水も上水道もあるのだから困らんだろうと思ったら、その村には農業用水も上水道もなくて、300年前に掘られた井戸の水で、農業も生活もやっているとのこと、全国でただ一か所今でも江戸時代の暮らしをやっている岐阜県らしい話です。

 

 岐阜県は水害が多い一方で、水利権を持っていない自治体が多い県でもあります。木曽川の水利権で最も強いのは、江戸時代からある宮田用水、般若用水、木津用水などを纏めた濃尾用水で、次が明治時代からやっている名古屋市上水道で、次が大正時代からやっている電力会社の発電用ダムです。

 

 これらは木曽川の自然流水に対して水利権を持っていますから、名古屋市上水道などは渇水時でも自然流水がある限りは取水できますし、水源貯水池としては岩屋ダムも持っていますから、水不足で給水制限になったことはありません。戦後にできた愛知用水は水源貯水池として作った牧尾ダムの水しか使えないので、牧尾ダムの水が減って来ると取水制限になります。

 

 水道を作るのが遅かった岐阜県の自治体の多くは、大河川に水利権を持っていなくて、溜池や中小河川から取水しています。水利権とはそういうもので、古くから使っていたところが権利として持っているのです。古くから使っているとなると、下流域の農業用水や大都市の上水道が圧倒的に強いのです。

 

 15年くらい前に、中国人が田舎の土地を買った時に、ネトウヨは、水源地の土地を買って日本の水を持ち出す計画だと騒ぎました。ネトウヨたちは、田舎の山のなかの土地は、そこから川が出ているのでそこに水利権があって、土地を買ったら水利権も付いて来て、川の水源から取水出来ると思っていたのです。

 

 知っている人たちから、土地の所有権と水利権は別であり、土地を買っても川からの取水はできないと指摘されると、水利権は関係ない中国人は水を盗むのだと主張しましたが、水が盗まれることはなく、現在に至るまで一滴の水も中国へは行っていません。未だに水は盗まていないと指摘されると、論旨を変えて、買った土地に日本侵略のための秘密基地を造る計画だと言い出しました。秘密基地を造りますで、建築基準法に基づく自治体の建築確認が通るはずがないのですが、子ども部屋オジサンで家を建てたことのないネトウヨは知りません。

 

 水利権の仕組みも知らない、建築基準法も知らない、世間知らずの子ども部屋オジサンの妄想で、この国は中国と戦争をやるところまで突き進んでしまうのでしょうか。

 

ネトウヨによると秘密基地の建設用地だそうです