わたしはまんまるになっていた。
クラスメイトがみんな細く、小さかった。
どんなに制服のウエストベルトをきつく縛っても、誤魔化せない。
だぼだぼのジャージでも、太ももがむちむちと浮き出ている。
マスクが手放せない。


特にきっかけなんてないんだ。
今のクラスが好きで、学校は楽しいはずなんだ。
それでもここに存在していたくない。
ただ授業中机に座っている時に決めた。

明日は絶対に学校に来ない。




翌朝、わたしは部屋から出なかった。
両親は、いつかはこうなると思っていたんだろう。
こうしてわたしは不登校になる。
あれだけ、小さい頃から絶対にならないと思って馬鹿にしていた不登校になった。
人生は、何が起こるか分からない。

両親も、悩んでいて、きっととても辛かった。
こんな予想外な初めての出来事。
学校の担任もなんとかしようと頑張ってくれていた。
友達がとても心配してくれた。
沢山のメールや手紙。
嬉しかった。
早く学校に行きたい。
もうすぐ卒業なのに、こんなことをしているのが勿体ない。
でも、そのためには痩せなければならない。


痩せたいに支配される。
が、今までダイエットをしていた反動なのか。
過食。カロリーの高いものばかりを欲する。
マーガリンなどをそのまま飲み込んだ。
美味しいなんていう感情はなくなっていた。

どうしていいか分からず、ひたすら暗闇の部屋にこもって泣く日々。
わたしは家に薬を見つけると大量に飲むようになっていた。
自傷行為と同じ。
自分を痛め付けるのだ。

市販の薬というのは弱く、大したことにはならない。
ただ母を困らせるだけだ。

どこかの精神科で処方された薬。
たかだか10錠くらいだったが、やはり病院の薬は強い。
それを全部飲んだ次の日、わたしは少しおかしくなった。
初めて、自分の身体を壊せたのだった。